ワンスアポンナタイムイン・・・(再掲)
〜 なんか今、アマプラで無料で見れるみたいなので、昔書いて他のブログに載せてた感想を再掲するぜ! 〜
会社を早退し、タランティーノの映画を見に行く。あくせく働く会社のみんなを残してオフィスを去る。去り際、「みんな、ゴメンよ」と心に思う。
でも、もしも実際にパラレル・ワールドってやつが存在するのならば、俺は確実に君達とでは無くタランティーノ組のみんなと働く人生を送っているはずの故、どうか許してほしい。
(こっからネタバレあるから気をつけろ。というか、これ読む前に映画見ろ)
田舎のシネコンの小さなタランティーノ部屋には、お年を召された上品な方々が数多くたむろしていて、「おい、このお上品な方達は、これから上映されるのがクソったれにカッコいいタランティーノ監督のクソったれに最高な映画だって事を事前に理解して来ているのか?」と、もの凄く不安な気持ちになる。
いいかい、この映画はギルバート・グレイプでもないし、ましてやタイタニックなんかでも無い。
いいか聞け、こいつはタランティーノの映画なんだぜ。ディカプリオ&ブラッド・ピットの共演に期待して来てると、エライ目にあうぞ!
とポップコーンを汚く貪り食いながら、サミュエル・ジャクソンになりきって、上品な老人達に心の中で警告する。(この警告は、2時間半後に的中する事になる)
まず、映画のタイトルにニヤリとさせられる。これって、セルジオ・レオーネのあの映画と、ビデオ屋の棚で仲良く並ぶように作られたタイトルだよな。
といっても、日本ではビデオ屋なんてもんは、もはや絶滅寸前だ。残念だけど、棚には並ばねえぜ、タランティーノ監督よお。
以前にも書いたけど、タランティーノ監督の映画は、アメリカン・サブカルチャーの優秀な記録映画だ。これ、もはや監督のライフワークなんだろうな。今回もドッグフードの缶とか細部に至るまでアメリカの臭いがフィルムに刻みこまれている。
(ま、俺は実際にはアメリカに住んだ事は無いんだけどさ。あのラジオがうるさく鳴ってる感じとか、ものすげーアメリカを感じるよね)
話は、なんか蒲田行進曲に似てる。いや、似てないか。
で、俺はあのブルース・リーがブラッド・ピットに軽くボコられるシーンに衝撃を受けたね。あれで、ブラッド・ピット演じるスタントマンが、もの凄く強い奴として俺の頭に刷り込まれる。だから、その後にブラッド・ピットがどんなにピンチに陥るシーンがあろうとも、鉄板級の安心感で見ていられる。「なんてったって、あのブルース・リーをボコってる奴が負けるわけがないじゃん!」と。
あと、ロマン・ポランスキーとシャロン・テートがハナから実名で出てきて、軽く戦慄を覚える。そこから、愛らしいシャロン・テートのシーンがカットインされる度に、「おい、タランティーノ、一体どんな感じでこの天使を殺しちゃうんだよ?」と不安で不気味な気持ちが最後まで続いていく。
だけどこれは、最後の最後にタランティーノ流の方法で回避してくれるんだな。流石、タランティーノだよ!パラレル・ワールド最高!
アル中のディカプリオが台詞を忘れて、トレーラーハウスでヤケになって大暴れするシーンも笑っちまったな。これって、元ネタはなんだったかな?思い出せない。
あと、セルジオ・コルブッチとか、もうその単語が出てくるだけでニヤリとしてしまうよな、おい。
タランティーノのワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド。
まるで、Esquireの60年代特集のページをワクワクしながらめくっていた青かった頃の自分を思い出しちまったよ。世間の評価通り傑作だと思うし、大好きだ。だけど、なにかが足りないと思いませんか、お客さん!
そう。サミュエル・L・ジャクソンが足りないんだよ。
なんで出てないのかな〜。まあ、今回は白人ばっかり出てくる映画だからしゃーないにしても、サミュエル師匠はあのイングロリアス・バスターズにも出てたんだぜ。(声のみだけど)
なんか、ディカプリオを唐突に説教する通りすがりのオッさん役とかで無理矢理ぶち込んでほしかったな〜。ちなみにワンナポには、俺の大好きなマイケル・マドセン兄貴もティム・ロスも出てるんだよな〜。
そこで、これまでのタランティーノ監督作品で、このタランティーノ組御三家の出演状況をチェックしてみようじゃないか。
○レザボアドッグス
マド兄貴:出てる。最高。
ティム郎:出てる。頑張った。
サミュ師匠:出てない。オーディションに落ちたという噂あり。もし出てたら、タランティーノが演ったミスター・ブラウン役だろうな。ものすごく見たいぞ!
○パルプフィクション
アニキ:出てねえ。トラボルタが出てなきゃヴィンセント役はマド兄だったはず。マド兄とユマ・サーマンのダンスの掛け合い、見たいぞ。
ティム郎:出てる。頑張った。
師匠:出てる。最高すぎ。本当に最高すぎる。最高すぎるんだよお!大好きです。愛してます。
○ジャッキーブラウン
アニキ:出てねえ。
ティム郎:出てねえ。
師匠:出てる。最高。
○キルビル1
アニキ:出てる。
ティム郎:出てねえ。
師匠:出てねえ。
○キルビル2
アニキ:出てる。
ティム郎:出てねえ。
師匠:出てる。
○デスプルーフ
この映画自体は全体的に狂っていて最高なんだが、御三家の出演は無し。
○イングロリアス・バスターズ
アニキ:出てねえ。
ティム郎:出てねえ。
師匠:ナレーターで出てる。
○ジャンゴ
アニキ:出てねえ。
ティム郎:出てねえ。
師匠:出てる。
○ヘイトフル・エイト
初の御三家全員出演!しかも全員重要な役!!タランティーノ映画の最高峰!!!
○ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
アニキ:出てる。が、もう少し若ければ絶対にブラッド・ピットが演じた役だったはず。
ティム郎:出てる。が、もう少し若ければ絶対にディカプリオが演じた役だったはず。
師匠:出てない。寂しい。本人も絶対出たかったはず。ジェームス・ブラウン役とかジミヘン役とかでぶち込んじゃえよ。今からでも間に合うよ。皆んな許してくれるはずさ。
タランティーノ、この3人主演でもう一回撮り直してくれねえかな〜。