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【誰でもできるウェビナー集客】新規リード最大化の5つのポイント

「僕たち」のコロナ禍1.5年で創り上げた延2000名/月のウェビナー集客メソッドをシェアします

サーキュレーションのマーケティング責任者の赤羽です。

今日は月次延2000名に申し込み頂くウェビナーを運営するサーキュレーションのマーケティングチームの経験から、「誰でもできるウェビナー集客メソッド」をシェアします。

コロナ禍による営業活動環境の変化で営業DXやオンライン営業が叫ばれて2年近く経ちますが、なかなか新規リード獲得うまくいきませんよね・・・。
今回は、この「オンラインリード獲得できない問題」に正面から悪戦苦闘して立ち向かった経験を凝縮してお届けしたいと思います。

なお、約1万文字の長文になっておりますので、
・スライドでざっとみたい
・社内のディスカッションペーパーとしてスライドで共有したい
という方は、こちらか下の画像⏬をクリックしてもらえれば無料で記事内で使っているスライドをDLできるようにしましたので、ご利用ください。

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その前に、「僕たち」って誰だよ?って思われた皆さん、少しだけ自己紹介させてください。

サーキュレーションは、「プロシェアリング」という、外部のプロの経験・知見を複数の企業でシェアし、経営課題を解決する新しい人材活用モデルを社会に提案している企業です。

マーケティング界隈でも副業・フリーランスとして活躍される方がとても増えていらっしゃいますが、そういう方々と企業様の間の接点を最大化する業態と捉えていただけると嬉しいです。

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私、赤羽は、2008年に新卒でITベンチャーに入って以来、10年以上に渡ってWEBマーケティングとWEBテクノロジーに携わってきました。
サーキュレーション入社後はオウンドメディアリニューアル・SFA導入・コーポレート/サービスのリブランディング・BtoBマーケティング立ち上げ・IS組織グロース・ウェビナー立ち上げ、などなど多くのPJTに従事しています。

ブログを書くのは昔から大好きなので、いまブームのウェビナー立ち上げについての経験・Tipsを共有させていただきたいと思い、筆を取りました。

サーキュレーションが運営する延2000名/月のウェビナー「ソノプロ」

まず、BtoBマーケティング・リード獲得上の定量成果では
・新規リード獲得と既存リードの接点最大化を目的に
・月に6-8本
・1回あたり100〜500名の応募
・月間延2000名以上に応募
・売上貢献など社内判断としてのROIが合う
というビジネス上の成果が出ています。

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当社に登録いただいたプロ人材の方々や、当社と関わりのある企業の責任者クラスの方々に登壇いただき、DX,SDGsなどさまざまな最先端のビジネス推進テーマのウェビナーを展開しています。(サーキュレーションの最新のウェビナーはこちら

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また、LIVEで配信した動画を編集・加工し、オリジナリティのある手軽な情報コンテンツとしてYouTubeチャンネル「その仕事のプロから学ぼう。ソノプロ」で公開しています。

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サーキュレーションは2021年7月にIPOしましたが、スピーディーに立ち上げ→実行→PDCAを回せるチャレンジングな環境です。当社の行動規範の1つ「開拓者精神」を持って、マーケティングチームとしても先端的なマーケティング施策をどんどんトライしていきたいと思っています。

コロナ禍1.5年で創り上げた新規リード最大化のウェビナー集客5つのポイント

【前提1】「ウェビナー立ち上げ〜運用のロードマップ」
まず、ウェビナーは下記のステップで推進/運営するものであり、いきなり集客を考えるのは早計です。本来はしっかり営業戦略やBtoBマーケティング戦略との接続をしっかり設計してから始めるものです。ただ、今回は「誰でもすぐに真似しやすい」=「共有する価値が高い」という考え方で、いろいろすっ飛ばして集客のtipsからシェアします

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【前提2】集客を意識すべき3つのステップ
次に集客を最大化するために、以下の図の通りその前工程も重要ですが、

