シン【ソウサクの中毒⇔中毒のソウサク⑪】

「ギギギ」
 白塗り人間キョンシーは、俺は殺そうと近づいてくる。
 化け物らは俺の命を奪う為に、ドンドン突き進んでいる。
 
「ぐああ」
 否だ。殺されたら、こいつらと同じキョンシーにされてしまう。
 そんなんされたら、生き恥(?)晒して生き続けることになる。

「死ね、元お袋」
 俺は最後の力を振り絞って元お袋キョンシーの頭部を殴り付けた。
「ボコボコ」
 白塗り人間マザーファッカーの頭部は、見事にダメージを受けた。
 肉は腐敗していて、ぬるぬると崩れた。
 もう死んでいるので、これ以上死ぬことは無いが、偽キョンシーの動きが遅くなった。

「へぽ、へぽくらてす」
 偽お袋キョンシーは、奇怪な言葉を発して、もんどりうった。

「ドカドカ」
 俺は連続的にキックを繰り出した。
 もう嫌だ。早く逃げ出したい。

「ぷぺぽ」
 もう一体のゾンビキョンシーが、後ろから掴みかかろうとしてくる。

「キサマも死ね」
 俺は、そいつの頭を殴り付けた。
「ボコボコ」
 そいつは、頭から血を噴き出しながら、もんどりうった。
 そいつの血は、緑色をしていた。

「逃げろ」
 俺は、窓ガラスに空いた円形の隙間から、外へ飛び出した。
 屋根を伝って、隣の住居に飛び移った。
 
 振り返ると、窓から血まみれのキョンシー2体が悔しそうに眺めているのが見えていた。
 よし、脱出成功だ!

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