[matCH RevIew]セレッソ大阪vs横浜F・マリノス2022/07/10
こんにちは、こんばんは。
辛くも引き分けたセレッソ戦。
振り返っていきます。
Line Up
マリノスは3連戦の3戦目。
前節からは3人の変更に留まる。
苦手なセレッソに勝って7連勝としたい。
おかえりアンロペちゃん。
セレッソは6連戦の6戦目。
前節から4人変更。清武がケガで欠場。
現在5位と高順位につけている。
得意なマリノス相手に勝って勝ち点差を詰めたいところだろう。
思惑不一致
この試合のマリノスにおける攻撃の狙いは
サイドから崩していくこと。
セレッソはロティーナ体制で築かれた
ブロック守備がいまだ健在。
中央をぎゅうぎゅうに固めるので崩すのは
容易ではありません。
なのでサイドから斜め、または横のパスから
ブロックに攻め入ることでボールとマークを
同一視しづらくして綻びを作ろう。
みたいなことなのかなと思いました。
そしてスピード感としては
広島戦同様速く相手が整う前に
崩し切ろうとする姿が見えました。
自陣を抜け出してから少ないタッチ数で
パパっと進む。
立ち上がりはチャンスを作ることもあったが
タッチ数が少ない分パスのずれが頻発。
その結果、肝心なラストサードでのプレー精度が下がり
ゴールまであと一歩が遠い展開に。
そこに追い打ちをかけたのが畠中のパスを
掻っ攫われたとこから始まるカウンター。
チマに出した縦パスが上門に完璧にカットされ
奪われた責任感から畠中が前に出て
潰そうとしたところを
パスで躱され穴をあけてしまった。
撒き餌に食いつかせたまではよかったが
如何せんわかりやすすぎた。
小菊監督や得点を決めた加藤曰く
「プレスかければ点取れるで」
というのがスカウティングから導き出されており
定期テストで山を張った予習が当たった感じ。
あんなにきれいに決まると
セレッソ側もびっくりしてそう。
そんな前半に対してマスカット監督は
「ゆっくり攻めようや。ちゅーかんじで
サッカーしたかったんやけど前半は慌てすぎたなあ」
と試合後にコメントを残していました。
どうやら監督の思惑と選手の思惑が
上手く一致していなかったようです。
試合の映像を見る限り前半は
「速く、ブロックが整う前にシュートまで至る」
を狙ってんだなあ。広島戦と地続きかなあ。
と個人的に思っていて
実際シュートまで行けてたから悪くないけどなあ…
なんてのんきに失点するまで見ていたわけですが
どうやら目が節穴だったようで。
実際はじっくりと人をかけ、
崩すことが狙いだったようです。
「失礼ながら、ひょっとしてお目は節穴でしょうか?」
とどこかの執事に冷笑されそう。
マスカット監督の思惑はこんな感じでしょうか。
一方の選手はというと
こんな思惑でしょうか。
少し選手たちには広島戦のことが
頭に残っていたのかもしれません。
アタッカーを棲み分ける
ここ最近スタメン固定気味な
マスカット監督。
とくにアタッカーの起用については
固定気味ではなく固定しており
ガンバ戦から数え5試合連続、
この3連戦で1試合も変えませんでした。
流石に3連戦で使い倒されたことで
西村や水沼は精彩を欠き
攻撃が上手くいかない要因の1つでした。
それでもなお西村・水沼・エウベル・レオを
スタメンに抜擢したのは遅攻・速攻両方に
対応できサイドからチャンスを作れるから。
4人の関係性が成熟してきたから。
そしてキャラクター的にスタメンに適しているから
だと思われます。
水沼は足が速いわけではないけども
・頭の回転の速さと読み、経験値
で先回りしていくことでカバー。
・ポジショニングセンスの良さ
これらを活かしてマリノスの速いサッカーの中で
自分が輝きやすいようプレー環境を作れる選手。
遅攻・速攻両面で悪魔の右足を存分に発揮しています。
エウベルは言わずもがな
・圧倒的推進力をもたらすドリブル
・簡単には失わないボールキープ
・ラストパスとクロス
といった部分で現状マリノスの攻撃核として
大暴れしてくれています。
また、両者とも味方を活かすスキルが高く
チャンスメーカーとして頭抜けている。
そして福岡戦以降西村とレオによる
CF、トップ下両方で活躍できるコンビにより
主要な得点源が真ん中になってきています。
個人的にとったデータで見ると
福岡戦以前
14試合:26ゴール:1.86/1試合
福岡戦以後
7試合:20ゴール:2.86/1試合
福岡戦の前と後で
OHとCFによる得点割合が増え
WGの割合が減る
という結果が出ました。
比較する試合数が合わないからあれですが
得点力的には
福岡戦まで
14試合で26ゴール、1試合辺り1.86
以後
7試合で20ゴール、1試合辺り2.86
1点違うのでまあ良いのかなと。
というか半分の試合数で3/4ぐらい
取ってると思うとレオ様様。
(アンロペちゃんは出場停止を食らったため
