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やめる勇気

『適材適所』という言葉が私は好きだ。

走るのが得意なウサギに木登りを練習させたり、鳥を走らせることが解とは限らない。人それぞれ得意と不得意があるのだから、得意を伸ばしていけばいいと思う。

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文学部という、就職にあたっては何の使い物にもならないような学部を卒業した私。入社時は「自分が何が出来るか」が分からなかったので、部署の希望は出さずに人事にお任せした。

資材調達を担当して1年経って、自分の強みが全然生かされていないのを感じた。というかむしろ、自分の苦手な分野で戦っているがゆえに会社のお荷物であるように感じた。上司に異動を相談したけれど、「まだ早い」と翌年も同じ仕事内容。その翌年もまた同じ。

そうして3年目の夏、私は会社を去った。

全てが自分の都合のいいように動くわけはない。思い通りにならなかったから辞めたと言われても仕方がない。「逃げた」「諦めた」と思われても仕方がない。

ただし、次に就く仕事が前より良いとは限らないし、続けている周囲との”差”も生まれる。こういう場合は「辞める」方が難しいんじゃないかと思う。喫煙や夜更かし、食べすぎなどの悪習慣と同じで。

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アメリカ社会では『仕事が決まった瞬間から、次の仕事を探し始める』ような文化がある。一つの専門で各企業を渡り歩いて行くため、スペシャリストとしてその分野のエキスパートとなっていく。

この場合、自分の進みたい分野を学生のうちに探しておく必要がある。だからこそ、大学には「学部」という縛りがあまり無く、転学部も盛んに行われる。


対して、日本社会は別の良い特徴がある。
終身雇用の文化があるので、よほどのことをしない限りクビになることは少ない。新卒は何もできなくても育ててもらえる。また、部署をまたいで異動を繰り返していくため、色々な仕事を経験することができる。そうして、ジェネラリストとして会社のエキスパートになっていく。

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どちらが良いかは人によるだろう。

けれど、まずは経験をしなくては良しあしも分からないということ。

外を見なければ、他の選択肢があることにも気づけない。

「これだけの時間(お金)を使ったんだから」とか「なんとなく」続けるのでなく、やめる勇気を持つことも大切なのではないでしょうか。

もっと模索してもいいんじゃないでしょうか。


昔、先生に教わった。

決断に迷ったときは、より険しく見える道を選びなさい。

調べてみると、多くの偉人が同趣旨の言葉を残している。参考にされたし。

いいんですか?いいんですか?サポートしてもらってもいいんですか?