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日本企業 革新的な監視カメラが産業分野で活躍 - 1500通りのカスタマイズが可能な新製品

概要

i-PROは、福岡市内に開発拠点を置く監視カメラ大手で、パナソニックから独立しました。同社は、工場の生産ラインなど産業分野の需要開拓に力を入れており、目的や用途に合わせて撮影する映像の解像度を変えたり、人工知能(AI)による画像解析を加えたりと、1500通りの組み合わせが可能な新製品「moduca(モデュカ)」を武器に作業工程や管理の省力化を提案しています。

豊洋精工(大分県国東市)の福岡工場(福岡県筑前町)では、寸分の狂いが製品の質を左右する精密部品の検品作業でモデュカが活躍しています。同社では従来、基板上に正しい部品が正確に配置されているかをすべて人の目で検査してきましたが、2022年にモデュカを導入しました。決め手になったのは部品ごとに必要な機能だけを選択できる利便性です。一般的なAIカメラの数分の1の価格で導入できたということです。

モデュカは各社の利用したい状況に合わせ約1500通りのカスタマイズが可能で、例えば工場の検品向けカメラなら解像度の高いものを使ったり、オフィスの人流を見てライトをつけるカメラでは画角を広くしたりできます。機能を落として安価なパーツを選べばカメラの価格を抑えられるほか、パーツごとの取り付けを簡単にすることで、少数からの受注や短納期に合わせることもできるようになりました。

調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、監視カメラシステムの世界市場規模は25年には20年比約2倍の5兆7000億円に達すると予想されています。AIを活用した画像解析システムや業務無人化が進むことで、活用幅が広がっていくとみられています。


今回はそんな革命的なカメラについて深堀していこうと思います。


i-PROはどんな会社

i-PROは、監視カメラやセキュリティーシステムを担当するパナソニックの事業部門が独立して2019年10月に発足した会社です。現在、パナソニックが株式の20%を保有し、残りは投資ファンドが持っています。国内の監視カメラ市場ではシェア32%と首位です。

ただ、中国メーカーや欧州のメーカーとの競争は激しく、世界シェアでみると6位にとどまります。パナソニックから独立したことで他のシステム会社やAI開発スタートアップなどと協業しやすくなり、「水平分業でパートナーシップを増やしながら、事業の拡大を進めていきたい」と話しています。

i-PROの2022年3月期の売上高は284億円、最終損益は3億2800万円の赤字でした。2022年10月に本社を福岡事業所から東京に移転しましたが、福岡には研究開発部門などが残っており、400人ほどが働いています。


moduca(モデュカ)はどんな製品

moduca(モデュカ)は、i-PROが提供する監視カメラの新製品です。目的や用途に合わせて撮影する映像の解像度を変えたり、人工知能(AI)による画像解析を加えたりと、1500通りの組み合わせが可能です。

モデュカは、カメラに使う3つのパーツをユーザーが選び、1つのカメラに組み立てて納品する仕組みです。AIを使った画像解析機能も追加でき、パソコンをつないで設定すれば特定の形状や動きを認識できます。

各社の利用したい状況に合わせ約1500通りのカスタマイズが可能で、例えば工場の検品向けカメラなら解像度の高いものを使ったり、オフィスの人流を見てライトをつけるカメラでは画角を広くしたりできます。機能を落として安価なパーツを選べばカメラの価格を抑えられるほか、パーツごとの取り付けを簡単にすることで、少数からの受注や短納期に合わせることもできるようになりました。


監視カメラシステム市場はどう変化するか

調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)によると、監視カメラシステムの世界市場規模は2025年には2020年比約2倍の5兆7000億円に達すると予想されています。AIを活用した画像解析システムや業務無人化が進むことで、活用幅が広がっていくとみられています。

監視カメラシステム市場は、技術革新や社会的ニーズの変化により、常に変化しています。AI技術の進化により、監視カメラは単なる映像記録装置から、画像解析や自動警報などの機能を持つ高度なセキュリティーシステムへと進化しています。また、スマートシティーやスマートホームなどの普及に伴い、監視カメラは都市や家庭のインフラとしても重要な役割を担うようになってきています。

まとめ

監視カメラ大手のi-PROが、工場の生産ラインなど産業分野の需要開拓に力を入れています。同社は、1500通りの組み合わせが可能な新製品「moduca(モデュカ)」を武器に、作業工程や管理の省力化を提案しています。この革新的な監視カメラは、各社の利用したい状況に合わせてカスタマイズが可能で、機能を落として安価なパーツを選べばカメラの価格を抑えられます。

監視カメラシステムの世界市場規模は2025年には2020年比約2倍の5兆7000億円に達すると予想されています。AIを活用した画像解析システムや業務無人化が進むことで、活用幅が広がっていくとみられています。
このような革新的な技術により、私たちの生活はより便利で安全なものになっていくでしょう。

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