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ホメロス『オデュッセイア』序文(第1巻1-10行)のギリシア語解説

はじめに

『オデュッセイア』は詩人ホメロスに帰される、『イリアス』に並んで古代から愛されてきた叙事詩です。『イリアス』はトロイヤ戦争中の50日ほどの間に起きた、アキレウスという英雄の「怒り」に焦点を当てた物語である一方、『オデュッセイア』はトロイヤ戦争の後にオデュッセウスという英雄が故郷へと帰る物語、いわゆる「帰郷譚(ききょうたん)」です。


みなさまは「ノスタルジー」という言葉を聞いたことがありますね。


実は"nostalgy" はギリシア語の νόστος (nostos)「帰郷」 から来ている単語なのです。『オデュッセイア』の主人公オデュッセウスは、まさに自分の故郷に思いを馳せ、さまざまな苦難を乗り越えて故郷へと目指すのです。


ギリシアの叙事詩は冒頭にその詩の主題を掲げることを常としていました。『オデュッセイア』の冒頭を読み解くことで、この詩の主題を理解することができる、ということです。それでは一緒に参りましょう!


原文(1-10行)

1. ἄνδρα μοι ἔννεπε, Μοῦσα, πολύτροπον, ὃς μάλα πολλὰ
(andra moi/ ennepe/ mūsa po/ lutropon/ hos mala/ polla)※最初のμοιは短い
2. πλάγχθη, ἐπεὶ Τροίης ἱερὸν πτολίεθρον ἔπερσεν·
(plagkhthe e/ pei troi/ ēs hie/ ron ptoli/ ethron e/ persen)※最初の-θηは短い
3. πολλῶν δ᾽ ἀνθρώπων ἴδεν ἄστεα καὶ νόον ἔγνω,
(pollōn/ danthrō/ pōn iden/ astea/ kai noon/ egnō)
4. πολλὰ δ᾽ ὅ γ᾽ ἐν πόντῳ πάθεν ἄλγεα ὃν κατὰ θυμόν,
(polla do/ gen pon/ tō pathen/ algea/ hon kata/ thūmon)
5. ἀρνύμενος ἥν τε ψυχὴν καὶ νόστον ἑταίρων.
(arnume/ nos hēn/ te psū/ khēn kai/ noston he/ tairōn)
6. ἀλλ᾽ οὐδ᾽ ὣς ἑτάρους ἐρρύσατο, ἱέμενός περ·
(all oū/ d ōs heta/ rous er/ rūsato/ hīeme/ nos per)
7. αὐτῶν γὰρ σφετέρῃσιν ἀτασθαλίῃσιν ὄλοντο,
(autōn/ gar sphete/ rēsin a/ tasthali/ ēsin o/ lonto)
8. νήπιοι, οἳ κατὰ βοῦς Ὑπερίονος Ἠελίοιο
(nēpioi/ hoi kata/ boūs hupe/ rī onos/ ēeli/ oio)※最初の-οιは短い
9. ἤσθιον· αὐτὰρ ὁ τοῖσιν ἀφείλετο νόστιμον ἦμαρ.
(ēsthion/ autar ho/ toisin a/ pheileto/ nostimon/ ēmar)
10. τῶν ἁμόθεν γε, θεά, θύγατερ Διός, εἰπὲ καὶ ἡμῖν.
(tōn hamo/ then ge the/ ā thuga/ ter dios/ eipe kai/ hēmīn)※5番目のκαιは短い

韻律については私の書いた『イリアス』の記事を参照してください。特に注意すべき点についてはその都度解説していきます。

1-2の解説

1. 

