人の話を聞く
私は長年接客業をしていました。
ある時、お客様に商品の在庫があるかを聞かれました。
あいにくその日は在庫を切らしており、お客様に謝罪しました。
その後すぐに、もしよろしければどのような目的でその商品を探しにきたのか、好みや他にもっと良い品はないか、色々とお聞かせ願えますか?とお声掛けさせていただきました。
話を伺ううちに、商品とは全く関係ない個人的な話になりました。
娘さんの話や昔自分がどのような事をしていたか、病気の話や今後の目標…
私はなかなか人の人生を聞ける機会はないと、とても興味深く聞いていました。15分程度でしたが、そのお客様は
『また会いに来るね!色々ありがとうね!』と、笑顔で手を振りながら帰られました。
業務に戻ろうとした時、店長に呼び止められました。
長々と話してしまったので、咎められるかと思いましたが
『話が聞こえてきたからしばらく聞いてたけど、人の話を聞くのが凄く上手で驚いた!お世辞や特別な事も言ってなかったし、相槌も同じような言葉だったけど、二人ともすごく楽しそうだった。お客様がずっと話したくなる気持ちが凄く良くわかるし、男女問わず人に凄く好かれると思う』
と絶賛されて非常に驚きました。
なぜそう感じたのかを聞いてみると
『私ならあのつまらない話しを楽しそうに聞けない』でした。
なるほど、知らない人の知らない娘や、病気、将来の目標…
興味を持てないから聞いていられないと。
人一人分の人生で経験出来る事には、程度の差はありますが
限界があるように思います。
その経験を広げてくれるのが『人』だと私は思います。
知らない人の知らない話でも
その中で自分の経験を広げてくれるものは必ずあると
その視点で生活すると、今まで気づけなかった事に気づく事が出来るようになります。
娘との確執の話の中には感謝や伝える事の大切さ
病気の話には健康の有難さ…
つまらない、無駄、どうでもいい…
その中にも自分が成長出来る可能性は何かないか?
そんな視点で捉えられるようになったら
少し楽しめる自分になれるのではないでしょうか
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