見出し画像

売れるまでの時間残り39秒 7

悪臭は購買意欲を一瞬にして消してしまう

五感を刺激するという意味で簡単に説明すると、「あまり使われていないからこそチャンスのある情報の提供の仕方」ということです。
技術的もしくは法律的、倫理的、モラル的に特殊な資格なしには提供できないこともある情報の種類ではあるものの、間接的でも提供できたなら相手の理解度と感度が高まる。

その代表格が「嗅覚」である。

匂いはよければ買う気になるし、悪ければ避ける。
自動車メーカーのアルファロメオやBMWは、昔から香りを使った戦略をおこなってきた。たとえばアルファロメオのフレグランスシートや、BMWのパンフレットが新車の香りがするなど。

香りは感覚のなかで唯一ダイレクトに感情脳に直結しているので、いい感情を促す香りだった場合、一発で気分がよくなり、さまざまな記憶を思い出してくれる。逆に悪臭だったら購買意欲は一瞬で消え失せる。

不自然じゃない程度にいい香りをにおわせるがいい。
たとえばマイホームにやさしい藺草の香りとか、旅行代理店は南国のイメージのパイナップル、ココナッツ、マンゴーの香りなど。

少量でよいのでアロマでも香水でもどちらでもつけて販売に挑んでほしい

臭くては売れない、そして無臭は覚えてもらえない

脳は味覚を狂わせる

「味覚」について。目隠しをして鼻栓をさせれたら、私たちはほとんど食べ物の味がわからなくなると言われていると言われている。

ニューロマーケティングを有名にした実験がペプシコーラとコカ・コーラの実験です。
世界中いたるところで2種類の飲料を試飲してもらうテストをおこない、美味しいほうを記録していくというチャレンジである。
ラベルが隠されていて、試飲した人はどこのブランドか知らずにのんでいった。そして結果は半分以上の人たちが、ペプシコーラを好んだという結果である。つまりペプシコーラが21世紀には世界の飲料業界を牛耳っているはずだ。・・・しかしそうならなかった
脳科学的には両方の飲料を一口ずつ飲んでもらうと実際にペプシコーラを飲んだときのほうが脳の被殻という中央にある部位で「美味しい」という反応をしめした。しかし、試飲する前にどちらを飲むか伝えて飲ませると「コカ・コーラの方がおいしい」といったのです。

脳の内側前頭皮質という、難しい決断をするときに反応する部位が活性したのである。つまり理論的な脳である前頭葉は「ペプシ」と言い、感情的な被殻は「コカ」という争いが発生。結果的に感情が勝った。

飲むものをあらかじめ言われたことにより、味の捉え方も好みも、理屈を押しのけて勝ってしまった。
これはコカ・コーラの長きにわたるブランディングとマーケティングの勝利と言える。

実際人は何か食べているとき安心して購買しやすいという現象があるため、食事の場で商談するのはおすすめするが、情報として味覚という感覚はほかの感覚に上書きされやすくあいまいである。

ちなみになにを食べさせればいいのかというと、男性にはタンパク質(ステーキ)女性には糖分(チョコレート)である
味を売るのは難しいが、感情は売れる

あたたかい飲み物を出すと商談の成功率が上がる?

私たち人間は3時間体温が低くなると死んでしまう。
そのため私たちは感覚のなかで、温度感覚には極端に鋭い。
とくにあたためてくれるものを好む傾向がある。

人は感情の変化を身体的にとらえる傾向がある
その逆に一定の感覚を身体に感じると、その感情を感じていると誤認もする
どうやったらその部位をあたたかく感じさせられるかは重要である
カイロをポケットに忍ばせて、握手をする前に手をあたためるのは悪い戦略ではないかもしれない。

痛みを売れ!