出ていませんが今の形でも問題なく
適応できそうだなと思っています。)
話が逸れかけたので一旦縦置きして。
一方、宮市や仲川の武器はスピードと
ゴールを決める、付近までの質。といったところ。
ただ、スペースがなくなると
雲行きが怪しくなるコンビでもあります。
また、マルコスはPK以外での得点は昨年8月に行われた
ホーム仙台戦以来決めていません。
マスカット監督が就任してからチャンスメーカー色を
徐々に強めている印象です。
というようにスタメン組と現状ベンチ組では
キャラクターがほぼほぼ違う。
・中央から点を取ることに特化した現状スタメン組
・サイドからも点が取れるようになる現状ベンチ組
こんな感じにすみ分けることが出来ます。
多分ですが、現状スタメン組の選手のほうが器用で
様々な状況に対応しうる。
という評価のもとマスカット監督が
すみ分けているのかなと思います。
ほとんどのクラブがマリノスに対してブロックを
築く時間が長くなるので空いているサイドを
効果的に使っていくためにも
やれることの幅が広くチャンスメーカーとしての
素質がある水沼・エウベルが選ばれるのかなと。
試合中に交代枠を使わなくとも攻め方を
変化させることが可能になるので。
逆にブロックを築く時間が短い相手には
仲川・宮市でも十分に通用するはずです。
この住み分けにより
選手によってフィニッシャーとチャンスメーカーを
配置する場所を使い分ける。変えることが出来る。
ということが出来るようにもなります。
どうしても点が欲しいときは
サイドにもフィニッシャーを配置する
パターンというように。
そしてその役割を仲川や宮市が全うし結果が出ている
こともありマスカット監督もセットで替えることが
増えています。
いざとなれば折衷案的な起用も可能でしょう。
この起用法はセレッソにもありました。
仲川と宮市を投入した直後に2トップと左SHを替え
ジェアン・パトリッキとブルーノ・メンデス、タガートを投入。
これについて小菊監督は
と狙い通りバランスを崩してきた
マリノスにとどめを刺す交代を敢行。
そしてこれが功を奏すことに。
スローインを収めたメンデスへの
畠中の甘い対応により簡単にパトリッキに
パスが通り、クロス。
毎熊の落としをタガートが落ち着いて逆をつきゴール。
用意した策が百発百中したセレッソは
勝者にふさわしいサッカーでした。
ファイヤーは2点先行された後に
敗者にふさわしい道を歩みかけたマリノスは
まずは仲川と宮市を投入し
スピード感と縦への鋭さを増強。
ゴールゲッターをサイドにも追加。
相手を押し込む方法も
散々足元につけていた頃とは違い
シンプルにWGを走らせるかたちに変更。
そして2失点直後に
両失点に絡み調子が良くなかった畠中と
勤続疲労から姿を消していた西村に替え、
マルコスと山根を投入し
チャンスメーカーを中央に移動。
パサーを中央に増やしよりWGを得点へと開放する。
それでも足りないと案じたマスカット監督は
福岡戦で退場し6試合出場停止を食らっていた
アンロペちゃんを投入。おかえり。
2点先行されたことで
導火線に火の粉が飛び始めたマリノスは
マスカット体制では退場により
わずか4分間に終わったアウェイ福岡戦を除けば
昨シーズンアウェイ浦和戦以来となる
ファイヤーフォーメーションを使用。
この火力特化型の配置にし3点を取りに襲い掛かる。
なかなか結びつかなかったが地道に努力した結果
押し込みに押し込んだこと
疲れがたまってくるときにマリノスアタッカーが
元気に背後を突くこと
以上のようなことにより高めたストレスを
暴走させたのがPK獲得のシーン。
宮市のシュートがはじかれたところを
詰めた仲川を山中が手をかけPK。
3重罰で退場とし残りを10人で戦わせることに。
その後も中央にパサーを増やしたことで
サイドに散らしてクロス以外にも
山根の果敢な縦パスを交えることで
的を絞らせない。
セレッソを押し込み振り回しようやく同点。
山根が中央から一つ飛ばしチマにつけたことで
セレッソ守備の意識をサイドに。
ワンタッチの落としを岩田がピンポイントクロス。
背中を取ったレオが合わせ同点。
残り3分で逆転弾も狙いにかかるが
流石に時間が足らず。
負け同然の流れを自ら逆らい
同点まで追いつけたことは調子が良い証。
というかなんでこんなに勝てないんだろう。
カモメと狼だから?捕食されちゃうから?
最後に
なげえ!
7連勝とはなりませんでしたが
セレッソ相手にシーズン負けなし。
これが吉なる兆しとなるか。
次節は田んぼサッカーになった故
まともな勝負が出来なかった鳥栖と対戦。
攻守における再現性の高さには目を見張るものがあり
J屈指のサッカーを繰り広げています。
間違いなく面白い試合になるはずなので
楽しみです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。