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『壁』

「壁」は、自分と対象とを隔てます。

対象を自分のゾーンに侵入させないための、バリアみたいなものです。

それは精神的な面にも、肉体的・物質的な面にも同様に作用します。

あなたの安全を維持するため、このバリアは危険をシャットアウトします。

一見当然のように見えるこの活動には、逆に大きな問題点があります。

あなたは壁を作ることで自分自身を分割し、細分化して縮小していっているのです。

あなたにとって「現実」と見える外界は、実はあなた自身の内部からの投影です。

外界と見えるものは、あなた自身の一部なのです。

それがあなたにとって、好ましいものであっても、そうでないものであってもです。

それら全てをひっくるめて「あなた自身」なのです。

ところが、あなたはこれらに対して、
「これは自分にとって好ましいものだ。受け入れよう」
「これは好ましくない。壁を作り、自分から分け隔てよう」
このように取捨選択する度に、あなたは自分自身の一部を切り離しているのです。


あなたの目の前に、ある現実が提示された。

このとき、この現実はまだどのような属性も持っていません。

唯一「あなたの内部からの投影である」という属性を除いて。

ところが、これに対して、
「好都合だ」
「不都合だ」
このような判定をした途端、その現実は属性を持ち始めます。

あなた自身が選択したことによってです。

そして「不都合だ」と判定したことについては、あなたはそれを自分自身のものだとして「受け入れること」を放棄してしまいます。

文字通り、自らの一部を切り離してしまったわけです。

あなたは「受け取り拒否」しました。

しかし拒否したからといって、この「あなたの一部」は無くなったりしません。

言ってみれば「宅配便が届かなかった」というだけのことです。

配達できなかった荷物は、集配所に戻されます。

この集配所も、もちろんあなたの内部にあります。

そして、届かなかったため、再度配達されることになるのです。

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