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「誰でもすぐに真似しやすい」ものではなく、また、それぞれもそれなりの分量になるので、ニーズがあれば別途シェアすることにし、ここでは「アジャイル企画・運用>集客実行」の話をします。

集客で意識したいウェビナーを失敗に導く3つの落とし穴

私たちも過去にたくさんのイベントで成功・失敗を重ねてきました。特に立ち上げフェーズで集客には次の3つの落とし穴があります。

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(1)ペルソナ・ジャーニーを盲目的に信じてしまう
(2)狙ったターゲットにリーチできる媒体は少ない
(3)アクション数が少ないと最適化に時間がかかる

この落とし穴については、ここからの5つのポイントの中に織り交ぜて解説していきます。

「ポートフォリオ」構築が戦略の最大のポイント

3つの落とし穴に陥らないように、私たちが新規リード獲得/顧客接点最大化において心掛けていることは「ポートフォリオを組むこと」です。

集客活動でポートフォリオを組むことで、以下の2つメリットがあります。

(1)企画にフィードバックができるユーザーインサイトを蓄積できる
(2)リスクヘッジを行い、安定したリード供給ができる

それぞれ解説していきましょう。

【メリット1】ユーザーインサイトの蓄積
落とし穴にもあげましたが、仮説で作ったペルソナやジャーニーはだいだいズレています

そのズレがコンテンツを企画する段階で広がります。実際に運用していく中で修正するのですが、経験打席数が少ないと本当の顧客のペインポイントをとらえるのに時間がかかってしまうのです。

また、「顧客の声を聞きに行こう」という話がありますが、顧客の声はヒントにはなっても、最終的には顧客の行動で評価すべきです。

顧客の声や想像で創ったペルソナやジャーニー通りに顧客は動きませんジャーニーのフェーズが変わる=顧客の行動が変わった段階、その行動変化こそKPIとして追うべきものです。

特に広告運用上のクリック率、コンバージョン率などは「顧客の行動」を同じ土俵で評価する上で有用な指標であり、様々なクリック率、コンバージョン率の比較でユーザーインサイトの蓄積が可能です。

さらに、後々紹介する「複数のテーマ」「複数のオーディエンス」「複数の広告コピー」のポートフォリオを用意することで、アジャイル的かつスピーディーにユーザーインサイトを蓄積することが可能になります。

【メリット2】安定したリード供給
企画をたくさん作っていくと、当然、当たり外れが出ます。その結果、月次供給リード数が安定しなかったり、計画通り伸びていかなかったりします。

私たちもコロナ前のリアルイベントではボリュームがとれず、IS/FSに獲得したリードからの顧客開拓を真剣に考えてもらうことができませんでした。

ですがウェビナーを始めてからはしっかりポートフォリオを組み、一定の規模感と安定的なリード供給が可能になり、IS/FSとの連携が改善しました

新規リードを最大化させるウェビナー集客ポートフォリオ戦略5つのポイント

さて、具体的な5つのポイントに入っていきます。

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[point.1:開催本数] 企画は月4本以上
[point.2:集客期間] 企画が完成したらすぐ集客
[point.3:ターゲティング] facebook類似オーディエンス
[point.4:広告バナー] 広告コピーは3つ用意
[point.5:予算] 月間KPI優先で各会の予算をアロケーション

その他にあげればキリがないのですが、我々が実践していないものや、WEB上の記事でたくさん出回っているtipsなどはここでは触れません。なるべく2021年11月現在、目新しいものに絞っています。

[point.1:開催本数]企画は月4本以上回す

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[WHY]リードを1人20件/月供給できてやっとIS/FSが本気になるから
「アクション数が少ないと最適化に時間がかかる」という落とし穴にはまるからなのですが、「立ち上げ時」「運用時」それぞれに問題があります。