ἄνδρα:ἀνήρ, ἀνδρός. 男性名詞, 単数, 対格。「男」。『イリアス』では "μῆνιν"、「怒り」が主題でありましたが、この「男」こそが『オデュッセイア』の主題なのです。

μοι:人称代名詞, 1人称, 単数, 与格。「私」。

 ἔννεπε:ἐνέπω (ホメロスでは ἐννέπω)。動詞。 命令法, 能動相, 二人称, 単数, 現在。「語る」。命令法になっているので、ホメロスが次に出てくるムーサに「語ってください」と言っているわけです。

Μοῦσα:Μοῦσα, ης. 女性名詞, 単数, 呼格。「ムーサ」。「ムーサよ」と語りかけています。

πολύτροπον:πολύτροπος. 形容詞, 男性, 単数, 対格。「多くの(πολυ)道(τρόπος)」。ここから「多くのことに通じている、多才な」という意味になります。

ὃς:関係代名詞。男性, 単数, 主格。一番最初に出てきた "ἄνδρα" を受けています。「その男とは…」という感じです。

μάλα:μάλα. 副詞。「とても」。次のπολλὰ にかかっています。

πολλὰ:πολύς, πολλή, πολύ. 形容詞, 中性, 複数, 対格。「多くの」。ここでは副詞的に「たくさん(放浪させられた, 次の語参照)」という意味です。

2. 

πλάγχθη:πλάζω. 動詞。直説法, 受動相, 三人称, 単数, アオリスト。「放浪させる」。受動相になっているので、「放浪させられる」という意味なります。

ἐπεὶ: ἐπεί. 接続詞。「…の後で」

Τροίης:Τροίη, ης. 女性名詞, 単数, 属格。「トロイエー」。πτολίεθρονにかかって「トロイエー(という名前)のポリス」になります。

 ἱερὸν: ἱερός, ά, όν. 形容詞。 中性, 単数, 対格。πτολίεθρονにかかって「聖なるポリス」になります。

πτολίεθρον:πτολίεθρον. 中性名詞, 単数, 対格。「ポリス(πόλις)」。次のἔπερσενの目的語です。

ἔπερσεν:πέρθω. 動詞。直説法, 能動相, 三人称, 単数, アオリスト。「(町などを)陥とす」。

1-2の訳:

男のことを(ἄνδρα)私に(μοι)語ってください(ἔννεπε)ムーサよ(Μοῦσα)、あの多才な男を(πολύτροπον)。彼は(ὃς)たくさん(μάλα πολλὰ)放浪させられた(πλάγχθη)、トロイエーの(Τροίης)聖なる(ἱερὸν)ポリスを(πτολίεθρον)陥した(ἔπερσεν)あと(ἐπεὶ)。

3-5の解説

3. πολλῶν δ᾽ ἀνθρώπων ἴδεν ἄστεα καὶ νόον ἔγνω,
(pollōn/ danthrō/ pōn iden/ astea/ kai noon/ egnō)
4. πολλὰ δ᾽ ὅ γ᾽ ἐν πόντῳ πάθεν ἄλγεα ὃν κατὰ θυμόν,
(polla do/ gen pon/ tō pathen/ algea/ hon kata/ thūmon)
5. ἀρνύμενος ἥν τε ψυχὴν καὶ νόστον ἑταίρων.
(arnume/ nos hēn/ te psū/ khēn kai/ noston he/ tairōn)

解説

πολλῶν:πολύς. 形容詞, 男性, 複数, 属格。「多くの」。続くἀνθρώπωνと性・数・格が一致して「多くの人間たちの」。

δ᾽:δέ. 次の ἀνθρώπων が母音から始まっているので、ε が脱落しています。この現象を elision といいます。(例:ἀλλὰ ἐγώ→ἀλλ᾽ ἐγώ)。「そして」。前回に続き、「その男は…」と説明が続いています。

ἀνθρώπων:ἄνθρωπος. 男性名詞, 複数, 属格。「人間」。この属格は、ἄστεα「町」と νόον「心」の両方にかかっています。

ἴδεν:ὁράω のアオリスト形として用いられている εἶδον の叙事詩形(辞書では εἴδω を引いてみてください)。動詞, 直説法, 能動相, 三人称, 単数, アオリスト。「見る」。目的語は次の ἄστεα です。 

