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20代、もがいた先に見えるもの

パッチ・アダムスという医者を知っているだろうか?
たくさんの愛とユーモアに溢れる彼は、お金や権力優先の医療に疑問を持ち、無料で治療を受けられる病院を設立。
約12年もの間、そこで多くの人の治療にあたった。
彼の半生は映画化もされ、多くの人に愛されているほか、現在も精力的に活動している。

「パッチ・アダムスの世界が、私の理想の世界。」

太陽の光が差し込む日曜の午後、真奈美さんはそう教えてくれた。

真奈美さんとの出会い

真奈美さんに初めて会ったのは、南伊豆に来て3日目。
まだ夏の暑さが残った、8月31日のことだった。

「こんにちは~!」

愛犬チャイちゃんと共に出迎えてくれた、笑顔の素敵な女性。
広島県出身で、現在は南伊豆在住のハーバルセラピスト、山之内真奈美さん。

真奈美さんのおうちでは、
山にキンカンを取りに行き、その皮を蒸留してアロマスプレーを作ったり、

収穫したキンカンたち

ハーブを調合して、自分だけのハーブティーを作ったり。

わたしは美容にいいとされるハーブをチョイス

自然と共に生活する真奈美さんのくらしを感じながら、終始ときめきがとまらなかった。

そのとき、真奈美さんとお話をして感じたのが、

・自分が大切にしていることを軸として持ち、そこがぶれていないこと
・いつでも穏やかで、常に心の余裕があること
・これからやりたいことがたくさん溢れ出ていること

瞳を輝かせながら、ゆっくりと言葉を選びながら話をする真奈美さんを前に、
こんな女性になりたい!こんな生き方に憧れる!
真奈美さんの生活や考え方に魅了されたわたしは、真奈美さんのことをもっと知りたいと思った。

そこで、また、会いに行った。

「ひとりひとりに寄り添う」ということ

次に真奈美さんに会ったのは、南伊豆のデイサービス「おっけい」。
真奈美さんは月に数回、ここで働いている。
子供からお年寄りまで幅広い年代の方が過ごすこの施設は、日曜の午後だったため、ゆったりとした時間が流れていた。

「改めて、真奈美さんについて教えてください。」

真奈美さんはあのときと変わらず穏やかに、これまでのことを話してくれた。

子供の時から憧れていた看護師として、23歳のときに総合病院に入社した真奈美さん。

小児科で忙しく働きながらも感じたのは、ひとりひとりの死と向き合えず毎回気持ちを切り替えていく必要性。また、忙しさに追われ、身近な人の看護にも関われないもどかしさ。そんな時に、1人の二十歳の青年の死や身近な人の死をきっかけに、クリニックに転職を決意した。

転職した先で、西洋医学(現代医学)に疑問を持った真奈美さんは、東洋的な医学の考え方に出会い、漢方内科へ。そしてそこでハーブと出会い、今に至る。

1時間じっくりとお話を聞いて、真奈美さんはとことん「ひとりひとりに寄り添う」からぶれない人だった。

20代の時に経験した様々な出来事を通して、自分の感情に寄り添い、常に自分自身を見つめ続ける。
悲しい出来事を、悲しいままでは終わらせず、そこから何かを得ようとする。
そして、行動する。(真奈美さんにとっては、資格を取ることや勉強すること。)

「ひとりひとりに寄り添う」という考え方は、様々な大きな出来事から、真奈美さんが出した答えであった。

真奈美さんは言う。

「私はひとりひとりの声に耳を傾けて、目の前のその人について深く知りたいし、自分のことも知って欲しい。だから今は、オンラインや調合会をメインにしている。」

「誰でも簡単に、自分の日常に取り入れられるということを感じてもらいたい。
ただ買って終わりではなく、長く続くことを大切にしたい。」

真奈美さんのその声は、これからの未来に対する決意のこもった声だった。

20代はもがいて、勉強して、遊んで。

真奈美さんは、20代はもがきながらも、やりたいことを全てやったと言った。

「体力があるうちに、自分が興味のあることを全部やる。それは資格の勉強だったり、遊びだったり。そうして自分のやりたいことや心地よいことなどが見えてくるんじゃないかな。」

現在23歳のわたしは、もがいている途中である。
自分がこれから何がしたいのか、まだわかっていない。

ただこの胸がキューッとなる苦しみも、何が正解かわからないボーッと広がる不安さも、いつの日かこれで良かったんだと思える日が来るのだ。

いつか、この暗いトンネルの出口が見えて、自分が本当にやりたいこと、やるべきことが見つかるまで、走りもがき続けよう。

そして、この貴重な20代の時間を振り返った時に後悔しないように、やりたいことを全部やろう。

立ち止まった時は、真奈美さんの言葉を思い出して。

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