立ち上げ時
ウェビナーを立ち上げてからオペレーションを安定させるまで、大体5-10回くらいかかります

月1回でやっていると半年〜1年かかってやっとオペレーションが安定するのですが、1年経てばビジネス要件も変わって「ウェビナーやる意味あるの?」みたいな浦島太郎状態に陥りかねません。

運用時
仮にオペレーションが安定したとしても、「リード供給が不安定だと営業工数の稼働が空く」「規模感が小さいとIS/FSに雑に扱われ、商談化率や受注率が伸びない」リスクもあります。

特に後者が問題です。LPもホワイトペーパーも、リード獲得施策の全てのCTAにはストーリーが組み込まれています。それらを正しく理解してこそ、商談化率や受注率をあげることができるのですが、わざわざ月数件しか触らないリードのコンテクストをISやFSは理解しようと思わないのです。

少なくとも、1人あたり月20件以上リード供給ができる規模感が理想です。

[HOW TO]開催数を確保する「テーマ設計」と「再放送」テクニック

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たくさん企画を回すのが重要だと理解してもなかなか数を回すのは大変です。さらに踏み込んだtipsをご紹介します。

【tips1】数が回せる全体テーマ設計をする
基本的に自社のプロダクト/サービスと親和性が高いものがウェビナーのテーマになります。その中で、事前にどのようなテーマが選べるのか?を全体設計しておくと企画を考えやすいです。

バーティカルなテーマしかできない場合も、各テーマの中のサブテーマを深堀ったものを予めマインドマップなどで作っておきましょう。

【tips2】再放送で数を安定させる
こちらは多くの企業が実施していると思いますが、一度ライブ配信したウェビナーを録画しておいて数ヶ月後に再放送します。当社も完璧ではありませんが、ポイントは以下の3つです。

(1)再放送だと明示する
(2)前回と違う広告コピーも用意する
(3)特に反響の良いものに絞る

要は、「焼き増し」と思われて顧客の満足度を下げないことが重要です。

[CASE]開催数を確保するための「ソノプロ」の実践例
サーキュレーションの「ソノプロ」の場合は、月にオリジナルで作るものを4-6本、再放送を2本程度運用しており、テーマ設計は以下です。

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当社の場合、あらゆる経営/ビジネステーマに対応しているので、全体テーマ設計がしやすく、いろんなテーマにチャレンジできるので、ウェビナー企画メンバー中心にとても楽しく知の探究に励んでいます。

再放送については、当社の実績上、1回目に出した時よりも、広告獲得CPAが0.7-1.5倍くらいになります。これは、
・Facebook広告が初週の期間でうまく最適化できるケースとできないケースがある
・2回目だとオーディエンスと広告コピーの刺さり具合を最初から把握できているのですぐに最適化できるケースがある
などの理由が考えられますが、CPAは上振れで高騰してしまうケースが多く、私たちも苦戦しています。

[point.2:集客期間]企画が完成したらすぐ集客する

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[WHY]実際の応募者に応じて柔軟にコンテンツを変えつつも、決めた開催日に向け決断力が上がる
すぐ集客しないと、「ペルソナ・ジャーニーを盲目的に信じてしまう」「アクション数が少ないと最適化に時間がかかる」という2つの落とし穴にハマります。

【メリット1】先に集客をすることで申込者の属性や希望に合わせたコンテンツ制作ができる
集客してみると思っていたターゲットと違う人たちが来たりします。

(例)企画時は新規事業開発責任者の方が来ると思っていたが、経営企画責任者の方がたくさん来ている/テーマに詳しい上級者向けを想定していたが、意外とテーマに対して理解の浅い人が来ている

コンテンツ完成前であれば、集客の状態に合わせて「事前スライドは少なめで、Q&Aを厚めにしよう」「1,2枚、補足のコンテンツを用意しよう」など臨機応変にマイナーチェンジができるので、コンテンツ最適化ができます。

