平井大輝

CLACK(クラック)というNPO法人の代表をやっています。子どもの貧困問題に強い関心…

平井大輝

CLACK(クラック)というNPO法人の代表をやっています。子どもの貧困問題に強い関心があり、生まれや育ちに関係なく子どもが将来に希望とわくわくを持つにはどうすればいいか日々考え、実践しています。 NPO法人CLACKの公式note https://note.com/clack

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  • なるほどクラック

    NPO法人CLACK代表の平井がCLACKの活動について書いています。

最近の記事

「前例に囚われない教育」VS「エビデンスベースの客観的に正しい教育」

「今の教育制度は、その教育を受けた子どもたちが生きていく社会と合っていない。個別最適な学びにして、学校の先生の業務はコーチング中心でいいのではないか。」 「受け身の授業じゃなくて、もっとディスカッションを増やして、アクティブラーニング型の授業にしよう。」 「既存の集団授業が合っていない子向けには、北欧でうまくいっている◯◯教育を取り入れよう。」 教育。国民全員が教育を受ける日本において、誰もが意見を持つことができる数少ないトピック。 誰もが関われるという垣根の低さから

    • 貧困下で育ったNPO代表と教育格差

      こんにちは。NPO法人CLACK理事長の平井といいます。 大学時代の2018年にCLACKを立ち上げ、2022年4月現在26歳です。 僕は中学生のときに、父親の自営業が潰れ父親が借金を背負い、両親が離婚したことによって、貧困状態に陥りました。 今回は僕が実際に経験した体験とデータを比較しながら教育格差についてご紹介していきます。 データから語られることはあくまで傾向であり、低所得世帯だからこうだとかラベリングしたいわけではないです。 また、偏差値や学歴が低いからどうこう

      • PC寄贈プロジェクト「Pass the Baton」に込める想い

        こんにちは。NPO法人CLACK(クラック)理事長の平井です。 この度、メルカリ社より、使用済みPC100台を寄贈いただきました。 IT企業の社員さんが実際に使っていた使用済みPCを、経済的事情で十分なスペックのPCを買えない高校生が譲り受け、ITエンジニアを目指してプログラミングを学ぶ。エンジニアから高校生へとPCというバトンを繋ぐプロジェクト。それが「Pass the Baton」です。 今回のnoteでは「Pass the Baton」に込める想いとその意義について

        • プログラミング学習支援を届けるCLACKが、全国に活動を広げたいワケ

          こんにちは!NPO法人CLACK代表の平井です。 今回のnoteでは、なぜ全国にCLACKの活動を広げていきたいのかについてお伝えしていこうと思います。 これまでのCLACKとこれから改めてCLACKの活動「Tech Runway」について簡単に説明すると、 「経済的・環境的に困難を抱える高校生に対し、無料のプログラミング学習支援とキャリア教育を提供し、将来的に自分の人生を自分で切り拓いていけるようになってもらうこと」を目的としています。 2018年から活動を始め、半年間

        「前例に囚われない教育」VS「エビデンスベースの客観的に正しい教育」

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        • なるほどクラック
          10本

        記事

          【募集は締め切りました】中学3年生、高校生支援の非営利団体に無料で出張IT・プログラミング体験会実施します!@大阪、兵庫

          こんにちは。NPO法人CLACK(クラック)理事長の平井です。 CLACKでは大阪を中心に、高校生を対象に無料で半年間のプログラミング学習支援やキャリア教育を提供しています。 この度、応募団体様の各拠点で中学3年生、高校生向けに無料(交通費含む)で出張プログラミング体験会を開催させていただきます。 (実施期間:3月10日〜4月20日) 無料出張体験会を開催する背景これまでCLACKでは、第1期〜第3期生までで約40名の高校生に半年間無料でプログラミングを学ぶ機会を提供して

          【募集は締め切りました】中学3年生、高校生支援の非営利団体に無料で出張IT・プログラミング体験会実施します!@大阪、兵庫

          なるほどクラック vol.9 〜高校内居場所カフェ〜

          代表・平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 前回のnoteでは、CLACKのキャリア教育についてご紹介しました。 vol.9では、CLACKが2020年より実施している「校内居場所カフェ」について紹介していきます。 校内居場所カフェって?そもそも校内居場所カフェってなんぞや、という方も多いと思うので簡単に説明していきますね。 ジュースやお菓子などで軽くお腹を満たしながら、他愛のないおしゃべりをしたり、ボードゲームなどをしたりして過ごし

          なるほどクラック vol.9 〜高校内居場所カフェ〜

          なるほどクラック vol.8 〜CLACKのキャリア教育〜

          代表・平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 前回のnoteでは、CLACKのプログラミング学習支援についてご紹介しました。 vol.8では、CLACKがプログラミング学習支援に通っている生徒向けに実施しているキャリア教育について紹介していきます。 CLACKでは高校生に3ヶ月間プログラミングを学びに通ってもらっている間、隔週でキャリア教育の時間を用意しています。 CLACKのキャリア教育は主に ①思考の枠を広げる ②進路の選択肢を知っ

          なるほどクラック vol.8 〜CLACKのキャリア教育〜

          なるほどクラック vol.7 〜CLACKのプログラミング学習支援(後編)〜

          代表・平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 今回は、CLACKのプログラミング学習支援について(後編)です。 前回の記事をまだ読んでない方はさらっとでも目を通してもらえると嬉しいです。 プログラミング学習支援の3ステップ CLACKでは、上の3つのステップで高校生をサポートしています。 前回の記事ではこの3ステップのうち、「ステップ1」としている、生徒集めやプログラミング体験会について紹介しました。 後編では、 ・3ヶ月間のプログラミ