痛みは最も人間が避けたい感覚の一つである
ゆえに痛いと感じることは物理的にも、心理的にも、感情的にも避けようとする傾向にあり、過去に一度でも体験したことがあるならそれを回避するための労力は惜しまないことがほとんどである

もしあなたが相手の痛覚を刺激することができなければ、相手はもっと痛いなにかを解決するために時間と労力とお金を費やしてしまう。
PRもマーケティングセールスも「苦痛」を連想させることは必須事項である。
「私たちセールスマンは商品を売るのではなく、認識すべき問題に気づく「問題のセールスマン」でなければならない」

私たちは2種類の痛みを売らないといけない。
一つ目は、突然おきる、声にもだせない刺すような痛み
2つ目は、じわじわと半永久的に存在し続ける痛み

このお客様のフラストレーションや悪夢といった痛みを、お客様以上に具体的に言語化できたならば、相手はあなたを100%信頼する

問題を明確にわかっている人は、それをすぐ解決できると思っている節がある
ここでの質問は、あなたが相手の究極の苦痛をわかっているか、わかっていないかである。
これを簡単に発見する方法がある。

「これの問題は何かというと」

この質問である。この質問をするとき、答えに「死ぬ」や、それに近い言葉を使ってはいけない
なぜなら死は苦痛から解放されてしまうため、恐れるかもしれないが痛くはないからである。
たとえば、「部屋が汚い」という場合に
「これの問題は何かというと、人を呼べない」
「これの問題は何かというと、女の子も呼べない」
「これの問題は何かというと、部屋が片付くまで一生彼女はつくれない」

などである。当然何度も行えばさまざまな苦痛、葛藤、苦悩が出てくるので大いにやりましょう。

あえてバランスを崩す

バランス感覚と加速感覚。人間はバランスがとれているときには動きを感じないが、バランスが崩れると加速している感覚を覚える
そしてスピードに乗るとまたバランスがとれて安定する
つまり安定感が欲しいとき、無意識は一番怠惰な「何もしない」「行動に移さない」ことを選択する。安定していると思う人間にスピード感はなく購買決断も遅い。
そう考えると売り手としてはどうやって相手のバランスをくずすかが大事である。相手の思考の崩し方は2つしかない

1つは相手の「土台」の問題を指摘することである。

人は今の人生が安定していると確信していて、その理由は意外とあいまいであったりする。たとえば土台となることが「今まで大きな病気をしたことないから」や「ほかに職場でクビになったやつがいないから」などである。

ここで有効なのは、その土台となっているものが本当は「綱渡り」か「泥船」であることを指摘するという戦法である。

「綱渡り」は今まで通りやり続けられる可能性はあるものの、現実はリスクが高いこと。「今まで大きな病気をしたことないから」という答えに
「それが嵐の前の静けさなだけであって、今までぎりぎりうまくすりぬけてきただけとなぜ言えないのですか?」などです。

「泥船」は、本当は沈没中なのだが見ないふりをしているという状況。
「ほかに職場でクビになったやつがいないから」への返しは、
「それって部署ごとなくなる可能性もあるのでは?」
などです。

そして2つ目の崩し方は、相手の「重心」をずらすことである。

簡単に方法だけ説明すると、相手に人生の目標を聞き、現在地からの距離を認識させる「ギャップ」という方法か、相手が欲しい目先の結果を手に入れたあとのことを聞き続け、自分には何もないと気づかせる「空っぽ」という方法がある。どちらにせよバランスが崩れれば決断と行動をする確率は高まる

「深部感覚」とはなにか?

「固有受容性感覚」とも呼ばれ、自分の存在位置がどこにあるか明確にわかる感覚のことを言う。
目を閉じて自分の鼻を人差し指で押します。
これが意外にできなかったりする。この感覚をなくすと自分を見失う感覚にとらわれる。

この感覚は人が人生にまよったときに感じるものであり、何が何でも誰かの助けを得て答えをみつけたり、自分で見つけたりしようとする。

今まで信じていたものがうそだとわかったり、だまされていたと気づいた瞬間に世界が崩れる感覚がまさにそれである。

4仕上がりイメージ







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?