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PC寄贈プロジェクト「Pass the Baton」に込める想い
こんにちは。NPO法人CLACK(クラック)理事長の平井です。
この度、メルカリ社より、使用済みPC100台を寄贈いただきました。
IT企業の社員さんが実際に使っていた使用済みPCを、経済的事情で十分なスペックのPCを買えない高校生が譲り受け、ITエンジニアを目指してプログラミングを学ぶ。エンジニアから高校生へとPCというバトンを繋ぐプロジェクト。それが「Pass the Baton」です。
今回のnoteでは「Pass the Baton」に込める想いとその意義について、ご紹介させてください。
CLACKの活動の概要
「Pass the Baton」についてお話しするにあたって、まずはCLACKの活動を紹介させていただきたいと思います。
NPO法人CLACKでは、次のようなビジョン(目指す社会像)、ミッション(果たす使命)を掲げ、活動しています。
ビジョン:
生まれ育った環境に関係なく、子どもが将来に希望をもち、ワクワクして生きていける社会
ミッション:
プログラミングで学習支援で困難を抱える高校生に自走力を
そして経済的・環境的に困難を抱える高校生を対象に、完全無料でプログラミング学習支援とキャリア教育を提供することで進路の選択肢を広げ、精神的自立と経済的自立につなげていくために活動しています。
詳しくはこちら
これまでの「Pass the Baton」
CLACKでは経済的事情でプログラミングを行う上で十分なスペックのPCを用意できない高校生に対し、無料でPCを給付しプログラミング学習に活用してもらっています。
しかし、オンラインでzoomなどを用いながらプログラミングをしていくためには一定以上のスペックのPCが必要で、そのようなPCは高価です。
そうした背景があり、買い替えペースの早い企業の使用済みPCを寄贈してもらうことはできないかと検討していました。そんな中、グッドパッチの土屋さんと出会いました。土屋さんはCLACKの話を聞いた上で、理念に共感し使用済みPCの寄贈を提案してくださいました。
そして、データの消去など必要な処理を実施した上で使用済みPC20台を寄贈してくださいました。実績もほとんど無い中、一番初めに使用済みPCの寄贈を提案してくださったグッドパッチ社、そして土屋さんにはCLACKメンバーみんな本当に感謝しています。
グッドパッチ社から寄贈いただく過程で、企業の方の業務負担や情報漏洩の可能性を限りなく小さくすることが、継続的にPCを寄贈いただく上で重要だとわかりました。
そのため、「Pass the Baton」では、PCリユース事業を行なっている上場企業のパシフィックネット社に、寄贈PCのデータ消去作業を行なっていただくという座組みをつくることができました。
こうした座組みができたことで他の企業の方からも寄贈がしやすくなったと言っていただけています。
実際、その直後にLenovo社からも20台のPCを寄贈いただきました。
そして、「Pass the Baton」の趣旨に共感してくださったミクシィの岨中さんが個人的に紹介してくださって、今回のメルカリ社の100台寄贈に至りました。
本当にありがたいことに多くの縁に恵まれ、今年度は150台の寄贈を受けることができています。
PCを手に入れてプログラミングを学びたいという高校生のニーズは多く、いただいたPCに関してはすでに全て渡す予定が決まっています。
これまでPCを寄贈し、CLACKでプログラミングを学んだ高校生の中には、AI系のスタートアップでインターンをしたり、情報系の専門学校に進学し好成績を残したりする生徒も出てきています。
これから「Pass the Baton」で目指していきたいこと
「Pass the Baton」ではより多くの困難を抱える高校生にPCを提供し、プログラミングによって自分の進路を切り拓いていけるように伴走することを目指しています。
そのために、来年度は500台のノートPCを集めることを目標としています。今年度の150台からすると大きな目標ですが、なんとか集め、他の若者支援団体とも連携しながら、必要としている高校生、若者に届けて行きたいです。
NTTデータでインフラエンジニアをしていた中川を事務局として、しっかりした運営体制の元、企業と高校生を繋ぐ橋渡しをできたらと思っています。
次世代にバトンを渡すのとは別の社会的な意義
そして、「Pass the Baton」には「企業からPCをいただき、次世代のITエンジニアを目指す高校生にバトンを渡す」という目的とは別にもう一つ大きな目的があります。
それは、「IT企業の社員さんに子どもの貧困に対する理解を深めていってもらう」ことです。
新型コロナの影響もあり、経済格差はますます加速していっています。
さまざまな業界がある中でも特にIT業界は経済成長に大きく寄与する一方で、結果として最も経済格差の拡大を加速させる存在であるとも言えます。
そして、富めるものがますます富んでいく中で、経済的に困難を抱える子どもはますます負の循環から抜け出すことが難しい構造となり、社会の分断は進んでいっていると言われています。
僕個人の経験としても実感があります。僕は貧困率の高い地域で貧困の父子家庭で育ちました。また、大学進学後100名以上の困難を抱える子どもとも関わってきました。
一方、大学生時代にはIT企業複数社のインターンしたり、CLACKで多くのIT企業の方とやりとりもしてきました。そのため、どちらの側もある一定見ている方なのではないかと思っています。
僕個人としてはどちらの側にもいいところがあり、どっちも好きです。しかし、その両者の間には目に見えない壁があり、分断が生じているとも感じます。
だからこそ、IT業界や一流企業と言われるような企業で働く方が、このプロジェクトをきっかけに子どもの貧困や社会的な課題に、まずは興味を持っていただけると嬉しいなと思っています。
(これまで10以上のIT企業で、社員さん向けに子どもの貧困やCLACKの活動についてお話しさせていただき、理解を深めてもらってきました)
PC寄贈を検討してくださる企業の方へ
こうした想いから、メルカリ社に続いて、使用済みPCを寄贈してくださる企業を募集しています。
「Pass the Baton」では10台以上の寄贈から受け付けさせていただいています。
必要としているPCのスペックは以下の通りとなっています。
少しでも興味を持った企業の方がいましたら、こちらのダウンロードフォームから「Pass the Baton」についての詳しい資料をダウンロードしていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます! サポートしていただいた分は生徒の交通費などに使用させていただきます。