エッセンス

ある晴れた日、都会の一等地に住むシングルマザーの亜紀は、突然の会社倒産で失職してしまう。娘のためにも、次の仕事を探さなければと焦りを感じる中、ひょんなことから「エッセンス」というオーガニックコスメの販売員として働くことになる。


初めはやりがいを感じていた亜紀だったが、徐々に会社の内情や、上司や同僚たちの不正なやり方に気付いていく。エッセンスという会社は、裏では劣悪な労働環境や倫理的に問題のある生産方法を行っており、商品も本当にオーガニックなのか疑わしいものが多かった


亜紀は、自分が関わっていることが本当に正しいのか、心が揺れ動く。そして、ある日、自分がエッセンスの正体を公表する決意をする。だが、それは簡単なことではなかった。彼女は上司や同僚たちに敵対され、巧妙な嫌がらせや圧力を受けることになる。


亜紀は、羅生門のように、それぞれの立場や主張が対立する中、真実を見つけ出そうと奮闘する。そして、彼女が辿り着いた答えとは、現代社会が抱える問題、すなわち「消費者の信頼性」と「企業の倫理観」についてであった。


亜紀は、エッセンスの暗部を暴露することによって、社会に大きな影響を与えることになる。彼女が示したのは、信頼と倫理を重んじる企業に対する消費者の期待と、企業がその期待に応えることの大切さであった。

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