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ハーブ摘みに山へ行く

そろそろシマ子がアウトドアをして耐えうる暑さの限界が近づいており、長時間外にいるのは9月までお預けかも、と思われる5月のある週末、山にハーブ摘み及びミニ講座を受けに行った。

持ち物→メモ帳、ペン、袋、昼ご飯、軍手はあってもなくても可、そしてトレッキングシューズ持参のこと、という情報が友達から転送されてき、違う町に住む別の友達の家の最寄り駅まで列車で行き、そこから車に便乗してComo湖の方にある山へ向かった。

現地へ到着する。
友達たちは駐車場所探しと靴の履き替えがあり、私一人先に降りて10分ほど辺りをうろついた。

木彫りの熊がある。
北海道っぽいじゃないか。
鮭こそ咥えてはいないが、登別とか洞爺湖温泉と言われても「嘘だ!」とは言われなさそうな雰囲気がある🤭

木彫りの熊
下の台の部分があるので定かではないが、私の身長よりは大きかったと思う。

友達はまだ来ない。
あまり遠くに行くと戻るのが面倒なので、電話してみる。
「駐車場所を見つけたよ、これからそっちへ向かうよ」というので、ストレッチをして待つシマ子。
つばの広い帽子と長袖を身に着け、金網に足をかけて180度の開脚をする謎のアジア人には、勿論誰も近寄らない🤣

冷たい視線を5,6人分浴びた後、友達たちが全身サーモンピンクのいで立ちの男性とやってくる。どうやらこの人がミニ講義をしてくれる人らしい。
車で1時間圏内の町からたくさんの人が現地集合するのかと思っていたが、集まったのは私達3人とこのハーブのプロ(本業ではないので、オタクと言った方がよいかもしれない)の4人だった(この人曰く、今やハーブに興味のある人など殆どいないのだそうだ…残念なことだ、こんなに興味深いのに)。

道は二股に分かれていたが、早速、木陰のある方へと進んでいく。太陽が燦燦と降り注ぐ方の道ではなくてよかった、と思いながらついていく。

最初に出くわしたのはこちら、Asplenium trichomanes(チャセンシダ)という植物だ。名前の通り、シダ植物群の一つで、呼吸器や髪の毛に良いそうだ。ただ、どれほどの量を乾燥・煎じてどれほどの頻度で飲めば髪がふさふさになったりハリと艶が出るのかはわからないので(ハーブのプロは既に禿げている…笑)、私達の誰も採集はしなかった。

Asplenium trichomanes

その次がこちら、Colchico autumnale(イヌサフラン)だ。Allium ursinum(ワイルドガーリック)とよく似ており、花が咲いていないとある程度の距離から見ただけでは区別がつきにくいそうだが、Colchicoは猛毒、Alliumは食用になる。ただ触ると、Colchicoの葉は肉厚で光沢があり、Alliumは薄くて光沢がなく、葉脈の入り方も異なるなどの複数の違いがあるので、「コイツ、毒があるから要注意だな」というのがわかるわけだ。

Colchico autumnale
ワイルドガーリックと比較されていたけれど、個人的にはスズランによく似ているなぁ、という第一印象を受けた。スズランにも毒があるから、この手の植物には注意した方がよさそうですね。

イヌサフラン
ヨーロッパ中南部から北アフリカ原産。種小名 autumnale(秋の)の通り、秋に花が咲く。花がクロッカスに似ているため、「秋のクロッカス」とも呼ばれる。なお名前に「サフラン」と付き見た目もよく似ているが、アヤメ科のサフランとは全く別の植物である。

Wikipediaより
Allium ursinum
以前載せた自然保護公園の散歩の記事でも登場したワイルドガーリック。
ニンニクが得意ではないシマ子は、勿論採集せず😆

山道を進むと、時々、ハーブのプロでも知らない花が登場した。ハーブとしては使用されず、単なる花なのかもしれない。でも可愛いから撮ってみた。

可愛い花
牛蒡

おなじみのタンポポ。
150種類くらいもあり、そのうち3種類が毒性だそうだ。ここでは、タンポポの葉がどのように進化したかについての説明がなされた。

下向きのがくは虫から身を守るため、上向きのがくは寒さから身を守るために、後から進化して加わったそうだ。

次にAlliaria petiolata(ガーリックマスタード)を見つけた。カリフラワーの仲間だそうだが、味はニンニクっぽいらしい。

Alliaria petiolata
イチゴっぽいけれど実がないなぁ、と思っていると…
ラズベリーのような実がついているものを発見。
しかしこれはまずくて食べられないことで有名なヤブヘビイチゴで、木苺ではない。

