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山で摘んだハーブで料理を

前回、山でハーブを摘んでミニ講義を受け、小さなブーケを作った話を綴った。
参加前は、色々なハーブを摘んで、家に持ち帰ってお茶にでもできるかな、という期待があったのだが、現実には有毒な植物が多いのと、時期的なものもあり、ふんだんに生えていて採集できたのはセイヨウイラクサのみだった。

イメージ: セイヨウイラクサ

セイヨウイラクサ(学名:Urtica dioica)イラクサ科イラクサ属の多年生植物、被子植物。ギ酸、ヒスタミン、セロトニン、アセチルコリンなどの毒がある刺毛があり、人間などが触ると皮膚炎(接触蕁麻疹)を起こす。これらの毒は、熱を加えることで無毒化し、食用や抗炎症作用やリウマチ治療などの薬効があるハーブとして利用される。そのほか、繊維から服や綱が作られ、3日ほど水の中に放置した液体は殺虫剤・殺菌剤として利用された。

Wikipediaより

そこで私達は、この毛が手に刺さって痛痒くなるセイヨウイラクサをたんまり摘み(ゴム手袋をはいていたが、突き破って刺さるのだ。なので、次回はゴム手袋2枚の上に軍手をはこうと思っている)、各々の家に持ち帰った。

なぜか、苺🍓が一つバッグに紛れていた。
かわいいから写真に入れてみた🤭

この日は初夏のような暑さもあり、暑さに滅法弱いシマ子はKOだったため、帰り際には、「皆でリゾットを作って写真を披露し合おうよ」などと言って喜んでいたものの、実際にはエシャロットも白ワインも家になく、家が近づくにつれスーパーに寄るのも面倒になり、結局、セイヨウイラクサを茹でて終わってしまった。

水から茹でて数分で柔らかくなる。

翌日、不足している材料を買って、リゾットとイタリア風卵焼きというかオムレツ的なものを作った。
まだ若干左手の中指が腫れていたが(私は左利きだ。それゆえ右手は全く負傷していない…😁)、痛痒さはなくなったので、早速、調理した品を披露したいと思う。

材料(2人前、もしくは2日分)
→リゾット: 米(150〜160g)、茹でたセイヨウイラクサ適量、エシャロット1つ、チーズの欠片か粉タイプのもの適量(理想はparmigiano reggianoかpecorino romano、なければ冷蔵庫の隅っこに眠っているカチコチのチーズ)、白ワイン大匙2杯くらい、コンソメ、オリーブオイル、水
→卵焼き: 卵4〜6個、リゾットで余ったコンソメ、茹でたセイヨウイラクサ適量、オリーブオイル

作り方は適当。
①みじん切りしたエシャロットをオリーブオイルで炒める。
②エシャロットがきつね色になったら米を加えて少し炒める。
③コンソメスープを入れ(水にコンソメの素を入れ、レンジでチンすればok)、水分がなくなってきたら継ぎ足す。
④米がアルデンテ程度の固さになった終盤で白ワインを大さじ2くらい入れ、アルコール分を飛ばす。
⑤火を止めたらチーズを入れてかき混ぜ、蓋をして2、3分置く。その時に入れたい人はバターかオリーブオイルも入れる。
卵焼きは、ほうれん草の代わりにセイヨウイラクサを入れた感じでok。

色が地味なので、ピンクの花をふりかけてちょっと可愛くしてみた😆

こんな地味な料理だけれど、味はなかなか美味しくてびっくりした。多分、セイヨウイラクサ自体が想像をはるかに超えた美味しさなのだ。
手が痛くなっても採った甲斐があったというものだ😂

∑∑∑おまけ∑∑∑
ところで、見た目こそ全く違えど、料理に愛を感じる、美味しい料理を食べる、という意味では多少の共通点のあるフランス映画「La Passion de Dodin Bouffant (邦題: ポトフ 美食家と料理人)」を見たばかりなので、今回はその映画を紹介して終わりにしたいと思う。

ポスター: La Passion de Dodin Bouffant 

Marcel Rouffによるスイスの小説「La Vie et la Passion de Dodin-Bouffant gourmet (1924)」のかなりゆるい映画化作品。

あらすじ
1885年頃のフランス。Eugénieは有名な美食家Dodinの下で20年間料理人として働いていた。彼女はその分野では優秀とみなされている。それはEugénieがDodinと厨房で過ごした時間のおかげでもあった。長年の間に二人の間には愛情に満ちた情熱が芽生えた。美食への共通の愛情からユニークで美味しく繊細な料理が生まれる。しかし、自由を愛するEugénieはDodinとの結婚を望まなかった。彼女は病に倒れ、彼は愛する人のために初めて自分で料理を作ることにする。

Wikipediaより抜粋

日本では既に公開され済みなので、ご覧になられた方も多いかもしれないが、かつて恋仲だったJuliette BinocheBenoît Magimelの、今は近すぎないのになぜか時折垣間見えるかつての余韻、空気感のようなものがあり、勿論素晴らしい料理、美しいフランスの田舎の風景と衣装(この時代の衣装を見るといつも興奮するシマ子😍)も見所なのだが、2人の醸し出す雰囲気に酔いしれた一時だった。
Juliette Binocheと食べ物と男といえば、Johnny Deppと共演した「Le Chocolat」もとても良かった(Joanne Harrisの原作も素晴らしく、彼女の別作の「ブラックベリー・ワイン」も何度も読み返している。なので映画より読書という方には本がお勧め!)。きっとこの先も「Le Chocolat」は有名な大作で、「La Passion de---」はあまり有名にはならないのだろうと思う。でも個人的には、Benoîtとの視線の交錯の方がJohnnyとのそれよりも何十倍も色っぽくていいなぁ、この2人の共演ならまた是非観たいなぁ、と思わせられる作品だった。


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