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181016 がす海老、別名はザコエビ。 でも、 美味しい。

毎週水曜日は仕事があって、東急田園都市線沿いのたまプラーザにきています。

昔たまプラーザの隣の隣の隣くらいの青葉台に住んでいたので、たまプラは馴染みの場所なのだけど、まあご飯を食べるところがない。

頼みの綱だった東急百貨店地下1階のインド料理「アクバル」は駅から遠くの方に移転しちゃったし、駅横のラーメンチェーン「七志」も渋谷の店とかとは違ってまあ旨いんだけど、ラーメンっていうのもねえ。

南口を少し行ったところのアメリカンダイナー「トルバドール」はバーガーやBBQグリル系のお肉、さらにはケーキまで結構美味しい。でも、昨日も立川でハンバーガー食べたしなあ。

こんな思案を一人でしながら今日もたまプラに向かったのですが、なんと今日は青天の霹靂、近くに住む祖母の誘いで東急百貨店5階のレストランフロア内の回転寿司に行くことに。
回転寿司かあ。久しぶりだし、こりゃ楽しみだと思いながら、向かったのがこちら。

金沢を拠点にする北陸の海の幸を売りにしている回転寿司とのこと。
しかも、回転寿司にしては食べログの評価が高い。

たしかに店もランチピークの時間帯を過ぎてるにもかかわらず、行列ができる繁盛ぶりです。

で、席に着いて、早速タッチパネルでメニューに目を通す。
さすがに金沢を拠点にしているだけあります。のどぐろ、がす海老、白海老などなど、「The 北陸」って感じのものが並んでおりますよ。

ちょっと不勉強でわからないんですけど、この時期にのどぐろって北陸でとってるんですかね。もうちょっと冬のイメージがあるんですけど。
まあのどぐろ、つまり赤ムツは年中どこかしらでとってますから、この時期でもあるんでしょうね。

で、がす海老。
実は、今年の3月に金沢に行ったときにがす海老を食べまくって大好きになった節がありまして、それ以来がす海老を見ると何だろうとスルーできない。

でもなあ、がす海老も10月はそんなに出てないはずなんだよなあ。
そんなことを思いつつも、とりあえず がす海老を注文。

うーん、もうちょっとネットリ甘い方ががす海老としては美味しい気がした。
(実はがす海老じゃなかったりして笑)

でも、久しぶりにがす海老を見たので、春にがす海老を好きなって得た がす海老関連の知識をまとめてみたくなっちゃいました。しばしお付き合いください。

そもそも、がす海老とは、上品な甘みで知られる 金沢をはじめ北陸名産の海老。
甘海老よりも甘いと言われ、さらに身も甘海老より大ぶり。
なんて素晴らしい甲殻類なんでしょう。
 
ただ、太平洋に生息しておらず、足もはやいため、東京をはじめ、産地以外ではなかなかお目にかかれない代物なのです。
足がはやいため、がす海老の別名は「ザコエビ」。冷蔵輸送技術などが発達していなかった昔は産地以外では販売できず、商品価値がなかったのでこう呼ばれているようです。
 
で、このザコエビにも「クロザコエビ」と「トゲザコエビ」という2種類あります。
 
見分け方は、背に茶色い帯が入っているのがクロザコエビ。

この写真の右下ががす海老なんですが、尻尾に近い背中の部分に黒い帯が入ってます。これがクロザコエビです。

でも、市場ではクロザコエビを「白がす」、トゲザコエビを「黒がす」と言ったりもするらしい。なんて紛らわしいのでしょう。笑
 
この、白がすと黒がす、どっちが旨いの?というと、自分が金沢のすし屋で聞いた限り、黒がす、すなわちトゲザコエビの方が甘みがあって良いらしい。
 
この理由は、海老の甘みの正体にあります。
 
甘海老をはじめ エビの甘みの由来は、グリシンやL-アラニンといった甘味系アミノ酸を含むエビの筋肉が、死後にエビ自身のタンパク質分解酵素で自己消化されることにあります。
 
つまり、このタンパク質分解酵素が多くあればあるほど消化が進み、ねっとりと甘くなるわけです。
タンパク質分解酵素は本来 エサを分解するために備えられたものであって、深い海に棲み 低温の環境でエサを分解しなくてはいけないエビほど、この分解酵素を多く持っているということになります。
 
で、この白がすと黒がすには実は棲み分けがあるのです。
水深200m付近を境に、それより浅い海底には白がす、深いと黒がすといった具合。
 
そう、つまり黒がすの方が深いところに居るから甘い。それだけなんですね。
 
ちなみに、白がすと黒がす、どちらも海底に生息しているため、主に底曳網で獲ります。しかし、底曳は近年の海洋環境への懸念から夏の間は禁漁になるため、がす海老も食せるのは9月〜6月ごろまで。
つまり、今は漁期的にいうと出始めということになります。
 
でも、底曳解禁から冬まで日本海側ではカニ漁がメインとなるため、よく市場に出回るのは春から。しかも、春であれば抱卵期で、卵たっぷりのがす海老が楽しめる。
だから、普通 がす海老がよく出回るのは冬の終わりから春までとのこと。ということで、今がす海老があるのはちょっと早いのかなと思った次第であります。

まあそんなことは置いといても、がす海老は美味しい。
唐揚げで食べる場合もありますが、火を通してしまうのは少々もったいないような気がします。しゃぶしゃぶくらいなら美味しいですけどね。

でも、やっぱりお寿司。
今年の春も金沢でがす海老のお寿司が食べたいなあと思った たまプラの回転寿司なのでした。


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