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インド雑記 〜インドでゴミを拾う〜

前回の投稿で、「なぜインドを旅してきたのか」その動機について書きました。
今回は、インド滞在中に私の行動がインド人にびっくりされたことを記事にします。

インドは14億人以上の人々が暮らす国です。
人が暮らせば排出物としてのゴミも出ます。
インドは道を歩けばゴミが落ちています。
ゴミの種類は、人が捨てたものから家畜の糞尿まで様々です。
インドに行くなら、足元に気をつけて歩くことを強くお勧めします。

これらの落ちているゴミ、インドの人々は拾いません。
落ちっぱなし、堆積しっぱなし、です。
でも、ごみ収集とか掃除をしている方は存在します。
カースト制度は無くなったと言われていますが、ゴミ拾いをする役割の方々がいて、その方々がごみ収集や掃除にあたっています。
よって、それ以外の階層の人はゴミを捨てることはあっても拾うことはありません。
ゴミがゴミ箱に捨ててあって、それを回収したり掃除したりしているのではなく、ポイ捨てされているゴミを回収したり掃除したりしています。
公共の場ではゴミ箱を見かけますが、それ以外ではなかなかゴミ箱を見ることはありません。
基本、ポイ捨て。

ヒンドゥー教を始めとした信心深い方がたくさんいるのに、信仰対象の寺院にもゴミがたくさん落ちています。
日本の神社仏閣にもゴミは落ちていますので、インドの寺院が特に不衛生であると糾弾したいわけではありません。
ただ、素足で入る神聖な場所にも食べ残しのようなものであったり、なんらかのゴミが落ちていても、一向に参拝者はゴミを拾いませんし、ゴミが落ちているということに無頓着というか、無関心な感じがしました。
大らかといえば大らかなのですが、熱心に祈りを捧げているその前後で、ポイっとゴミが捨てられていく風景は不思議でした。

そんな中、参拝待ちをしていた私の足元に、キャンディーの包み紙とまだ使えそうなくらい綺麗なビニール袋が落ちていました。
その時、私は寺院巡りの最終日を迎えていて、日本から遥か遠くにきて目的を成し遂げることができる感謝の気持ちに包まれていました。
それまでもたくさんのゴミが捨てられているのを見てきたけれど、拾い出したらキリがないし、衛生状況も決して良いわけではない中で拾うことはしてこず、見て見ぬふりをしてきました。
そこで、その寺院では辺りを見回すと目の前にゴミ箱があったので、キャンディーの包み紙とビニール袋を拾い上げ、数歩先にあるゴミ箱に捨てました。
特別なことしたというより、日本でも拾える時はゴミを拾うので、いつも通りのことをしたまでです。
でも、振り返って元いた列に戻ると、同行ガイドとドライバー、そしてその後ろに並ぶインドの人々が目を丸くして私を見ていました。
「え?ゴミは拾うでしょう?大谷翔平だってゴミを拾っているよ!」
と、自分でも訳のわからないことを言ってしまいました。
それほど、インド滞在中で一番と言っていいほどの奇異の目で見られたのです。

インドでゴミを拾うと、何ともいえない雰囲気になるのだな…と学んだ場面でした。
それほどに、インドの人はゴミを拾いません。
習慣にないのかも知れません。
これは私の一個人の体験なので、偶然にもゴミ拾いの習慣のない人々に囲まれていただけなのかも知れませんので、そういうことがあったのね、といった気持ちでお読みいただけると幸いです。
インドでゴミを拾った時の話でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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