そうこうしているうちに開けた場所に出た。
松が生えた一体で、ハーブのプロは松の若芽を採集してペーストを作る、といい、梅を漬ける際に使うような巨大な瓶(推定2~3L)をリュックサックからおもむろに取り出す。そして、「今日の目当てはこれだ」と言い、若芽を次から次へと摘んでいく。20分近く摘んでいたので、私と友達は2人でペーストの作り方等について話していたが、松の若芽もバジルのペーストと何ら作り方は変わらないらしい。

巨大な松ぼっくりがたくさん落ちていたので、次のクリスマスのデコレーション用にバッグいっぱいに拾うシマ子。夏が大嫌いなので、クリスマスの音楽を鼻歌で歌いながら、どんな模様を描こうか、どんなものをつけようか、と今から冬について考える😂うまくできたら友達にもあげよう。
反対側はこんな感じ。随分雰囲気が変わる。

採集が終わったので移動する。
次に現れたのはParietaria officinalis(ペリトリー)である。昔は瓶の洗浄に使っていたそうだが、煮たり煎じたりして飲むと膀胱炎に効くらしい。
また、この学術名にある"officinalis"は、中世に、たくさんの効能がある植物にのみ付けられたそうである。

Parietaria officinalis
Euphorbia(トウダイグサ)
これも有毒

お腹が空いて、学術名をメモし忘れてしまった…汗

何でしょう?
これはハーブのプロも名前を度忘れしたそう。

ご飯を食べた後、ハーブのプロは、お手製の芥子の花のシロップを割ったジュースをご馳走してくれた。レモンの酸味が効いてなんとも爽やかな味だった。芥子の花は北イタリアではそこいらじゅうに咲いているので、勿論排気ガスがかからない場所で採集するそうだが、この時期に気軽に作れるシロップだそうだ。
一昨年、シマ子は近所の公園でニワトコを採集し、それでシロップを作ったのだが、レモンが足りず、オレンジを混ぜたのが原因なのか、あまりおいしいとは言えず、殆ど飲まないまま捨ててしまったことがあった。普段からあまり甘い飲み物は飲まないこともあり、シロップ作りを再挑戦しようとは思えないが、子供がいる方には、甘みの調整もお好みだし、添加物も入っていないので、おやつとして良いかもしれない。

ジュースを飲み、ハーブのプロの昼寝の後、私たちは帰途についた。
この時点ではまだ何も採集しておらず、記念に何か採らねば、という欲深なシマ子🤫
手ぶらで帰りたくなかったので、一人ミニブーケを作り始めた。

まずはマーガレットを5本くらい採ってまとめてみた。
そこに薄紫と水色の花を加えてみた。

つまらないものですがどうぞ、という雰囲気。

数十メートル行くと違う色の花に出くわす。
歩きながらどんどん違う花を足していった。

別の白い花を加え、淡い紫と水色が混ざった別の花も加えたが、大きな薄紫の花は既にしおれてしまった。

花の寿命は短い。
10分も歩くとどんどん枯れていく。
あぁ、なんということだろう、こんなに儚いものを心なく摘んでしまったシマ子は罪の意識を感じ始める。

そして・・・ヤブヘビイチゴと再会!

暗がりで撮ったミニブーケ
太陽の光の下で撮ったミニブーケ

暗がりで撮ると、なんとなくエロスを醸し出すミニブーケ🤭

それにしても、左手が腫れているのが良くわかる(そしてメモをした時に付いたペンの跡まで見える…😅)。
その理由は、この最後のブーケの写真を撮る前に、とある原っぱに出た私たちは、夕食の具材に、とある植物を採集をしたのだ。

それは紛れもない、セイヨウイラクサである!!!!!!

しっかりゴム手袋をしていたのに、イラクサの毛がビシビシと指や手首に刺さり、痛みとかゆみが走る。バッグの半量くらいまで採集した頃、あまりの痛痒さにギブアップしたシマ子がゴム手袋を脱ぐと、指先が真っ赤に腫れ、左手が全体的に人間とドラえもんの中間くらいになっていた。
その後、沈静の効果があるというハーブのプロお手製のアロマオイルを塗り、少し腫れはひいたが、それでもミニブーケと一緒に写った自分の左手は丸々していて子豚のようだ😬

子豚の手で終わるのはちょっと情けないので、最後に川のせせらぎを感じさせる写真を一枚載せておこう。ただ、おじさんが1人、紛れてしまったけれど。

セイヨウイラクサで作った食事は、別の記事に載せるので、お楽しみに!


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