Erik Oldenhofの「The power of minimal」を鑑賞する
先日、会社の近所にある、もはや行きつけともいえるギャラリーへオランダ人アーティストの展示を見に行った。
2つ展示を見逃してしまい、久しぶりだったのだが、いつも説明をしてくれる男性がおらず、「あれっ、今日はあの人は?」と尋ねると、「彼は今Stockholmに彼の父親の彫刻の展示の交換に行っていて、明後日戻ってくるよ」と言われ、早速Stockholm話しに花が咲くシマ子。最初から飛ばしまくりだ、、、やっぱり、ここ好き、行きつけで正解、と思ってしまう。
さて、本題に戻ろう。
※アーティストについて
今回のアーティストErik Oldenhofは、建築家出身の画家だ。
特に抽象的な幾何学模様のバウハウス・スタイルの建築に影響を受けた彼の作品は、マス目のような線を用いたものが多く、たまに遊び心で斜めの線も加えはするが、曲線を用いることはないようだ。またThickening(英語の「厚み」からきている、という説明を受けた)という方法を用い、描いているマス目のような線に立体感を付けているのも特徴の一つだそうだ。
※Bioと作風
それでは作品の紹介へ移ろう。
※カテゴリー① 制限による最小限の抽象表現
まずは、ベルリンの森林地帯にある人里離れた静かなアトリエで2018~23年の夏の間に制作を行った作品を紹介しよう。
アトリエへの出発前に、彼は素材と技法の選択を制限することにし、筆、墨、墨ペンを選び、全てA3サイズの紙に描くことに決めた。この制限により、完全に制作に集中し、自分自身の内なる世界の創造に成功したそうだ。
静謐な場所で、絵画的手段を根本的に削減することで、彼は最小限の抽象表現を作品に追求した、ということだろう。
※カテゴリー② 分厚すぎるThickeningの作品
年代が逆行するものもあるとは思うが、この先はThickeningのバリエーションを、シマ子の独断と偏見でお届けしたいと思う。
まずは分厚すぎる作品から行こう。
厚塗りなだけで、マスキングテープが使われている様子はなく、「大味」な作品のためか、これらは現オーナーの小部屋の片隅に飾られており、いわゆる日陰作品だなぁ、という印象を受けた。
※カテゴリー②-1 黒と赤のモノクロシリーズ
次は、ZEROとミニマル・アートに触発された1988~89年製の黒と赤のモノクロシリーズだ。
※カテゴリー②-2 その他のモノクロシリーズ
黒と赤以外の制作年代がよくわからないので、別カテゴリーにしたが、②-1の別色をまとめてみた。
※カテゴリー②-3 単色シリーズ
一部、土台もThickeningも同色の作品が幾つかあった。その中で白ではないものをまとめてみた。
※カテゴリー③ 白のバリエーション
展示案内によると、黒と赤のモノクロシリーズの後、イメージの急激な縮小が続き、白の濃淡の多さが目立つ作品へと移行した、とある。
彼にとって白という色は、光の静けさと純粋なエネルギー、そして空間のイリュージョンを物語っており、その白を使うことで、彼は見る者に美、空間、静寂の幻視的な形を提供しようと努めているそうだ。
それでは、この日、いつもの方に代わって説明してくださった女性の一番のお気に入りの白から行こう。
※カテゴリー④ その他
今回はかなりシンプルな作品の紹介となり、シマ子のタイプとは違うのでは、と思われる方も多いかと思う。勿論そうなのだが、行きつけの場所でしっかりとした説明と共に観たからこそ、馴染みのないものにも興味が沸くというものだし、今後は、こういうくっきりぱっきりしたものをたまには見ても良いかな、という思いを起こさせてもらったのもまた事実だ。
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