ゲームブロガーがマジで選んだ!「プレイするだけで賢くなる」コンピュータゲーム 5選―暇つぶしにも教育にも、そして育児にも
お疲れ様です、pontaです。
これまでゲームを1000本以上やりこんできたオタクかつ、3子の父でもあります。
コロナ騒動で子供を学校に通わせられない親として「子供が家でゲームばかりやってる」という嘆きもよくわかります。
ただまあ、ゲーム害悪論が四国の某所で跋扈する中、「うるせーバカ」の意味もこめつつ、書きました。どうぞ。
1)『Minecraft』(算数)
まずは外せないこの一本。
ブロックを削って積んで冒険する、そんなMinecraftのいいところはふたつあり、ひとつめは空間認識能力を高めるところ。
空間認識能力とは、物体の位置や大きさ、形などが、空間のどこにあるかを把握する…能力のことです。
幼少時のブロック遊びなどで鍛えられ、長じては科学や数学などに好影響があると言われています。
マイクラはブロック状を上下左右に積むゲーム。まさにこれを鍛えてくれます。
そしてもうひとつのメリットは、ロジカルになるところですね。
例えば、「村人を増やすためにはパンが必要で、パンを作るためには、カマドと小麦が必要で、そのためには畑と石と鉄と種が必要で…」といった風に目的のために手段を筋道立てて考える必要があります。
複数人でマルチプレイをやると盛り上がりますので親子でぜひ。マネージメントやリーダーシップ、コミュニケーションスキルも付きますよ。
ただマイクラはとっつきにくい面があり、似たシステムの『ドラゴンクエストビルダーズ2(DB2)』のほうが初手はいいかもです。
DQB2は単なるマイクラもどきと思ったら大間違い。ストーリーの中で操作方法を自然と覚えられる親切なチュートリアルや、あまたの機能改善などにより独自の良作に仕上がってます。スタッフのセンスと良心を感じます。
2)『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(理科)
まず、このゲームは「めちゃくちゃ面白い」です。
TIME誌の2010年代トップ10ゲームのひとつにも選ばれている傑作です。
もうこれだけでやる理由としては十分なんですが、子供にも絶対好影響があると信じています。
だってサブタイトルが「ブレスオブザワイルド」なんです。
「魔王の復活」とか「そして伝説へ」じゃないんです。「野生の息吹」なんですよ。ラスボスやストーリー、ガン無視のサブタイトル。
そしてゲームの内容が実際そうだから困る。
まずもって画面が幻想的に美しい。天気と地域と時間によってさまざまなに変わる光の表現は、コロナで外に出れない鬱屈を抱えた子供はもちろん、不景気に苦しむ我ら大人の心を美しくいやすでしょう。
雪山の寒さに震えつつ到達した山頂の眺望に感動し、草や蝶を撮影し、キャンプ料理に凝り、ハンググライダーで空を飛ぶ…。ああ地球は美しい。
ボスはどうした、リンクよ。でもいいじゃん。楽しいんだから。
「最近、外に子供たちを連れて行ってあげられてないなー」と嘆くあなた。大丈夫。ゼルダがありますよ。
あと謎解き部分も秀逸で、問題Aに対して解答がひとつではない、力業でもズルでも手段が無数にあるところが知育にいいです。
3)『Capitalism 2』(経済)
このゲームの内容は、以前ジニさんところのゲーム批評祭に応募し、受賞したやつがあるのでご参照ください。
ようは会社の社長になってお金持ちになってくださいというものです。
このゲームの秀逸なのは、小売(販売店)からスタートするところ。
だって、お金持ちになりたい=お店を開く、ってわりとわかりやすいじゃないすか。大人でも子供で。
ただお店を開くと、けっきょく利益を得て大勝ちするには自社製品を作るしかないと気付く。
ようやっと自社工場を持っても、原材料を他社から買い付けてるうちは供給が安定しないと気付く。そこから鉱山や畑を押さえても、研究力やマーケティング力がないと製品の総合力で負けてしまう。
なんなら製品を作らなくても売らなくても、他社をまるごと買収すれば良かったりする。
そういったいくつもの気づきによって、資本主義のからくりに気づけるゲームです。
アメリカでも実際に大学教育に使われているそうで、さもありなん。
ただ『Capitalism 2』は入手しづらい、日本語化しづらいです。さらに小さな子供がやって面白いかは、微妙すぎる。賢い高校生の子とかがハマるかなって感じで。
ただ日本語化しなくても慣れればわかるし、なんなら日用品の英単語を学べる効果もあります。
これと似たゲームで、カリブ海に浮かぶ島国を運営する、シミュレーションゲーム『トロピコ』のほうが遊びやすさは上です。『トロピコ』は経済よりむしろ政治を学べますね。明るい背景、ブラックな内容。
これのレビューはいつか書きたいですね…。
4)『桃太郎電鉄』(地理)
日本の地理を覚えるにはこの一本。説明不要ですね。今年新作が出ます。
5)『ドラゴンクエスト 11』(国語)
自分は国語が得意でした(というかぶっちゃけ国語のテストで間違えたことがないレベルです)。
とはいえ別にそんなにむつかしい本を読んできたわけではありません。
推理小説とか歴史小説とかSFのような娯楽が中心で、なんならマンガのほうが読んでいます。
でも、国語力のある子は「ためになるけれどもむつかしい本」をがんばって読まず、「そんなにためにならないけど、むちゃくちゃ面白いマンガ」をたくさん読んでいたりします。
何を読むかよりむしろ面白くたくさん読むほうが国語力の養成には大事なのです。
その点『ドラゴンクエスト』は面白い。そして日本語も、みごと。
『へんじがない ただのしかばねのようだ』なんて普通のセンスではないですよ。
ふつうは『死体が転がっている…』でしょう。
この表現を生み出したシナリオ担当の堀井雄二さんは、多量の情報(情緒)を短文にこめる天才なので、それに触れることはプラスにしかならないと思います。
なお2019年に発売された『ファイアーエムブレム 風花雪月』も文字量が多くて日本語力が鍛えられます。シナリオは100点の出来です。ただし道徳がゼロ点なので(誉め言葉)今回は泣く泣く除外しました。
まとめ
もちろん、ゲームのやりすぎはよくないです。お外にも出ず、ずっとゲームというのは体力的、情操的にはネガティブな影響があるでしょう。依存症には配慮が必要です。ゲームだけでは身につかない経験もたくさんあります。
ただ同時に、ゲームでしか身につかない経験や能力もあると思っていて、どうせやらせるならその手のゲームを、といったところであります。
百人一首も将棋もいまでは知育とか言われていますが、もともとゲームですからね。コンピュータゲームもいつか、知育の道具になるかもしれませんよ。
以上、よろしくお願いします。
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