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心の友にエールを

終わらない戦争。
仕事でその戦地に赴くという心の友。
「本当に気をつけなよ」と言う私に、
「全然大丈夫だよ、地下シェルターあるし」
と余裕の清々しい表情。

私の憧れる、ううん、憧れていた仕事に就いている。応援する気持ち97%の一方で3%ほどの羨ましい気持ちをゆっくりと静かにアラフォーの私は正直に認めている。それが3%を越えないように、柔らかい出来立てのお餅を機械から出して箱に入れる時のように上からそっと押さえつけている。その苦い気持ちが自分を前に奮い立たせる力でもあるというのも知っている。

持ち場は違っても私たちはいつも世界を見ている、やるべきことを誠実にやっている、そしてお互いを尊敬している。だから私たちは深く繋がっているし、小さくても前に風を起こすような力を共有する気持ち良さを感じる。だからまた会うのだと思う。

ライフステージが変わると古い友達は、関係性が微妙に変わったりバランスが難しくなったり、育児話とか謎のマウントとか距離感を誤ったりとかうんざりするときもある。そういう関係性も、またときを経て距離感が戻ってきたりもするのだけど。だからこういうミッションを共有できる変わらない友達は貴重なんだとつくづく思う。

戦地には、隣国から徒歩で入国するという。

私は東京から自分が飛行機に乗って、目的国ではないお隣の国に降り立ち陸路で移動し、徒歩で入国し数週間過ごすことを想像した。

私には同じことができるだろうか。

ミスチルのHEROの歌詞が頭を流れる。

長男を産んでから、自分にあまり制限をかけずにやりたい仕事はやろうと思っていた私は3回海外出張を経験した。アジアの途上国2回、米国1回。誰もが気軽に飛べる安全な国々なのに、それまでに経験したことのない心のざわめきを感じた。日本にいても危機はたくさんあるのに、我が子にまた会えるだろうかと心配の波がどどっと押し寄せる。テレビ電話の向こうに微笑む余裕の表情とは対照的な異国にいる私。そして、いつも旅程を凝縮させ足早に帰国した。

子供たちの成長につれてこの気持ちも変わりゆくのかもしれないが、途上国への貢献をし続けたい私はしばらくは現地に赴く喜びと残していく子供達への想いのバランスに直面し続けるのだろう。

今の私にはできないことを友がやってくれる。無事で帰ってきますように、彼女の使命感と足を運べる勇気に120%のエールと祈りを込めて。