しろくまうさぎ

元看護師 とある公立放課後児童クラブで放課後児童支援員補助をしています。

しろくまうさぎ

元看護師 とある公立放課後児童クラブで放課後児童支援員補助をしています。

記事一覧

〈130〉子どもからの信用を一瞬で失う大人達

子どもも一人の人間です。当たり前に。 人を見る目はあります。 相手を信じたい、自分を信じてほしい。 そのためにどう振る舞えばいいのかを子ども達は知っています。 …

〈129〉福祉って、権利のための戦いばかり

ずっと。 ずーっと。 毎日、毎年。 大人は児童福祉という言葉を簡単に使いながら、大人のための福祉を展開しますよね。 本質を問うても、理念を教えても、倫理観でぶつ…

②放課後児童クラブで働いていても、ちゃんとトラブルには巻き込まれるというお話

放課後児童クラブでも児童間、保護者間のトラブルはつきものです。 放課後児童クラブの中で起きたことには、責任をもって対処しますが、時々場外乱闘に支援員が巻き込まれ…

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〈128〉大人の意図が子どもに伝わらないのは、大人の問題

学童保育でもそうなんです。 本棚の本を読んだ。出したところに戻さなかった。 「元の場所に戻してよ」 ではないんです。 「この本棚から出した本は、ここに戻してね」…

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①母親が放課後児童クラブで働いたら辛いというお話

放課後児童支援員でありながら、同じ学区内で自分の子どもも育てていると、色々な辛いことがあります。 いつもは批判的論理的思考で学童保育について述べていますが、この…

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〈127〉認識の違いを受け入れる

本人や保護者にニーズが無いとしても、育成支援に必要なことはやる。 社会性を身に付けるために必要だと支援員が判断するなら、引き上げるための支援をする。 学童は学校…

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〈126〉"支援員の質"の現実

人間を育成支援する場なら、常に質の向上のために努力することが当たり前のはず。 しかしながら、質より数の視点しか持たない自治体は、現場の状況も確認せず、様々な大人…

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〈125〉子どもの権利の話なのか

〈124〉の記事を書きながら、巷で話題になった学校健診での着衣の話を眺めつつ、自分が悩む"集団行動が苦手だから参加しない"と"集団行動が苦手だからこそ練習させる"も、…

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〈124〉本来の学童なんてものはあるのか②

2年生は、座学する1年生に刺激を受けて、宿題をする子どももいて、それはそれで良いんですけどね。 全員で座って何かすることを否定するつもりはさらさら無くて。 うまい…

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〈123〉本来の学童なんてものはあるのか①

過去、"学童保育とは"を追求するというよりは、その地域独特のやり方で子どもたちに向き合ってきた筆者の放課後児童クラブ。 筆者含め支援員が入れ替わってからは、前任者…

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そして常勤有資格者はいなくなった

タイトルの通り、常勤有資格者は体調を崩して、しばらく出勤することはできません。 残されたのは 無資格パート数名、有資格非常勤パート1名。 参酌すべき基準として、…

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支援員は何もしなくていい

今年度をスタートさせるにあたり、支援員の"数"が足りなかった、筆者の放課後児童クラブ。 3月に自治体職員が"数あわせ"のために、かき集めてきました。 その人達が教え…

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学童保育崩壊した翌年は②

昨年度までの支援員の半数がやめてしまった新年度。 事務作業のしわ寄せがすごい。 毎月、振り替え休日などの手紙作成、記録、シフト作成、出勤簿の作成、電話応対、など…

7

学童保育崩壊した翌年は①

昨年度の秋に、学級崩壊の学童バージョンが起きたわけです。 …新年度ですね。 結局見切りをつけた支援員は去り、昨年度を知る会計年度任用職員は半数の2名になりました…

3

〈122〉調査票を見れば、親の子どもへの向き合い方がわかる

自分の子どもも他人の子どもも、見ようと思って見なければ、その性格も特性も、課題も、長所も短所も、正しいことは何もわかりません。 どれだけ親が子どもを理解している…

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〈121〉情報収集の苦労②

子どもについての調査票を、親が書けないのなら保育士に聞くしかない。とのことで、翌年、保育所や幼稚園宛に質問項目を作成し、依頼します。 それを見た保育士が一言。「…