【メリット2】納期の無限延長でアクション数が減るのを防げる
コンテンツをつくっていくと
・思っていた情報ソースが得られるFACTが1つ飛んでしまう
・登壇者が忙しくてヒアリングする時間が取れない
などなど、想定外の事象も発生します。

こうなると「開催予定日を後にしよう」「やっぱりタイトルはooに変更して」などなど、企画フェーズへの手戻りがたくさん発生していきます。

完璧を期すならそれでもいいのですが、そもそも企画したときに考えたペルソナ・ジャーニーは仮説に過ぎないので、机上の空論の中で無限に手戻りをさせることになるのは不毛です。

開催数が稼げず玉突き的に「アクション数が少ないと最適化に時間がかかる」落とし穴にハマらないように、先に実施日を決めてしまい、腹を括って決断できる環境にしていくべきです。

[HOW TO]集客期間の確保は最低2週間、1ヶ月半以上がベスト

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【tips1】集客期間は2週間は最低確保する
Facebook広告をする前提だと、広告が機械学習してパフォーマンスが安定するのに7日以内に広告セットでおよそ50件の最適化イベントを獲得するという条件があります。1週間で安定させて、最適化させた状態で刈り取るのに1週間使うというイメージで運用しないとリード獲得が伸びません。

【tips2】集客期間は1ヶ月半以上がベスト
理由は2つです。
(1)当たる企画は長期間集客して、工数に対してリードを増やしたいから
(2)運用型広告以外のリードジェネレーションメディアは、1ヶ月前入稿の媒体も多いから
(1ヶ月半以上前には準備を終わらせ1,2週間Facebook広告の反応で当たりそうだったらリードジェネレーションメディアにも出稿する、などがベスト)
※私たちもここまでできていませんが、理想です。

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[CASE]集客期間の確保についての「ソノプロ」の実践例
当社の場合は、立ち上げ時は集客期間を2週間の目処で、月3-4本を3ヶ月程度、そのあとは月6本という「頻度優先」でPDCAをまわしてきたのですが、
・獲得できるウェビナーは長く出稿してもリードが稼げる
・2週間だと仮に金曜にLPが完成すると初速が微妙になって獲得が伸びない
と学び、1年ほど経ったくらいで、企画メンバーにがんばってもらい徐々に集客期間を伸ばし、1開催あたりの獲得リード数を伸ばすことに成功しました。
ただし、2週間で高速PDCAを回す中で、企画メンバーがしっかり振り返りをしてくれたからこそ、テーマに対するインサイトを蓄積でき、自信を持って精度高くその後開催するウェビナーを企画できたのだと思っています。

[point.3:ターゲティング]Facebook類似オーディエンスで量と質を担保した広告を回す

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[WHY]結局Facebookの類似オーディエンスが1番広告効率が良い
「狙ったターゲットにリーチできる媒体は少ない」「アクション数が少ないと最適化に時間がかかる」落とし穴を回避します。

【メリット1】結局Facebookが1番リードが取れる
集客方法はメディア協賛/他社ウェビナーの協賛・ディスプレイLINE広告、Twitter広告・メルマガ・社内発信(IS/FSに必要に応じて依頼)からのSNS拡散・登壇者拡散・プレスリリース・他社プラットフォーム(bizplay, Eight)活用など、たくさんあります。

ただ、「ターゲティング精度」「安定的な新規獲得」「柔軟性」「規模感」を満たせる媒体という観点ではFacebookが他媒体を圧倒します。
特に、1番最初の「ターゲティング精度」を起点に数がとれる媒体/広告手法はFacebookの類似オーディエンスが圧倒的です。

類似オーディエンスはLINE/Twitter/Googleなどでも使えますが、精度が悪かったり獲得が伸びなかったりします。

【メリット2】結局運用型広告が1番アクション数で最適化しやすい
運用型広告のメリットは、始めるのもやめるのもいつでもよいという点
です。外部の純広告を利用すると、獲得が伸びなくても回し続けないといけなかったり、入稿は1ヶ月前までなど制限が多く、立ち上げ初期にフレキシブルに企画を回すのが難しかったりします。