ἄστεα:ἄστυ, ἄστεως. 中性名詞, 複数, 対格。「町」。

καὶ:接続詞。「そして」。ἴδεν ἄστεα「町を見た」と νόον ἔγνω「心を知った」を繋いでいます。

νόον:νόος. アッティカ方言では νοῦς. 男性名詞, 単数, 対格。「心」。

ἔγνω:γιγνώσκω. 動詞, 直説法, 能動相, 三人称, 単数, アオリスト。「知る」。

3の訳:彼は [=オデュッセウス] 多くの(πολλῶν)人間の(ἀνθρώπων)町々を(ἄστεα)見た(ἴδεν)、そして(καὶ)多くの(πολλῶν)人間の(ἀνθρώπων)心を(νόον)知った(ἔγνω)。

πολλὰ:πολύς. 形容詞, 中性, 複数, 対格。後ろの ἄλγεα と性・数・格が一致しています。

δ᾽:δέ. ↑の δ᾽ への解説参照。

ὅ:ὁ, ἡ, τό は教科書などには「定冠詞」として書かれていますが、ホメロスにおいては ὁ, ἡ, τό がこのように指示代名詞として使われています。男性, 単数, 主格。「彼」。

※ちなみに普通 ὁ, ἡ, οἱ, αἱ はアクセントを持ちませんが、続く γ' が前の語にアクセントを渡すためアクセントがついています。

γ᾽:γέ. γέ は先行する語を強調する小辞(particle)。例えば ἔγω+γέ →ἔγωγε「少なくとも私は」。直訳すると「少なくとも彼は」になるが、ここでは「その彼というのは、まさに〜したのだ」というニュアンスか。

ἐν:前置詞。「…の中で」。与格支配。

πόντῳ:πόντος. 男性名詞, 単数, 与格。「海」。

πάθεν:πάσχω. 動詞, 直説法, 能動相, 三人称, 単数, アオリスト。「被る」。

ἄλγεα:ἄλγος. 中性名詞, 複数, 対格。「苦痛」。πολλὰ. ἄλγεα で「多くの苦痛」。

ὃν:所有形容詞 ὅς. 「自分の」。 男性, 単数, 対格。後ろの θυμόν と性・数・格が一致しています。関係代名詞との混合に注意!この語についての詳しい解説は、高津春繁(1960)『ギリシア語文法』, 岩波書店, 303-304頁を参照。

κατὰ:前置詞。属格支配のとき:「…から下に」。対格支配のとき:「…に沿って下へ」。次に対格が来てるのでここでは後者。

θυμόν:θυμός(υは長母音であることに注意!). 男性名詞, 単数, 対格。「胸」。ὃν κατὰ θυμόν で「彼自身の胸のうちで」。

ἀρνύμενος:ἄρνυμαι. 動詞, 現在分詞, 中動相, 男性, 単数, 主格。「獲得する」。

 ἥν:所有形容詞 ὅς. 「自分の」。 女性, 単数, 対格。後ろの ψυχὴν と一致しています。

τε:τε...και で「…と…」という風につなぎます。ここでは ἀρνύμενος の目的語として、ἥν ψυχὴν 「自分の と νόστον ἑταίρων を繋いでいます(このように、τε ... και ... という語順になることに注意!)。

ψυχὴν:ψυχή. 女性名詞, 単数, 対格。「魂」としばしば訳されます(『イリアス』第1歌3節にも出てきます。「魂」と「肉体」との対比については『イリアス』の 解説note 参照)。 ἀρνύμενος ἥν ψυχὴν で直訳すると「自分の魂を獲得しようとする」です。

καὶ:↑の τε への解説参照。

νόστον:νόστος. 男性名詞, 単数, 対格。「帰郷」。「ノストス」は『オデュッセイア』全体のキーワードです。

ἑταίρων:ἑταῖρος. 男性名詞, 複数, 属格。「仲間」。ἀρνύμενος νόστον ἑταίρων で直訳すれば「仲間達の帰郷を獲得しようとする」。

