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湘南の土地探し 鎌倉編2

これから土地を探す方は、いつもどこにどう探していいか分からなくて・・・というお話を本当によく伺います。もちろん学校で習うわけでもないので主に携帯からの情報収集になってしまうと思います。そこで土地探しから暮らしづくりまでを提案している側からちょっとしたアドバイスをお伝えできればと思います。建築士の主観もありますのでそこはカジュアルな感じに受け止めて頂きたいですが、お客様の立場で仕事をしておりますので目線としては間違っていないのかなと思います。

鎌倉の東西南北

鎌倉って一般的にはどこまでかなって思います。自分の実家は大船なので自分で言うのもなんですが、鎌倉市だけど大船。大船から見ると山向こうが鎌倉って感じです。北部では今泉エリアは一山越え、アクセスは戸塚方向なので戸塚に近いイメージもあります。手広くらいになると藤沢生活エリアに入ってくるので北部と北西部に少し鎌倉の限界点を感じる気がします。鎌倉らしさを求めるのであればそのあたりの地理を頭に入れておくのが良いでしょう。

寺の借地が多い

鎌倉には様々な場所にお寺の借地があります。いいで環境リーズナブルな価格!と思ったら借地ってことも実は多いです。注意することは土地はあくまで地主のものなので担保価値が低くローン審査も厳しい。つまりはある程度の現金は必要になる。また地代が別にかかるので住宅ローンと地代がダブルでかかってきます。借地の属性としてはお寺はずっと所有されているので安心なのですが、半永久的に使える旧法借地権、更新できる普通借地、返却しなくてはならない定期借地など種類も異なるのでしっかり勉強したほうが良いと思います。自分のプロジェクトでは埋蔵文化財エリアで鋼管杭補強しか方法がなかったのですが、旧法借地だったので先に進むことができたなんてこともありました。また建物を建てたり、増築したりなどいろんなタイミングで地主の承諾や承諾料がかかることもあります。

借地は地主の土地なので固定資産税、都市計画税はかかりませんが、それが地代として代わりに払うことになります。一般の土地に比べると少し扱いが難しい土地になりますが、環境としては良質なことも多いので鎌倉に限っては勉強して取り組んでみるのも良いかもしれません。

ほとんどが風致地区、そして埋蔵文化財エリア

主たる鎌倉エリアはほぼこの二つがかかっていると思った方が良いと思います。風致地区は敷地面積の20%の植栽義務、1m・1,5m壁面後退、建物の色彩制限などがあります。自分にとっては朝飯前な条例ではありますが、いまだに都内の設計士さんからは訳分からんと質問を受けることがあります。独自の条例ではありますが住環境を結果的に守るので良いのかなと思います。建物が2m空いていると隣の家は近く感じられません。ただし比較的面積狭めの旗竿地では無理に木を植えなくてはならないので要注意。このあたりは条例がデメリットに働きます。条例での高木3m以上なんて数年経ったらジャングルになるし、そもそも市場に3mの木なんて売っておりませんから行政も少しは勉強してほしいところです。

埋蔵文化財エリアは別記事でも語っておりますが、地盤が緩そうな高低差のある斜面地はスーパー注意です。通常はジオクロス工法や表層改良などで対応できますが、斜面地だと滑り落ちてしまうのでそもそも難しく、杭しかないとなると必殺の試掘調査の沼に入ってしまいます。そうなると工事延期や中止もあり家づくりが止まってしまうこともあります。

実は遠い大町7丁目と浄明寺4丁目、二階堂の奥の方

ネームに騙されては行けない場所もあります。大町って近いと思ったら鎌倉逗子ハイランドの麓までとんでもなく奥まで続いております。浄明寺4丁目に限っては青砥橋からバス路線が伸びると思ったら結果来ないじゃん的なアイソレートな場所にあったりします。二階堂に関しては鎌倉宮からさらに徒歩15分かかるとか、鎌倉駅から遠くてもバス路線から近い方が結果良かったりしますのでご注意を。

湘南の土地探し 鎌倉編3に続く・・・かも


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