          なるほどクラック vol.7 〜CLACKのプログラミング学習支援(後編)〜

          なるほどクラック vol.6 〜CLACKのプログラミング学習支援(前編)〜

          代表・平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 今回は、CLACKのプログラミング学習支援について紹介していきます。 前回の振り返り前回の記事では、経済的・環境的に困難を抱える高校生を支援する上で、以下の3つのことを満たしていることが重要ということでした。 ①支援対象の高校生にアプローチでき、高校生自身がその支援を利用したいと思えること ②前回の記事であげた3つの不足(経験・繋がり・考え方)を補えること ③(支援対象の高校生の経済事情も踏まえ

          なるほどクラック vol.6 〜CLACKのプログラミング学習支援(前編)〜

          なるほどクラック vol.5 〜子ども支援の現状とCLACK〜

          代表・平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 vol.5では、「子どもの貧困」という課題に対して、現在どんな解決策が民間で行われていて、そしてCLACKはその中でどんな役割を担おうとしているのかについて書いていきます。 前回の振り返り前回の記事では、「家庭の経済的余裕がなくなると、親の精神的余裕がなくなっていき、悪循環となっていきやすい。めぐりめぐって子どもの学力低下や機会・関係性・知識の不足に繋がっていく」という結論でした。 こうした状

          なるほどクラック vol.5 〜子ども支援の現状とCLACK〜

          なるほどクラック vol.4 〜「子どもの貧困」という課題〜

          代表の平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 vol.2、vol.3では、CLACKを立ち上げた背景について具体的なエピソードを交えながら書いてきました。 vol.4となる今回はもう少しマクロな視点から(日本全体という大きな視点から)、CLACKが取り組む「子どもの貧困」という課題について書いていこうと思います。 相対的貧困について「日本の7人に1人の子どもが貧困」 どこかでこの言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか? ここで

          なるほどクラック vol.4 〜「子どもの貧困」という課題〜

          なるほどクラック vol.3 〜平井がCLACKを立ち上げたワケ(後編)〜

          代表の平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 vol.3では、「僕がCLACKを立ち上げたワケ」の後編を書いていこうと思います。 前回のあらすじ お金のない状態から脱出するには偏差値の大学にいくしかないと思っていた高校生の平井。頼みの綱の勉強でさえ思い通りにいかず、学歴にとらわれていた当時の僕はどう変わっていくのでしょうか。後半では、大学進学から立ち上げに至るまでを書いていきます。 大学編スタート志望校には行けなかったものの、なんとか大阪

          なるほどクラック vol.3 〜平井がCLACKを立ち上げたワケ(後編)〜

          なるほどクラック vol.2 〜平井がCLACKを立ち上げたワケ(前編)〜

          代表の平井の視点から CLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」 vol.2では、僕がCLACKを立ち上げたワケを語っていこうと思います。 CLACKを立ち上げた背景を語る上で僕自身のバックグラウンドについての話が欠かせません。 そんなこんなで幼少期から遡って書いていたら、ボリューミーになりすぎたので、前編・後編に分けました。 これまであまり語ってこなかった部分についても多く触れているのでなんとなく知ってるよって人も読んでみてもらえると嬉しいです。 漫画

          なるほどクラック vol.2 〜平井がCLACKを立ち上げたワケ(前編)〜

          なるほどクラック vol.1 〜CLACKの活動の概要〜

          NPO法人CLACK(クラック)理事長の平井大輝です。 これからなるほどクラックという形式で、CLACKの活動について定期的にnoteを書いていきたいと思います。 想いなどを書いていくとどんどん内容が膨らんでいくので、vol.1は概要だけのnoteです。(最初に書いたのは2020年で現在2022年版にリライト中です。そのため、随時更新されていきます) CLACKのビジョン・ミッションCLACKでは次のようなビジョン・ミッションを掲げ、活動しています。 ビジョン: 生まれ

          なるほどクラック vol.1 〜CLACKの活動の概要〜

          テクノロジーは貧困を救わない

           新型コロナウイルスの影響で全国の小中高が休校となる中、様々なオンラインの教材・コンテンツが無償公開されていますが、それによって「そういったコンテンツにアクセスできる(物理的な要因だけでなく、心理的要因でも)子どもとそうでない子どもの教育格差・機会格差がより広がってしまうのではないか」という声も教育関係者の間では増えてきているように感じます。 そのような状況の中、ふと「テクノロジーは貧困を救わない」という本を思い出し、今の日本の状況にも当てはまるのではないかと思ったため、内

          テクノロジーは貧困を救わない

          ヨーロッパの無料のプログラミングスクールHack Your Futureについて

          NPO法人CLACK代表理事の平井です。 CLACK(以下クラック)では主に、経済的・環境的にしんどさを抱える高校生を対象に継続的にプログラミングを学ぶ機会を提供しています。 今年の9月に縁あって、海外でクラックに似た形で世界4カ国で実施されているプログラミングスクール「Hack Your Future(以下HYF)」に訪問し、実際の教室の様子を訪問することができたので、HYFの特徴やクラックとの比較をしてみました。 難民の方や社会的に困難を抱えていて十分な職につけていな

          ヨーロッパの無料のプログラミングスクールHack Your Futureについて