しろくまうさぎ

元看護師 とある公立放課後児童クラブで放課後児童支援員補助をしています。

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元看護師 とある公立放課後児童クラブで放課後児童支援員補助をしています。

最近の記事

〈128〉大人の意図が子どもに伝わらないのは、大人の問題

学童保育でもそうなんです。 本棚の本を読んだ。出したところに戻さなかった。 「元の場所に戻してよ」 ではないんです。 「この本棚から出した本は、ここに戻してね」 と言ってあげたかどうかなんです。 さらに、子どもたちの発達特性を踏まえた上で、戻す場所を最初から"元の場所"ではなく"この棚"ならいい、というところから始めるのか、「ここに戻そうか」と支援員の介添えが必要なのかなどを考えます。 玩具の片付けも、部屋の利用の仕方もみんなそうです。 相手がわかるように説明

    • 母親が放課後児童クラブで働いたら辛いというお話①

      放課後児童支援員でありながら、同じ学区内で自分の子どもも育てていると、色々な辛いことがあります。 いつもは批判的論理的思考で学童保育について述べていますが、このシリーズでは、そういうお話をしてみようかと思います。

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      • 〈127〉認識の違いを受け入れる

        本人や保護者にニーズが無いとしても、育成支援に必要なことはやる。 社会性を身に付けるために必要だと支援員が判断するなら、引き上げるための支援をする。 学童は学校に付随するもの。 学童での支援は学校生活を送るに通ずる。 学習支援は学校がやるものであるが、学童で学習機会を作ることで見える学習困難さを学校へフィードバックする。 育成支援には学習支援も含まれるから、学習の機会は作る。 子どもの困難さを学校へ伝えることで、学校を揺さぶる。支援へ繋げる判断材料を提供する。

        • 〈126〉"支援員の質"の現実

          人間を育成支援する場なら、常に質の向上のために努力することが当たり前のはず。 しかしながら、質より数の視点しか持たない自治体は、現場の状況も確認せず、様々な大人を学童保育現場に投入します。 無知、無理解、倫理観や道徳心の欠如、そんなことは二の次。 謳い文句は「何もなくていい」「ただ子どもの面倒をみるだけ」 では、大人の数だけ増やした学童保育の現場で何が起きるかを、せきららにお伝えしましょう。 せきららなので、有料記事にてお送りします。

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        〈128〉大人の意図が子どもに伝わらないのは、大人の問題

          〈125〉子どもの権利の話なのか

          〈124〉の記事を書きながら、巷で話題になった学校健診での着衣の話を眺めつつ、自分が悩む"集団行動が苦手だから参加しない"と"集団行動が苦手だからこそ練習させる"も、行き着く先は子どもの権利の話なのでは?と思えてきたわけです。 学校健診での着衣の話は、側弯症や虐待、栄養失調、心雑音などの早期発見のための医学的根拠を元に、親の意向の前に、子どもには健康でいる、健診を受ける権利があるという話であり、そこに当たり前にある羞恥心への配慮をどう工夫するかというものだと認識しています。

          〈125〉子どもの権利の話なのか

          〈124〉本来の学童なんてものはあるのか②

          2年生は、座学する1年生に刺激を受けて、宿題をする子どももいて、それはそれで良いんですけどね。 全員で座って何かすることを否定するつもりはさらさら無くて。 うまい折衷案はどこかを探してるのです。 自由意志、自己決定を重視した学童保育に慣れてきた中学年、高学年の反発は大きいです。 「なんで1年生は座ってるの?」 「なんで全員で宿題するの?誰がさせてるの?」 「俺は嫌だよ。みんなと座ってなんて、俺はやらない。」 宿題や学習をするかしないか、いつするか、どれだけするか、自

          〈124〉本来の学童なんてものはあるのか②

          〈123〉本来の学童なんてものはあるのか①

          過去、"学童保育とは"を追求するというよりは、その地域独特のやり方で子どもたちに向き合ってきた筆者の放課後児童クラブ。 筆者含め支援員が入れ替わってからは、前任者が引き継ぎもせず辞めたこともあって、古い概念が残りつつ、一から模索する状態でした。 "学童保育とは"の答えを求めながら、数年かけて一つひとつ本質にそぐわない慣習を改めてきました。 組織としてはこれからという時に、主力支援員や学童保育に一生懸命向き合ってくれた支援員が、この地域の学童保育に絶望してやめていきました

          〈123〉本来の学童なんてものはあるのか①

          そして常勤有資格者はいなくなった

          タイトルの通り、常勤有資格者は体調を崩して、しばらく出勤することはできません。 残されたのは 無資格パート数名、有資格非常勤パート1名。 参酌すべき基準として、常時2名が必要とされています。 有資格者1人いれば、もう1人は無資格者でも可ではある。 さあ、開所できる状態にあるでしょうか。 筆者は無資格パートです。 今秋に資格を取るまで、"みなし有資格放課後児童支援員"だそうです。 は? 時給安いままなのに。 は? なんだ"みなし"って。そんなの通用するのか