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〈130〉子どもからの信用を一瞬で失う大人達

〈130〉子どもからの信用を一瞬で失う大人達

子どもも一人の人間です。当たり前に。

人を見る目はあります。

相手を信じたい、自分を信じてほしい。

そのためにどう振る舞えばいいのかを子ども達は知っています。

どの程度のところにその均衡があるかは個人によって違いますが、不均衡になれば、当たり前に不和が生じます。

大人は子どもたちに、常に互いの信用を均衡に保つことを望みますよね。

その方がトラブルは起きないし、大人は面倒でなくなりますか

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〈129〉福祉って、権利のための戦いばかり

〈129〉福祉って、権利のための戦いばかり

ずっと。

ずーっと。

毎日、毎年。

大人は児童福祉という言葉を簡単に使いながら、大人のための福祉を展開しますよね。

本質を問うても、理念を教えても、倫理観でぶつかっても、ちっとも同じ土俵で話し合わない。

その言葉、子どものための言葉じゃない。

その仕組み、子どものためじゃなくて親のためになっている。

子どもの"今"だけ良ければよくて、"人生"を見ていない。

そんなことばっかり。

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②放課後児童クラブで働いていても、ちゃんとトラブルには巻き込まれるというお話

②放課後児童クラブで働いていても、ちゃんとトラブルには巻き込まれるというお話

放課後児童クラブでも児童間、保護者間のトラブルはつきものです。

放課後児童クラブの中で起きたことには、責任をもって対処しますが、時々場外乱闘に支援員が巻き込まれる事態が発生します。

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〈128〉大人の意図が子どもに伝わらないのは、大人の問題

〈128〉大人の意図が子どもに伝わらないのは、大人の問題

学童保育でもそうなんです。

本棚の本を読んだ。出したところに戻さなかった。

「元の場所に戻してよ」

ではないんです。

「この本棚から出した本は、ここに戻してね」

と言ってあげたかどうかなんです。

さらに、子どもたちの発達特性を踏まえた上で、戻す場所を最初から"元の場所"ではなく"この棚"ならいい、というところから始めるのか、「ここに戻そうか」と支援員の介添えが必要なのかなどを考えます。

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①母親が放課後児童クラブで働いたら辛いというお話

①母親が放課後児童クラブで働いたら辛いというお話

放課後児童支援員でありながら、同じ学区内で自分の子どもも育てていると、色々な辛いことがあります。

いつもは批判的論理的思考で学童保育について述べていますが、このシリーズでは、そういうお話をしてみようかと思います。

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〈127〉認識の違いを受け入れる

〈127〉認識の違いを受け入れる

本人や保護者にニーズが無いとしても、育成支援に必要なことはやる。

社会性を身に付けるために必要だと支援員が判断するなら、引き上げるための支援をする。

学童は学校に付随するもの。

学童での支援は学校生活を送るに通ずる。

学習支援は学校がやるものであるが、学童で学習機会を作ることで見える学習困難さを学校へフィードバックする。

育成支援には学習支援も含まれるから、学習の機会は作る。

子どもの

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〈126〉"支援員の質"の現実

〈126〉"支援員の質"の現実

人間を育成支援する場なら、常に質の向上のために努力することが当たり前のはず。

しかしながら、質より数の視点しか持たない自治体は、現場の状況も確認せず、様々な大人を学童保育現場に投入します。

無知、無理解、倫理観や道徳心の欠如、そんなことは二の次。

謳い文句は「何もなくていい」「ただ子どもの面倒をみるだけ」

では、大人の数だけ増やした学童保育の現場で何が起きるかを、せきららにお伝えしましょう

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〈125〉子どもの権利の話なのか

〈125〉子どもの権利の話なのか

〈124〉の記事を書きながら、巷で話題になった学校健診での着衣の話を眺めつつ、自分が悩む"集団行動が苦手だから参加しない"と"集団行動が苦手だからこそ練習させる"も、行き着く先は子どもの権利の話なのでは?と思えてきたわけです。

学校健診での着衣の話は、側弯症や虐待、栄養失調、心雑音などの早期発見のための医学的根拠を元に、親の意向の前に、子どもには健康でいる、健診を受ける権利があるという話であり、