4-5の訳:そして(δ᾽)その彼は(ὅ γ᾽)海に(πόντῳ)おいて(ἐν)多くの(πολλὰ)苦痛を(ἄλγεα)彼自身の(ὃν)胸の(θυμόν)うちで(κατὰ)被った(πάθεν)、自分の(ἥν)魂を(ψυχὴν)そして(τε και)仲間達の(ἑταίρων)帰郷を(νόστον)獲得しようとしながら(ἀρνύμενος)。

6-10の解説

6. ἀλλ᾽ οὐδ᾽ ὣς ἑτάρους ἐρρύσατο, ἱέμενός περ· ※ ἱέμενός の ι は長い ī
(all oū/ d ōs heta/ rous er/ rūsato/ hīeme/ nos per)
7. αὐτῶν γὰρ σφετέρῃσιν ἀτασθαλίῃσιν ὄλοντο,
(autōn/ gar sphete/ rēsin a/ tasthali/ ēsin o/ lonto)
8. νήπιοι, οἳ κατὰ βοῦς Ὑπερίονος Ἠελίοιο ※ Ὑπερίονος の ι は長い ī
(nēpioi/ hoi kata/ boūs hupe/ rī onos/ ēeli/ oio) ※ 最初の-οιは短い
9. ἤσθιον· αὐτὰρ ὁ τοῖσιν ἀφείλετο νόστιμον ἦμαρ.
(ēsthion/ autar ho/ toisin a/ pheileto/ nostimon/ ēmar)
10. τῶν ἁμόθεν γε, θεά, θύγατερ Διός, εἰπὲ καὶ ἡμῖν.
(tōn hamo/ then ge the/ ā thuga/ ter dios/ eipe kai/ hēmīn)※5番目のκαιは短い


解説

(6)

ἀλλ᾽:ἀλλά. 「しかし」。 この「 ᾽ (アポストロフィー)」は母音が続くことによる省略を示す記号で、次の οὐδε が母音から始まっているので、 α が脱落しています。この現象を elision と言います(の4節の δ᾽ への注も参照)。

οὐδ᾽:οὐδέ. 「そして…ない」。ここも elision が起きています。

ὣς:指示副詞「そのように」。ここでは οὐδ᾽ ὣς というセットで「そうであっても…ない」(The Cambridge Greek Lexicon, ὡς, (A) 3. 参照)。

ἑτάρους:ἕταρος, ἑταῖρος. 男性名詞, 複数, 対格. 「仲間」。次の ἐρρύσατο の目的語。ここではオデュッセウスとともに旅した仲間たちのことを指します。

ἐρρύσατο:†ἐρύω(想定される能動相の形, ただし ἐρύω という形は用例がない), 辞書の見出し語では ἐρύομαι. 動詞, 中動相, 三人称, 単数, アオリスト。「守る」。  

ἱέμενός:ἵημι(最初の ι は長い ī).  中動相, 現在, 分詞, 男性, 単数, 主格。「…することを熱望する」。ここでは「守ること」が了解されています。

次の περ が前接辞(enclitic)と言って前の語にアクセントを与える語であるので、 ...νός になっています。

περ:前接辞。「…だけれども」。ἱέμενός περ で「…することを熱望するけれども」。

περ にある右上の点はギリシア語のセミコロンで(あるギリシア語の先生はこれを「はなくそ」と呼んでいました)、文章が一区切りしているものの、まだ完全には終わっていないことを示します(ここでは、次に「なぜなら」という理由を説明する文が続く)。

6の訳:しかし(ἀλλ᾽)そうであっても(οὐδ᾽ ὣς)仲間たちを(ἑτάρους)[オデュッセウスは] 守らなかった(ἐρρύσατο)、[守ることを] 熱望していたけれども(ἱέμενός περ)。

(7)

