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「今、私たちの学校は」評 -次シーズンが楽しみ

チョンサンは生きている。ぜったい!

いきなりネタバレで失礼。Netflixで12話を一気に観た。ゾンビものなので、当然ながら登場した人物がゾンビになったり死んだりする。ネタバレ込みでレビューしたいので、まだ観ていない方やネタバレぎらいの方は、読まないで下さいませ。

ゾンビものは結構好きだ。しかし、ウォーキングデッドは途中で力尽きてまだ完結まで観ていない。そろそろ観終わろう。韓国もののゾンビものだと新感染とか、SweetHomeとか、キングダムとか、結構粒揃い。新感染は2も観た、1よりはイマイチだったが。新感染のAmazonアフィリエイト貼っときます。


韓国ゾンビものについてはいずれ書くとして、その映像作品の共通点は、社会的イシューをちりばめていところだろう。この「今、私たちの学校は」においても、韓国の学校教育を中心とした社会問題を散りばめている。いじめ、校内暴力、親ガチャ、貧富の格差、高校生妊娠、フェイクニュース、コロナへの過敏対応、戒厳令下の理不尽など。例えば親ガチャで学級委員長になっているナムラや、韓国エリートスポーツの花形であるアーチェリーでドロップしたばかりのハリ、学校の絶対評価を気にするあまり(日本だとあまりないがPTAがうるさいとかが近いか)、初動対応が遅れてゾンビが拡散するなど。

私が一番共感したのは、学校という枠の中で、生徒一人ひとりが没個性として捉えられていることを描いているシーン。先生が生徒の名前を間違えるシーンだが、それだけ学校の評価、先生自身の評価のほうが優先されて、生徒に向き合えていない現実を突き付ける。金魚を食すグロさと合わさって、その鋭さが増す。

韓国社会の閉塞感を描いた作品は多いが、このドラマも同じくそういった問題を突き付ける。国会議員の特別待遇の話は日本だと理解し難いかなと思った。そう、韓国では特権階級なるものが厳然と存在しており、その特権階級でさえも特権を行使できない現実の描写に、リアリティを感じた。

ドラマとしての展開やアクションは、とても爽快で気持ちいい。怖いけど。ゾンビの迫ってくる様子やゾンビアクション(そう、ヴィンチェンツォで観た!)がひとつひとつ秀逸で、観ていて飽きない。なんで韓国のゾンビは走るんだろう。走るゾンビは、怖い。逃げきれない。

もちろんストーリーは、ゾンビに打ち勝つ流れを書いているし、ラストにかけて溜飲を下げる。ああ、よかった。だがしかし!その後の話に、つながりそうだ。まさかウォーキングデッドのように11シーズンまでは行かないだろうが、学校と市内だけをステージにしたシーズン1で終わらないだろう。シーズン2、期待したい。


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