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〈124〉本来の学童なんてものはあるのか②

〈124〉本来の学童なんてものはあるのか②

2年生は、座学する1年生に刺激を受けて、宿題をする子どももいて、それはそれで良いんですけどね。

全員で座って何かすることを否定するつもりはさらさら無くて。

うまい折衷案はどこかを探してるのです。

自由意志、自己決定を重視した学童保育に慣れてきた中学年、高学年の反発は大きいです。

「なんで1年生は座ってるの?」
「なんで全員で宿題するの?誰がさせてるの?」
「俺は嫌だよ。みんなと座ってなんて

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〈123〉本来の学童なんてものはあるのか①

〈123〉本来の学童なんてものはあるのか①

過去、"学童保育とは"を追求するというよりは、その地域独特のやり方で子どもたちに向き合ってきた筆者の放課後児童クラブ。

筆者含め支援員が入れ替わってからは、前任者が引き継ぎもせず辞めたこともあって、古い概念が残りつつ、一から模索する状態でした。

"学童保育とは"の答えを求めながら、数年かけて一つひとつ本質にそぐわない慣習を改めてきました。

組織としてはこれからという時に、主力支援員や学童保育

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そして常勤有資格者はいなくなった

そして常勤有資格者はいなくなった

タイトルの通り、常勤有資格者は体調を崩して、しばらく出勤することはできません。

残されたのは

無資格パート数名、有資格非常勤パート1名。

参酌すべき基準として、常時2名が必要とされています。

有資格者1人いれば、もう1人は無資格者でも可ではある。

さあ、開所できる状態にあるでしょうか。

筆者は無資格パートです。

今秋に資格を取るまで、"みなし有資格放課後児童支援員"だそうです。

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支援員は何もしなくていい

支援員は何もしなくていい

今年度をスタートさせるにあたり、支援員の"数"が足りなかった、筆者の放課後児童クラブ。

3月に自治体職員が"数あわせ"のために、かき集めてきました。

その人達が教えてくれます。

「何もしなくていいから、学童へ」と言われたと。

そんなことあるのかと思ったと。

はい、そんなことあるわけないじゃないですか。

育成支援ですよ。

本当に、ふざけるなと思いますよ。

土曜日についても、「支援員は

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学童保育崩壊した翌年は②

学童保育崩壊した翌年は②

昨年度までの支援員の半数がやめてしまった新年度。

事務作業のしわ寄せがすごい。

毎月、振り替え休日などの手紙作成、記録、シフト作成、出勤簿の作成、電話応対、などなど。

PC作業が苦手な支援員も多いため、分担できない。

幼児保育がやりたい保育士に、学童保育の手紙作成を任せるのはまだ早い。

週に3日も来ない無資格者には任せられない。

記録してと言っても記録に残さないから、耳から入れた情報を

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学童保育崩壊した翌年は①

学童保育崩壊した翌年は①

昨年度の秋に、学級崩壊の学童バージョンが起きたわけです。

…新年度ですね。

結局見切りをつけた支援員は去り、昨年度を知る会計年度任用職員は半数の2名になりました。

児童数は昨年度の1.5倍です。

募集をかけても応募はなく、自治体は近隣の公立保育園から人員をあてました。

全員無資格の補助扱い、中には保育園で働くにも無資格である者がいます。

みなさん学童保育で働きたくて来たわけではありませ

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〈122〉調査票を見れば、親の子どもへの向き合い方がわかる

〈122〉調査票を見れば、親の子どもへの向き合い方がわかる

自分の子どもも他人の子どもも、見ようと思って見なければ、その性格も特性も、課題も、長所も短所も、正しいことは何もわかりません。

どれだけ親が子どもを理解しているか、親として子どもとどう向き合ってきたか、それが全て読み取れるものがあります。

それが調査票です。

放課後児童クラブや学童保育所に入所を申し込む際に求められる調査票。

各自治体、各放課後児童クラブ、学童保育所によって、有無や質問の程

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〈121〉情報収集の苦労②

〈121〉情報収集の苦労②

子どもについての調査票を、親が書けないのなら保育士に聞くしかない。とのことで、翌年、保育所や幼稚園宛に質問項目を作成し、依頼します。

それを見た保育士が一言。「学校へ提供する情報と同じですよね。」

でしょうね…と心の中で思いながら、それが学童には提供されないので、お手数おかけしますがお願いしますと頼むのです。

保育士からの情報は有益です。子どもや保護者のことを本当によく見ていて、やはり専門職

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