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【脱・二重】一重じゃだめですか。

私は一重がずっとコンプレックスだった。

重たいまぶたのせいで、瞳に光が入らなくて死んだ目みたいになったり
視力もよくないから、目つきが悪くなる。メイクをしても今どきの顔にならない。

高校生になってから絆創膏をちまちま切って、二重を作るようになった。
みんなから好かれるあの子も、好きな芸能人も、YouTuberもどうしてあんなに二重でパッチリな目なんだろう。
うらやましい気持ちでいっぱいだった。

二重の調子が日によって変わる
時々テープかぶれもして、痛いし赤いしうまくできないと一日憂鬱で本当に泣きたくなった。
泣くとまぶたが腫れるから泣けないんだけどさ。
高3の時、もう二重やめたいって思ってたらちょうどかぶれて、やめてみたことがある。その時の写真を見返したら、楽しそうに高校生活送ってる笑顔の写真が出てきて、自分の気持ち次第なんだなーって思う。
卒業式に父親と撮った写真も私は一重だった。

でも、進学するタイミングで二重にもどした。
新しい環境になることで、外見至上主義とか、カースト上位はみんなかわいいとか、人から良く思われたいって気持ちでいっぱいで、二重じゃないと受け入れてもらえない気がした。そんなことないのにね。

それから、自作二重とは10年以上の付き合いになった。
幸いにも(?)元彼や夫らは、一重の目に対してなんの抵抗もなかった。あったら別れてるけど。やっぱり自分の二重が良くて毎日せっせとこしらえている身としては、反応が気になってしまうわけで。
整形を考えたこともあったけど、地方に住んでいたから症例数が少ない先生が多いし情報量も少ない。それなのに金額が関東よりもずっと高い。そんな状況で整形する勇気は私にはなかった。

とはいえ、そろそろ限界

二重を作るのがしんどく感じるようになってきて、なんで一重じゃだめなんだろうって考えた。家で過ごしてるときは一重でいい、むしろその顔が「私」って感じでリラックスできる。でも外に出ると人の目が気になってしょうがなくなる。
勇気を出して一重でメイクをしてスタバに行ってみた。一重メイクなんて、ほぼ初めてで、見慣れないしなんか変な気がする。目も合わせられないまま注文をして席に着く。一重ってだけで、内心すごくドキドキしていた。
このまま本読んである程度したら帰ろう、って思っていたら店員さんが各席に回って小さい紙コップを渡し始めた。(時々スタバは試飲で渡してくれる)
コーヒーは苦手だから断ろうとしたけど、上手く言えず受けとり、店員さんがコーヒーの説明と何気ない会話を振ってくれた。私は一重のことばかりで頭いっぱいになってしどろもどろでなんとかその場を切り抜けて、すぐに家に帰った。
一重の目を見られた。どう思われたんだろう。書かないけど自分に対してひどい事を考えて、すぐにメイクを落として悲しくなった。
自分にひどい言葉を投げかける自分が本当に嫌だった。
THE自意識過剰。

諦めるんじゃなくて受け入れたかった

そんな自分が嫌で、また二重にするのが続いた。結局、相手は何とも思ってなくても自分が受け入れてないならどうすることもできなかった。
あと、二重でいる私を知っている人に、一重になった自分を見られたくなかった。仲良くしてる人たちはみんな気にしない人たちだって分かってるけど、結局すべて自分の気持ちの問題で、自分を認められない自分が嫌だし、受け入れたいのに受け入れられない。なんの意味もないプライドが自分を苦しめていた。一生この繰り返しなのかなって悲しくなった。

一重を受け入れられたきっかけ

びっくりだけど、そのスタバの一件から数か月後の現在、一重を受け入れちゃっている。
きっかけは、県外への引越し。

知り合いゼロの環境になったこともあって、ここにいる人たちは誰も私の顔を知らない。私が一重でも二重でも誰も気にしない。
また一重で出かけてみた。
役所に書類を取りに行ったとき、恐る恐る職員さんの顔を見たら、ニコッと笑いかけてくれて、たったそれだけのことがすごく嬉しかった。
どんどん一重で外出することが増えて、今は最後に二重にしたのいつだっけ?状態。
一重のメイクも勉強しようと思って調べたら、一重メイクの魅力がすごかった。一重って綺麗なんだなって思えた。メイクの腕はまだまだだけど、伸びしろがあるって思えた。なにより、二重の調子で一喜一憂することがなくなったこと、時間がかからなくなったのがすごく精神的にもよかった。

なんの関わりのない人の対応が、私を救ってくれたといったら大袈裟かもしれないし、相手もなんのこと?って感じだと思う。

表現が難しいけど、何も知らない相手だからこそ悩みを打ち明けられた、みたいな感じ。

副産物があった

片目だけ二重になる日がある…。何もしなくても1日中。
まぶたのむくみ具合によって、テープでクセが付いた二重跡がくっきりとでるようになった。もういいや!って手放した途端、忘れないで~っていうかのように現れた。私の体って天邪鬼なんだな~。
そんな日でももう片目は一重のまま。左右差がある状態で出かけてる。気持ちの変化ってすごい。
左右差がある目を雌雄眼(しゆうがん)と言って、調べたらどうやらアンバランス差が人を引き付けるとやらなんとやら。
ちょっと前の私なら絶対に無理!!!!って思ってただろうけど、今の私はそれを楽しんでいる。雌雄眼の日はラッキーって思う。
新しい環境はいいぞ。

数か月後、友達の結婚式に出席するために地元に帰省する予定がある。その日も一重で行く勇気が持てるように、もし一重にもどしたの?って聞かれたとしても、最近こっちの方が好きなんだよねって堂々と言えるように。


もしかして2WAY?

一重にも二重にもできる自分って、その日の気分によって・服装によって顔の印象を変えられる顔面なのでは~~~~!!??って思ったらさらにワクワクできるようになった。一重って汎用性高くていいかも。

顔にしわができたら悲しいのに、眼の上に線が無いことで悲しむのはなんだか人間おもしろい。

あなたのコンプレックスもいつか自分の魅力として受け入れられますように。

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