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第2話 万引きした女子高生を怒鳴りつける私のマネージャー

バイド先の熱いマネージャー


バン! (机を叩く音)

今から40年前のある日(私が16歳の時)

「こんな事したらお父さんお母さん悲しむぞ」

と東北訛りの大声で女子高生に怒鳴る鍋屋さん。

バイト先での私の部署は万引き犯やお店全体の警備も兼ねた部署。

その部署の責任者が鍋屋さんだ。
鍋屋さんは見た目も喋り方も、あの元航空幕僚長の田母神さんにそっくりである。

こんな感じのマネージャー

とにかく捕まえた万引き犯を怒鳴りつける。

今ではあまり見ない光景かもしれない。

顔を真っ赤にして本気で怒っている

初めて見た時は、
「この人は、なんてヒステリックなんだ」
と思った。

しかし何回かそんな場に遭遇してたある時、一つの法則に気がついた。

それは捕まえた高校生などの未成年は警察を呼ばない、大人の場合は警察を呼ぶ事が通常だか、高校生などは警察に通報しないのです。

その代わり捕まえた未成年を自分の子供の様に本気で叱り、机を叩き怒鳴るそんな人でした。

当然その万引きした未成年の親に連絡して引き取りに来させます。

すると時には

「申し訳ございません、ちゃんと教育しますので許してください」

と床に土下座して謝る親もいたり

すると鍋屋さんは、「お父さん頭を上げてください」と鍋屋さん

そんな時、いつも鍋屋さんの目は赤く
悲しそうな目をしてた。

40年経った今でもあの赤く充血した優しい目は私の頭に記憶されています。

鍋屋さんはいつも万引きした少年少女を親に引き渡した後胃薬を飲んでいたのを思い出します。

ある日鍋屋さんが休みで代わりに来た本部の菅原さん。 
この人から鍋屋さんが今この会社に居る経緯を聞く事になる。

私が菅原さんに「鍋屋さんて凄い怒鳴りますよね」と言うと

「鍋屋さんはここに来る前、銀行の貸付け係の部長さんで融資した顧客が返済出来なくて責任を感じで辞めてここに来たんだよ」

「あの人は優しい人なんだよ」

それを聞いた時あの人の人物像が見えて来た気がした。

優しい人がゆえに、困った人に融資してしまい結果責任を取る羽目になる。

なんとも世間とは厳しく残酷なのかと16歳の私は思いました。

村社会と個人主義

現代では、自分の事が最優先の世の中、しかし鍋屋さんはおそらくギリギリの所まで顧客の審査に悩み融資OKの判断をしていたのだろう。
推測だが銀行に融資を申し込む人々の家族の事まで考えて仕事していたのだろう。西洋的なの個人主義ではなく、古き良き日本人の村社会的な人であったに違いない。

  ちょっと話しが逸れますが

村社会的な事柄を批判する事もあるが、村社会がもたらす良い面も実はあると思う。

例えばこの日本治安の良さ。

古くから日本には奴隷制度はなかった、勿論貧富の差はあっても寺子屋などで農民であっても教育を受けて勉強していた。その結果極端に蔑まされた人が海外より少なく、皆んなで平和に生きようとして来た結果が今の治安のいい日本を形作っていると思っている。 

違ってたらごめんね🙏


自然と共に生きて来た日本

これは長い時間と先人達の知恵の上に成り立っていて、他の民族では真似を出来なかった先人からの贈り物と思っている。

世界に誇れる日本人の特徴

一つのエピソードを紹介します
これは何かの記事で読んだのですが、メジャーリーグである人が監督に「いつか大谷翔平みたいな選手がまた出ると思いますか?」と質問し監督は答えた「多分出ないだろう」と答えました。
理由は「あれだけの結果を残すには並大抵では出来ない、野球に生活全てを使う。そんな事が出来るのは日本人だけだろう、日本人は
自分を律する事や謙虚で真面目で努力する民族、そんな事は日本人しか無理だね」と語ったとの事。

「もう一回言っちゃうけど」

これは約2000年以上の歴史の中で築いた先人達の贈り物と私は思っています。

話しがかなり脱線しましたが
大人の世界、人が沢山働いている場所では、鍋屋さんの様に胃が痛くなるほど真面目で優しい人や
人の足を引っ張る人が混在している。
そんな事を高校生の私は感じました。
そして自分は人の足を引っ張る様な人がいない場所で仕事がしたいと思ったのであります。

「まぁー あたりまえと言えば
あたりまえですけどね」

それってどうやったら出来るのかな?

「やっぱり自分で会社やるしかないよね」

と16歳で思った。

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