αὐτῶν:ἀυτός. 強意代名詞, 男性, 複数, 属格。

γὰρ:「なぜなら」。γαρ はこのように文頭の次に来ることが多いです。

σφετέρῃσιν:σφέτερος. 所有形容詞。「自身の」。次の ἀτασθαλίῃσιν と性・数・格が一致しています。

ἀτασθαλίῃσιν:ἀτασθαλίη, ης. 女性名詞, 複数, 与格。「愚かさ」。この与格は「手段の与格」で、「彼ら自身の愚かさで」。

ὄλοντο:ὄλλυμι. 中動相, 三人称, 複数, アオリスト。「滅びる」。

7の訳:なぜなら(γὰρ)彼らの(αὐτῶν)自身の(σφετέρῃσιν)愚かさで(ἀτασθαλίῃσιν)彼らは滅んだ(ὄλοντο)からだ。

(8-9)

νήπιοι:νήπιος. 形容詞, 男性, 複数, 主格。「子どもっぽい」「 愚かな」。

οἳ:ὅς, ἥ, ὅ. 指示代名詞。男性, 複数, 主格。「彼らは」。

κατὰ:副詞。「すっかり」。ἤσθιον を修飾しています。

βοῦς:βοῦς. 男性名詞, 複数, 対格。「牛」。

Ὑπερίονος:Ὑπερίων. 男性名詞, 単数, 属格。次の Ἠελίοιο の epithet(枕詞)で、「高き所の」。

Ἠελίοιο:ἡέλιος. 男性名詞, 単数, 属格。「太陽、太陽神」。Ὑπερίων Ἠέλιος で「高き所のエーエリオス」。

ἤσθιον:ἐσθίω. 動詞. 三人称, 複数, 未完了過去。「食べる」。

αὐτὰρ:小辞. 「しかし」、あるいは「そして」。

ὁ:ὁ, ἡ, τό. 男性, 単数, 主格。「彼」。エーエリオス(ヘーリオス)を指す。

τοῖσιν:ὁ, ἡ, τό. 男性, 複数, 与格。「利害の与格」で、「彼らから(取り去る)」となります。

ἀφείλετο:ἀφαιρέω. 動詞. 中動相, 三人称, 単数, アオリスト。「取り去る」。

νόστιμον:νόστιμος. νόστος から出来ている形容詞で、「帰郷(νόστος)の」。次の ἦμαρ と性・数・格が一致しています。

ἦμαρ:ἦμαρ. 中性名詞, 単数, 対格。「日」。ἀφείλετο の目的語です。

愚かである(νήπιοι)、彼らは(οἳ)高き所の(Ὑπερίονος)エーエリオスの(Ἠελίοιο)牛を(βοῦς)すっかり(κατὰ)食べた(ἤσθιον)、そして(αὐτὰρ)彼 [エーエリオス] は(ὁ)彼らから(τοῖσιν)帰郷の(νόστιμον)日を(ἦμαρ)取り去った(ἀφείλετο)。

(10)

τῶν:ὁ, ἡ, τό. 中性, 複数, 属格。εἰπὲ の目的語で「それらのことごとを」。

ἁμόθεν:ἁμόθεν (ホメロスではここでしか使われていない語。こういうのを hapax legomenon、あるいは単に hapaxと言います)で「どこからでも」。

γε:γε は前の語を強める働きです。ここでは ἁμόθεν を強めています。

θεά:θεός. 女性名詞, 単数, 呼格。「神」。

θύγατερ:θυγάτηρ. 女性名詞, 単数, 呼格。「娘」。

Διός:Ζεύς. 男性名詞, 単数, 属格。「ゼウス」。θεά と θύγατερ Διός は同格で「女神よ、(つまり)ゼウスの娘よ」。

εἰπὲ:εἶπον(アオリストの形しかない動詞)。命令形, 二人称, 単数。「語る」。この動詞は語る「内容」の目的語として属格を取ることがあります(ここでは τῶν)。

καὶ:「…もまた」。

ἡμῖν:人称代名詞. 一人称, 複数, 与格。「私たちに」。

それらのことごとを(τῶν)どこからでも(ἁμόθεν γε)、女神よ(θεά)、ゼウスの(Διός)娘よ(θύγατερ)、私たちに(ἡμῖν)もまた(καὶ)語ってください(εἰπὲ)。






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