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育成世代の勝利至上主義の考え方について

プロのスポーツ選手であれば、とにかく結果が必要なので、試合に勝つことが最も大きな目的になります。お互いが正々堂々と本気で勝利を目指す姿こそ、スポーツの持つエンターテイメントだと思いますので、勝利主義になることは、当たり前かもしれません。
ではスポーツの育成指導においてはどうなのか。
プロと同じく、お互いが正々堂々と本気で勝利を目指す先に成長があると言えば、勝利を目指すことは決して悪く聞こえないように感じます。

プロと育成(U18以下世代のプロ契約していない者とします)とで、何が大きく違うのか、育成において勝利至上主義は悪なのか、というところを少し考えてみました。

そもそも勝利至上主義とは。
検索すると大体、スポーツにおいて相手に勝つことを絶対的な目標とする考え方と出ます。これは、スポーツのもつ特性というか、勝負事は必ず勝者と敗者が生まれます。スポーツにおいて敗者を目指すことは基本的にないはずなので、皆が絶対、勝者を目指します。ここまでは、分かる。
ではなぜ、勝利至上主義について良くない話を聞くのか。
それは、勝利=1位じゃないといけない、という縛りが起きていることと、
勝者だけが偉い、凄いという思い込みが起きていることだと僕は思います。

ここがプロの世界と育成の世界で線引きされることだと思います。

プロは、1位になることがクラブの目指す目標に存在し続けます。そして、待遇も、勝者と敗者で異なります。

一方育成は、子ども達の望ましい成長が目指すところで、1位になることがクラブの最終目標ではないです。1位になることで必ず将来有望になる、とは限らないからです。そして勝者と敗者で待遇も変わりはないです。勝つことが純粋に嬉しい、それだけで十分です。

つまり、プロと育成の違いは、勝利と成長とで目的の優先順位がはっきりと分かれることなんだと思います。
勝利至上主義は、プロの真似事を育成で行うことが問題なのかもしれません。

メリットとデメリット
ここからは育成に関してのみ、考えていきます。
勝利至上主義であると何が悪いのか、デメリットから挙げると、
・勝利にこだわりすぎて、行き過ぎた指導が行われる。
・出場機会に差が生まれ、成長にばらつきが出る。
・雰囲気がピリピリして、楽しめなくなる。
・スポーツは勝たなくては意味がないと勘違いが起こる。 etc…

ではメリットはどうかというと、
・勝利を目指そうとチーム全体がまとまる。
・負けてはならないと闘争心が芽生える。
・自慢ができる。 etc…

メリットが本当にメリットなのかは置いといて…笑

書き出して感じたことは、
すべて指導者の振る舞い方次第なんじゃないか、ということです。

育成世代から必要な勝利至上主義の考え方とは。

まとめに入ってみます。
勝利至上主義は、プロと育成で線引きされる所があるけど、
スポーツをする上で必ず勝利を目指すこと、は勝利至上主義の共通点だと思います。

何が違うのかというと、
①勝利=1位、が最終目標であること。
②勝者と敗者で待遇が変わること。
という最終目標・環境の違いが、プロと育成との勝利至上主義の線引きの基準になると考えます。

そして、指導者が勝利至上主義の理解をすることで、
育成の勝利至上主義の問題は解決されると考えています。

育成で必要な勝利至上主義の考え方とは何なのか。
それは、
①勝利は全員で心から目指すもの。
②勝者になっても傲慢にならず、敗者へのリスペクトを忘れないこと。
③敗者となっても成長を見出し、結果以外の価値(勝ち)を与えること。
④勝利=楽しむこと。

育成においての勝利至上主義は完全に悪という考えではなく、
方向転換すれば有り、と考えていきたいと考えています。

指導者の誰もが、現場で、子どもの成長の為に一生懸命に頑張っています。

日本人らしく、ある程度意識を統一できれば、素晴らしい育成ができる、
というのが僕の考えです。

指導者の皆さん、今日も頑張って下さい!

僕も来年から同じ現場に立ちます。 
よろしくお願いいたします!

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