塔一月号より好きな歌五首
塔1月号若葉集より、好きな歌五首について書きます・
説明しずらいのですが、もう一読から持っていかれました。
なんて素敵な歌でしょう。
「生まれたばかりの感情だから」という下の句が特に好きです。
なんか、言葉が出てこないので、それほど好きです!と言うしかありません。読むたびにうっとりします。
やさしさって、本来とても温かいものだと思うのですが、それを「こはくないやさしさもある」って、すごい発想だなって思います。私だったら、「こわいやさしさもある」って書いてしまいそう。
そして下の句への飛び方。こういう風に詠んでみたいなぁ、と思う一首でした。
一連の中にラリックの作品の歌が続くので、これもラリックの作品を見た時の歌だと思います。下の句が好きです。「渦にしずかに巻き込まれゆく」。
ラリックの作品が思い浮かぶようです。
この歌でラリックを見たくなったので、近く美術館に見に行く予定です。
上の句と下の句で繰り返される「母思う」が、とてもいいと思います。
きっと複雑な感情で母を思っているのでしょう。あんなに大きな存在だった母が老いとともに小さくなっていく。たぶん主体とお母さまは、住んでいる場所が遠いのだと思います。それゆえに会うたびに小さくなっていくお母さまを、切なく思い返している。
両親の老いを感じるのは、切ないです。その感情が伝わってくるお歌でした。
「雲のリズム」に射貫かれました。
雲のリズム!
ゆったりと浮かぶ雲だろうか、風に流されすぅっと早く流れていく雲だろうか。なんにせよ、青く広い空に浮かぶ雲が思い浮かびます。
それにしても「雲のリズム」。なんて素敵な表現でしょう。ほうっというため息しか出てきません。
今回、なかなかこの文章が書けなかったのです。
それで二月号が届きそうになってしまって、慌てて書いているのですが、なんで書けなかったのかが、こうして書いてみてよくわかりました。
言葉に出来ないほど素敵な歌が多すぎたんですね。
「いいお歌だと思います」「大好きです」、それしか言うことが出来ないおお歌ばかりでした。
こんな短歌に出会えるのが、結社に入ってよかったって思うことです。
二月号も、楽しみです(^^)
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