          そして常勤有資格者はいなくなった

          支援員は何もしなくていい

          今年度をスタートさせるにあたり、支援員の"数"が足りなかった、筆者の放課後児童クラブ。 3月に自治体職員が"数あわせ"のために、かき集めてきました。 その人達が教えてくれます。 「何もしなくていいから、学童へ」と言われたと。 そんなことあるのかと思ったと。 はい、そんなことあるわけないじゃないですか。 育成支援ですよ。 本当に、ふざけるなと思いますよ。 土曜日についても、「支援員は施設管理者の代わり」とか「ちょっと困った時に相談できる大人でいい」とか。 発達

          支援員は何もしなくていい

          学童保育崩壊した翌年は②

          昨年度までの支援員の半数がやめてしまった新年度。 事務作業のしわ寄せがすごい。 毎月、振り替え休日などの手紙作成、記録、シフト作成、出勤簿の作成、電話応対、などなど。 PC作業が苦手な支援員も多いため、分担できない。 幼児保育がやりたい保育士に、学童保育の手紙作成を任せるのはまだ早い。 週に3日も来ない無資格者には任せられない。 記録してと言っても記録に残さないから、耳から入れた情報を記録する日々。 え、自分の業務って事務でした? 小学校や発達支援センターの動

          学童保育崩壊した翌年は②

          学童保育崩壊した翌年は①

          昨年度の秋に、学級崩壊の学童バージョンが起きたわけです。 …新年度ですね。 結局見切りをつけた支援員は去り、昨年度を知る会計年度任用職員は半数の2名になりました。 児童数は昨年度の1.5倍です。 募集をかけても応募はなく、自治体は近隣の公立保育園から人員をあてました。 全員無資格の補助扱い、中には保育園で働くにも無資格である者がいます。 みなさん学童保育で働きたくて来たわけではありません。"数"のために来たのです。 何が起こっているか、わかりますか。 本当にた

          学童保育崩壊した翌年は①

          〈122〉調査票を見れば、親の子どもへの向き合い方がわかる

          自分の子どもも他人の子どもも、見ようと思って見なければ、その性格も特性も、課題も、長所も短所も、正しいことは何もわかりません。 どれだけ親が子どもを理解しているか、親として子どもとどう向き合ってきたか、それが全て読み取れるものがあります。 それが調査票です。 放課後児童クラブや学童保育所に入所を申し込む際に求められる調査票。 各自治体、各放課後児童クラブ、学童保育所によって、有無や質問の程度など様々かと思います。 連絡先やアレルギーの有無程度のもの、食べ物の好き嫌い

          〈122〉調査票を見れば、親の子どもへの向き合い方がわかる

          〈121〉情報収集の苦労②

          子どもについての調査票を、親が書けないのなら保育士に聞くしかない。とのことで、翌年、保育所や幼稚園宛に質問項目を作成し、依頼します。 それを見た保育士が一言。「学校へ提供する情報と同じですよね。」 でしょうね…と心の中で思いながら、それが学童には提供されないので、お手数おかけしますがお願いしますと頼むのです。 保育士からの情報は有益です。子どもや保護者のことを本当によく見ていて、やはり専門職なのです。 そして3年が経ち、とうとう放課後児童支援員の手元にも個別支援計画が

          〈121〉情報収集の苦労②

          〈120〉情報収集の苦労①

          3年前… 同じ学童期の子どもを見ているにも関わらず、筆者の放課後児童クラブが、小学校や発達支援センター、保育園・幼稚園から必要な情報をもらおうとすると、自治体職員から「保育園や幼稚園から学校への情報提供は定められているからできる。でも学童については記載がないからできない」と言われました。 そして、「保護者に一から情報もらうしかないよね」と言われます。 そのように言う一方で、「保育園・幼稚園、学校に書類出すのと同じようなことを、保護者が学童のために書くのは手間だよね、大変

          〈120〉情報収集の苦労①

          〈119〉親にとっての小1の壁と子どもにとっての小1の壁は違う

          日々預けられる子ども達の立場から世の中を見る放課後児童支援員。 今年も当たり前に小1の壁という言葉が目につきます。 壁を壊す気など、国にも自治体にも、企業にも保護者にも、そして支援する側にもさほど無いのではないですかね。 「朝7時から校門を開けよう」 「夜7時以降でも、日曜日も、祝日も、朝から晩まで学童で預かってほしい」 「じゃないと仕事ができない、食っていけない」 「本当は子どもともっと一緒にいたい」 本当に詰んでますよね。保護者が労働者としてしか見られていないんで

          〈119〉親にとっての小1の壁と子どもにとっての小1の壁は違う

          〈118〉友達と距離をおきたい②

          嫌なことをしてくる相手を避けたいと思うのは、当然の心理です。 しかし、子ども達は他人との距離のおき方が上手いわけもないので、ほとんどの場合、嫌な人から離れられずに悩んでいます。 我慢して我慢して、ようやく距離をとったら、「避けられた!」と言われ、周りの大人たちも表面化したこの時点でやっと何か起きていることに気付くのです。 だからこそ、なぜ避けなければいけないほどになったのか、背景をよく見る必要があるのです。 そして、避けるという手段をとる場合には、あからさまにしない方

          〈118〉友達と距離をおきたい②