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妖怪は文化 新潟を疫病から守る

 

 8月に入り、夏も本番‼️夏と言ったら、花火やスイカ、海など色々ありますが、妖怪•怪談話も夏の風物詩ですよね!👻🏝
 また、水木しげる原作の「ゲゲゲの鬼太郎」や2014ユーキャン新語•流行語大賞にもノミネートされた「妖怪ウォッチ」、コロナ禍の中では江戸時代に肥後国(現在の熊本県)海上に出現したとされるアマビエなど昭和•平成•令和と妖怪ブームは来ています!

 今回は、そんな妖怪•怪談話について、新潟妖怪研究所の高橋郁丸さんにお話を伺う事が出来ました。



1.高橋郁丸さんのご紹介

高橋郁丸さんインタビュー時の写真

高橋郁丸さん
新潟県新潟市出身 
2010年「新潟の妖怪」を出版。
新潟妖怪研究所 所長に就任。
他にも新潟県民俗学会理事や全国良寛会理事なども務めている。



2.高橋さんにインタビュー🎙
①新潟にもアマビエならぬ「アマビコ」がいた⁉️

Q:「近年の新型コロナウイルスの影響により、現在の熊本県に出現したとされる『アマビエ』が流行しましたよね!新潟にも似た、疫病を予言する妖怪などいたのでしょうか?」

高橋さん:「詳しい場所は分かりませんが越後の海にも、アマビコが現れたと言われています。熊本でのアマビエと同様に、瓦版という資料によって現代まで伝えられました。瓦版の時期としては熊本のアマビエ発見の2年前にアマビコが現れ、『これから悪い病が流行りますよ』との予言をし、『自分の姿を見れば、その病から免れることが出来ます。』と言ったそうです。」


②他にも新潟に現れた予言獣


Q:「ありがとございます。新潟には、他にも疫病などを予言する妖怪として福島潟で『亀女(かめおんな)』が出たと言われていると聞いたのですが、こちらはどのような妖怪なのでしょうか?」

高橋さん:「そうですね。この亀女も同じく瓦版により現代まで伝えられました。そして、似たものが亀女合わせて7体も瓦版に書かれ、発見されています。しかし、この7体で全てではないと言われていて、まだ瓦版も発見しきれていないんです。亀女もアマビエ•アマビコと同様にこれから流行る病を予言をし、姿を見ることで病から免れるというものです。実は、この亀女には元ネタがあり、福島潟に人魚が出たというものを参考にされたみたいです。ちょうど人魚を参考にした亀女が紹介された時代は、疫病や黒船来航であったりと世の中が不安な時代でした。その不安を少しでも取り除くために、現在の新潟県に留まらず、関東にまでも伝えられ、亀女の話・絵は流行しました。」


③高橋さんセレクト・面白い妖怪👹


  皆さんがすぐ思いつく妖怪は人をバカにしたり、からかう妖怪が多いと思いますが、妖怪にも人間らしい、心のある妖怪もいます。その中でも高橋さんが好きな妖怪2選をご紹介します。詳しい話は、高橋郁丸さん出版の『新潟の妖怪』をご覧ください。
一、酒呑童子(しゅてんどうじ)🍶 
「こちらは私(高橋さん)が好きな妖怪の一つで、全国的にとても有名な妖怪の一つです。最近では、燕市の方で酒呑童子を用いて町おこしを行っています。酒呑童子は平安時代の妖怪で、新潟出身なんです。『童子』は童髪をしていたところから取られた名前で、出家しなかった稚児であったことがわかります。京都で退治されましたが、果たして鬼だったのか。現代まで人を魅了するのは何故なのか。とても魅力的な妖怪です。」
ニ、弥三郎婆(ヤサブロバサ)
「この妖怪は、名前の中にも漢字があるので気づく方もいるかも知れませんが、弥彦の妖怪です。そして、弥三郎婆は人間から妖怪になり、妖怪から天女様に変化したのです!弥三郎婆は元々人間の時悩みがあり、悩んで悩んで妖怪になったのですが、僧からの教えでその悩みが解決し、今度は皆を守る天女様になったという妖怪なんです。」


④妖怪研究所の活動・まとめ


 高橋さんのお話から、妖怪のほとんどの話は民俗学と密接していることに気づいた方もいられると思います。お話を伺う中で、そもそも高橋さんが妖怪に興味を持ったのも民俗学からだったそうです。ご紹介にもある通り民俗学者としての研究の中で、もっと若い人に興味を持ってもらえる内容として、妖怪について研究を始めるようになったそうです。そして、今は新潟妖怪研究所の皆様と新潟の文化の1つとして妖怪を伝える活動や妖怪の研究を行っていらっしゃいます。会員の皆様には、年に一回活動を報告する「会報」を出版し、お配りしているそうです。また、新潟県立図書館に置いてあるので、是非ご覧になって下さい。

最後に、高橋さんから、、、
高橋さん:「妖怪は文化です。妖怪に興味を持つ場所は様々だと思いますが、ぜひ新潟にも(身近なところにも)妖怪がいるんだよってもっと知って欲しいです。」
 いかがでしたでしょうか。私はインタビューするまで、知らない妖怪や話が多かったです。実際、このような資料を探すのは昔の時代の資料から探す物ですから、とても自分たちでは難しいです。なので、今回は新潟妖怪研究所の高橋郁丸さんからお話を伺えて、よかったと思います。


『新潟の妖怪』著:高橋郁丸
合併する前の新潟県は112市村町あり、その全部に1つずつ 1市町村1妖怪として112の妖怪をピックアップした作品


新潟妖怪研究所


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