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訪問看護師になった理由


そもそも看護師になった理由

私の両親は自営業であり収入が不安定な家庭でした。
その中で母が私に口酸っぱく「国家資格をとりなさい」といい続けていました。

はじめは夜勤が少ない薬剤師を勧められましたが、私は地元大学の医療系文化祭で肝臓切除や白内障手術のリアルな映像を見た時、 

いっしょに見ていた友人は
「こんなの見てられない!無理!」と目をそらしていた中、私は、
「めっちゃおもしろい!もっと見たい!」
とサイコパスっぷりを発揮。

その時、「オペしたいわけじゃない、いろんなオペを見たい。それなら手術室の看護師だ。母もまあ納得するでしょう。」と思ったのでした。
大変なんじゃない?と若干の母の抵抗もありましたが、無事に看護学部に入り、都内大学病院で本当に様々なオペにつき、厳しくも楽しい日々を送りました。

小説「安楽病棟」との出会いから高齢者看護に興味を持つ

学生時代、法医学のゼミで「安楽病棟」という本について読書会のように語り合うということを体験。

認知症の方々の安楽死について考えさせられる本であり、当時全く否定できることでもないが、けして推奨されるべきものとは言えないと感じた記憶があります。そして、戦争を乗り越え、日本を支え、作ってきてくれた方々、けして大きなことを成し遂げた人でなかったとしても、日本という国にとって欠かせないパズルのワンピースであり、その方々が最期までその人であり続けられるように看護できる人になりたいと、まだ何も技術も知識もないながらに思いました。

この思いは、今でも変わっていません。

卒業後の就職先は悩んだ末、やりたいと思った順に

もともとは手術室看護師を目指していたところから、本との出会いをきっかけに高齢者の看護にも興味をもち、就活の際にはどちらの思いを優先すべきかとても悩みました。
病院見学にいき、たくさんの看護師さんと相談したうえで、後悔のないように、そして若さを活かしやすい手術室を先に経験することを選びました。

20代のうちに転職したほうが扱いがめんどくない

本当は手術室も知り尽くす、やり尽くすには10年とか経験したほうがいいのかもしれませんが、大卒で看護師になると10年後は32歳、、、
手術室しか経験のない32歳って病棟にいったとしてもかなり教育しづらいだろうし、自分も年齢とできなさのギャップに耐えるのが辛いだろうなと予測でき、絶対20代のうちに転職しようと決めていました。

1回目の回リハへの転職は失敗


実際には手術室4年経験し、26歳で転職。
まず回復期リハビリ病院に転職したのですが、職場の人間関係、上司の看護への違和感から数ヶ月で再度転職活動を始めることに。。。
転職先を考えるうえで、訪問看護は基本は日勤、夜間はオンコール、1件ずつ看護を提供するところなど、意外と手術室と共通点が多いことに気づき、訪問看護で探すことを決めました。
患者様、利用者様中心の看護を実践しているところ、病棟経験が少なくても受け入れる力があるところを探しだし、無事に希望した訪問看護ステーションに内定をいただけたので4ヶ月で退職しました。

いざ訪問看護の世界へ

それこそ「安楽病棟」の物語の中では最終的に安楽死することとなった方々に近い世代の方々への看護を経験できました。
その方の雰囲気、お家の雰囲気、語られる思い出から意思を紐解き、残された時間のなかで少しでも生きがいを持てたり、苦痛をとりのぞいたり、穏やかな最期を迎えられるよう、スタッフ全員であれこれ頭を悩ませながら看護することの楽しさというよりは有り難みを日々感じています。
世代としてはもう少し若い世代の方々や中には働く世代、小児のご利用者様もいらっしゃいますが、どの方もやはりなくてはならない存在であり、ケアできることが本当に有り難いと感じます。

今後の展望「若い世代が素敵な老後を迎えられるように看護を届けたい」

高齢者の方々への看護に注力したいという思いから、今は少し変化しています。
やはり中には凝り固まった思考からどうしても自分で自分を苦しめがちな方がいらっしゃったりします。でも、これをほぐすにはかなり根気強く絡まった糸をほどいて行かなければなりません。
できることなら、ここまで絡まる前にほどいておきたい。そうなると働く世代の方々が絡まりに気づいて、ほどけるようにする必要があります。
思えば私自身も絡まったら都度職場の先輩、彼、友人、外部のメンターにそのお手伝いをしてもらってきました。
所長にもなった今、今度は自分がお手伝いする番と思い、スタッフのフォローをしていますが、もし遠くの誰かにもこのお手伝いができたらもっと嬉しいなと想像しています。
看護師さんに限らず、もしお話ししてみたい方がいらっしゃればとてもとても嬉しいです✾


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