おそらくWEB広告の中で1番CVRが高いのは、マッチしたワードに出す前提でキーワード広告かと思います。しかし、キーワード広告の欠点は検索volがものによっては少なすぎることです。作った企画にあったキーワードを探すのに運用工数を使ってしまうか、「oo セミナー」という少ない検索volのワードでわずかばかりの母集団を形成するに留まります。

キーワード広告に固執すると、リード数が稼げず、IS/FSに新規リードを送れず…という状態になってしまいます。

[HOW TO]1000枚の名刺と2つ以上のオーディエンスを

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Facebook広告の細かい設定は省きますが、重要ポイントは2つです。

【tips1】ターゲットの名刺を1000枚集める
何より重要なのは「1000枚の名刺を集めたオーディエンスの作成」です。

類似オーディエンスは
・受注実績のある人
・狙っている部署
・狙っている業界の特定の部署
などの人の情報を
1.Facebookにアップロードしカスタムオーディエンスを作る
2.Facebookの機械学習に基づいて類似オーディエンスを作る
という流れで設定します。

類似拡張可能な数の目安がFacebookで公開されており、それが最低1000、ベストは5000とされています。なお、詳細は割愛しますが、ATT(AppTrackingTransparency)/Cookielessという潮流により、最近は1500-2000枚くらい集める必要があるかもしれません。

B2Bでまだローンチしたばかりの場合、まず手分けしてターゲット1000人と会うことを目標にするといいのではないかと思います。

【tips2】オーディエンスを2つ作る
この後の「広告バナー」の話でも出てきますが、作った企画・コンテンツが想定したペルソナ・ジャーニーと必ずしもマッチするわけではないのです。

そういうフェーズでは、複数のターゲットを想定しつつ、ウェビナーも複数のオーディエンスを作って1つのウェビナーの広告展開をすることでリード獲得を最大化・安定化させることが可能です。

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[CASE]facebook広告運用の「ソノプロ」の実践例
当社の場合は過去に営業メンバーが沢山の人と会っていたため、SanSanを導入し数万の名刺情報を一元管理できるようしました。そのデータを独自の部署マスタのクラスに分類し、そこからカスタムオーディエンスを7つほど作り運用しています。

分類した際にルールベースの正表現マッチの分類ツールもつくり、いまは新規追加されると自動で分類されますし、ウェブリードは全てユーザーにプルダウンで選択してもらっています。こちらを毎月丁寧に更新しています。

広告出稿1つやるにも、データを整えるということが関連します。営業企画系のメンバーが地道に分類ルールを整えてくれたからできたことです。振り返れば、様々な施策の積み上げで成り立っていることに感謝の気持ちでいっぱいです。

[point.4:広告バナー]広告コピーは3つ用意

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[WHY]通常のディスプレイ広告なら当たり前の実践であり、ユーザーインサイトの蓄積も加速するから
「ペルソナ・ジャーニーを盲目的に信じてしまう」「アクション数が少ないと最適化に時間がかかる」という落とし穴を回避します。

【メリット1】複数のバナーを試すことで当たり外れのボラを吸収できるFacebook運用を長くやられている方はご理解いただけると思いますが、想定タグラインは、想定ターゲットにCPAが低下するほど刺さらないケースがほとんどです。

タグラインよりも新しく広告用に作ったキャッチコピーのほうが刺さったり、そして、そのコピーが枯れて新しいコピーが必要になったり。

運用型WEB広告は常に新しいクリエイティブ投入との戦いです。コピー/バナー作りはほぼ想定した通り進まない前提で進めるべきなのは、ウェビナーも同じです。

【メリット2】バナー数を増やすことでユーザーインサイトの蓄積が加速
このtipsは今回の5つのポイントの中で最も大きな効果をもたらしました。

1回のウェビナーで複数の広告コピーを回すと単純に検証数が増えるので、
・このコピーでこういうCTR/CVRがでるなら、このコピーを切り口にしたウェビナーをやろう
・このコピーは全然当たらないから、次回以降も企画するのはやめておこう
など、さまざまなユーザーインサイトが蓄積できるようになります。

