見出し画像

安倍元首相の銃殺について2 -宗教と保守

安倍元首相を銃殺した犯人の動機が報じられている。

報道を額面通り受け取るかは別として、件の宗教団体である旧統一教会「世界統一過程平和連合」の会見からも、犯人の母親が「正会員だったことは事実」ということらしい。

私はこの事実から感じた歪みについて、書きたい。これが間違っているかもしれない。私の知り合いに統一教会員も居る。創価学会員も居る。宗教の自由は当然のことだから、与太話で宗教を毛嫌いするような話(私も飲んだら学会批判もする)とは違うことを、書きたいと思う。

先ず自民党は、公明党と組んだ頃から、踏み入れてはいけない領域に踏み入れてしまっていて、もはや後戻りできないのではないか。組織票が欲しいのはもちろんのこと、目的のために手段を選ばなかったことで、公明党しかり、統一教会しかり、その他ネトウヨ民しかり、純度の高いはずだった自民党さんの内部が、相当な混濁にあるのではないか。自民党といっても会派もたくさんあって、意見もまちまちだ。バックについている省庁もさまざまだし、一概に自民党といっても、もともと雑然しているところに、更に加速してぐちゃぐちゃになっているのではないか。

自民党が自主憲法制定を掲げるのは、良い。総論賛成だ。各論については、いろいろある。アメリカGHQから、あるいは22歳のベアテ女子から賜った有難い憲法を70年以上も後生大事に変えずにいるのは、ハッキリ言って変態だと思う。だから、変えればよい。その議論は十分にするべきだ。自衛隊しかり、天皇制しかり、改正条項しかり、人権しかり。

その自民党が、暴走するのか。今回の選挙で図らずも民意を得た形になってしまい、岸田政権の権力基盤は明らかに強化された。仕事的にはバラマキはありがたい。結果的に数字に返ってくるので、仕事的には、よい。ただ、それが果たして日本の未来にとって、良いことなのだろうか。

財政についての懸念もさることながら、最大の懸念は外交だ。安倍さんは良くも悪くも、ずるかった。中国ともロシアとも、上手くやっていた。また北朝鮮に対しては、かなり強硬で見ていて気持ちよかった。韓国に対しては不満もあったが、韓国側の出方も含めて、致し方ないところもあったかもしれない。国際社会における日本の国力が相対的に低下していく中で、かなりの積極的な外交を展開したと、思う。

宗教と政治の歴史は長い。ロシア対欧米も、元を正せば宗教戦争だ。正教会という、プロテスタントから見れば怪しげな、オリエンタルないかがわしさに、本能的な拒否感があるのだろう。日本人が、中国人に持つような。例えば安倍元首相が神道に基づいた日本会議的な偏見的バイアスを持ちつつも、外国と上手くやっていく様子を見て、元韓国人の立場からだとわだかまりを感じつつも、清々しさ、爽快さを併せて感じてもいた。

その安倍さんが居なくなったことで、外交的空白は大きいように思う。良くも悪くも、安倍元首相は、大きい存在だった。国際社会における日本の立場は、更に弱くなるだろう。更に小さくなるだろう。

宗教の話に戻そう。国内基盤を固めるためなのか、公明党と、統一教会と手を結ぶしかなかったという事実は、何を意味するのだろう。宗教は保守ともいえる?たしかに、間違いない、ブレの少ない集票力は政治家からするとノドから手が出るほど欲しい。やむなく手を組んだのかもしれない。

公明党と組むことすら、嫌悪感を持つ人は少なくない。とくに何がキライ、という訳ではない。宗教に対する嫌悪感。日本は無宗教というが、果たしてそうか。宗教が人類の大半にとってまだまだ存在する事実と、日本だけその数が少ないこととの因果関係は分からない。ただ一ついえることは、宗教が必要な人がいるということだ。ニーズがあるうちは、なくならない。このネット時代、SNS時代に、その輪は衰退どころか、広がるのではないかとさえ、思う。誤解を恐れずいえば、参政党の宗教じみている強さが、1議席獲得の主因なのではないか。

宗教の時代。何かを信じたい。安倍さんは神格化される。保守も、一種の宗教かもしれない。安倍教ないしは美しい国教会ができるかもしれない。もしくは安倍さんとのつながりから、統一教会の信者数が伸びるかも?早々にあった記者会見は信者獲得にプラス?下世話な想像はこれくらいにして、推移を注意深く、見守っていきたい。

ちょっとサポートしてあげようかな、と思っていただいたそこのあなた!本当に嬉しいです。 そのお気持ちにお応えできるように、良いものを書いていきたいと思います。ありがとうございます!