在りし日に:テレビ番組のための対話⑮最終回
【過去の記録◆2022年2月27日 No.2】
香取さん(K)「要介護って、あれですよね。2以上でないと車椅子って使えないじゃないですか」
Clara(C)「はい?」
K「要介護度が2以上でないと。で、それをこのあいた陳情しに行ったんですよ」
C「はい」
K「これって、むしろ、2とか3の人のほうが漕げないんだから、ほんとは要支援の段階から、これでリハビリ効果で、だから……っていうのをガッツリ言ったんですよ」
C「ふん、ふん」
K「いちおう分かってはくれたので……。しかも、COGYのユーザーさんといっしょに行ったんですね。で、彼女が一生懸命それを訴えて。だから、制度と実際の現場と逆、なんかおかしなことになってるんですね」
C「そうなんです」
K「しかも、まあ、でも、普通の車椅子は、マイナスをゼロにするだけだから」
C「はい」
K「これってプラスにする、新しい物じゃないですか」
C「そうなんです」
K「だから、従来の補装具の定義には、これ、当てはまんないんで、実は、特に障害者福祉の分野だと、これ、制度で使えない所がめちゃくちゃ多いんですよ」
C「あのね。おもうんですけれども、これを普及させたほうが、日本の医療費は、いま異常な額になっていますけれど、絶対に激減します」
◇写真は、2020年にテレビ放映されたドキュメンタリーの撮影中。香取さん~特定非営利活動法人『希少難病ネットつながる』理事長《2021年12月26日まで》は、この日に何回も「Claraさんといると元気をもらえる」とおっしゃって、そのたび、「あげません。それは香取さんご自身の元気ですよ」と、わたしは答えたのでした◇
[補足] 最後にお話をしたのは、この翌年の『ラブ&ピースコンサート』の舞台袖で、香取さんは50代に、わたしは60代になっていました。
「きょうは、元気をあげます」と、わたしは初めて言ったのです。そして、初めて香取さんの手を握ったのでした。元気をあげるために。
今生では逢えなくなったけれど、心残りはありません。