バナーを増やすと、ターゲットに対するインサイトが薄かったとしても、ウェビナーのアンケート情報と複数の広告結果を見比べ、ユーザーインサイトをスピーディーに蓄積できます。

[HOW TO]広告コピーをつくるtips
コピーライティングについては本が溢れているので基本的なテクニックはそれらを参照いただきたいのですが、私たちが広告コピーを作る上で気をつけているポイントは2つあります。

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【tips1】メインコピーは10文字程度にする
純粋にFacebookの正方形サイズの広告バナーの程よい大きさでバランスよく収まるのが、10-15文字程度でした。

また、シンプルで強力なコピーにするために重要なワードを2つ選定して組み合わせています。次のポイントで詳しく解説します。

【tips2】狙いを分けた広告コピーを3つ以上展開する
以下の観点で3つほど考えていきます。

・コピー1:WHAT重視のコピー
・コピー2:WHO重視のコピー
・コピー3:逆張り/テストで、外れると思う方向性/次の企画のアイデア試し

ビジネステーマは基本的に「誰が語るか?」が重要です。とりわけ強力な登壇者に登壇いただく時は2つ目の「WHO重視のコピー」をメインにします。

ウェビナーでコピーに入れるべき要素は以下の5つです。

(1)自社の商材関連するメインテーマ(EX.新規事業)
(2)その領域の先端的なワード(EX.データビジネス)
(3)誰に向けたウェビナーか(EX.経営者のための)
(4)誰が語るのか(EX.著名人のbyName,役職,バックグラウンドになる企業名)
(5)特にそのウェビナーで詳細に語る内容(ooの事例/裏側、ooのロードマップ/ポイント/秘訣)
[CASE]広告バナー展開における「ソノプロ」の実践例
当初私がウェビナーを始めたばかりの頃は、1イベント1クリエイティブですませられるから、ウェビナーは広告運用が楽なCTAだと思っていました。

当社の場合、登録プロ人材が1.7万人以上いるので(2021年7月末時点)、「誰が語るのか」という点では他の企業様より有利なアセットがあり、自由度高く色々なテーマで企画できるという楽しさがあります。

しかし、本腰を入れて1本1本をしっかり作り込んでいく中で、徐々に狙ったタイトルで獲得がうまくいかないケースが出てきました。そして、メンバーが真剣に作った企画が1発勝負のメインタイトルコピーのみで外していくことがもったいなく思えてきました。

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そこでふと「LP運用だったら複数コピーを用意するのは当たり前だな」ということに気づき、複数のコピーを用意するようにしたら、以下の3つの効果がありました。

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(1)1番実現したかった安定的なリード獲得の実現
(2)作ったバナー/コピーすべて当たった時の獲得数が拡張
通常1コピーで回していると、ある程度の予算規模を使い切れば、出稿期間が長いと飽きられて徐々にCPAが悪化します。それを新コピーで獲得数が伸ばせました。
(3)ユーザーインサイトの蓄積が加速
複数用意したコピーの中で外したものから、こういうワード/広告切り口は当たらないんだなという学び=ユーザーインサイトを蓄積できました。

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[point.5:予算]月間KPI優先で各会の予算をアロケーションする

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[WHY]月次の目標や行動数をマーケ/IS/FSで担保しやすくなる
こちらはIS/FSの「アクション数が少ないと最適化に時間がかかる」を回避するポイントです。

【メリット1】月次目標をミートさせやすくなる
まずシンプルに、月次の目標にミートさせるためです。
企画をたくさん作るとどうしても企画ごとに予算を決めてしまって、外れた企画に対して相当の広告費用を投下してしまい、結果足を引っ張りあって、月次の目標にミートさせることができなくなってしまいます。

【メリット2】マーケだけでなくIS/FSの行動数も担保しやすくなる
月次の目標がビハインドするとISやFSのアクション数もビハインドします。ISやFSが「アクション数が少ないと最適化に時間がかかる」罠にはまり、ウェビナーリードの扱いになかなか習熟していきません。

そもそも、商談数の絶対ボリュームが少ないと、商談に出れずに営業スキルを研鑽できないので、とにかく打席数=アポ数を増やすのはTheModel構築の初期フェーズでは重要です

なお、Facebook広告を運用する上での基準のCPAは1〜1.5万以下です。最終的な受注CPA次第ですが、リードジェネレーション系の媒体で応募ベースの成果報酬で応募が集められる単価がこれくらいです。

これ以上高くなる場合、Facebook等の運用型の広告媒体ではなく、リードジェネレーション系の媒体から集客の組み立ても検討した方がいいでしょう。

[HOW TO]月間KPI優先で各会の予算をアロケーションするためのtips
実際に運用する上でのポイントは2つ。

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【tips1】月間とテーマ毎にそれぞれ目標値を決める
当然、テーマ毎に獲得CPAは多少変わります。
テーマを複数用意するというのも「ポートフォリオ」の一環ですが、

・とにかくリードが多く取れるテーマ
・受注に繋がりやすいがリード獲得CPAはよくないテーマ
・リード数を増やすため、CPAは少し高いが許容してチャレンジするテーマ

などを合わせて複数企画を回していくことになるので、それぞれの目標CPAを設定して運用しないと、安かろう悪かろうのリード数がとにかく取れるテーマだけをやることになり、施策の伸び代がなくなってしまいます。

【tips2】月間目標より低いCPAの企画に予算を集中させる
各回別に目標リード数や目標CPAは決めますが、とにかく当たりの企画が出たらそこに広告費用は集中させます。繰り返しですが、企画は仮説にすぎず、当たると思った企画が毎回当たるわけではありません。とれるときに刈り取り切ってしまうべきだと思います。目標は1週間で50CVです。

また、リード数が振るわなかった企画については、獲得リード数ではなくCPAベースで振り返ります。メンバーにポートフォリオの一角を形成してくれたことへの感謝をしつつ、そのテーマでどれくらいユーザーに刺さる企画だったのか?を振り返ることで、次につなげることができます。(当然、開催後アンケートで中身の良し悪しは別途振り返ります)

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[CASE]月間KPI優先で各会の予算をアロケする「ソノプロ」の実践例
当社では、運用半年以上経ってからですが、半年の実績をもとに、テーマ別に「獲得目標リード数」「目標CPA」「想定消化予算」を設定しました。

この設定をする前の半年だと、
・獲得できていないテーマより獲得できるテーマのほうが偉い
・獲得できるテーマがやりたい、獲得できないテーマをやりたくない
という傾向もありましたが、テーマ別の獲得目標と、視聴者のために全力でコンテンツを作って満足度を追おうという目線を合わせて、しっかり一つひとつのテーマに取り組めるようになりました。

登壇しているコンサルタント(マネジャー)、配信メンバー、ウェビナー企画メンバー全員で、各テーマを深堀る知の探究ができる環境になりました。

ウェビナー集客ポートフォリオ戦略の5ポイントまとめ

いかがでしたでしょうか。tips共有は以上になります。

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今のウェビナーは、ほとんどの企業の皆様が初めて挑戦されている中で、ノウハウが世に出回っていません。

当社も暗中模索の中で、プロジェクトチーム/管掌チーム全員が責任感を持って創り上げてきました。

今日はTipsの紹介ですが、ウェビナーは一人でできるものではありません。
何よりも重要なのは、メンバーの当事者意識とチームワークだと思っています。今回紹介したノウハウも、メンバー一人ひとりの努力の結果です。

このTipsを所属するチームに持ち帰って、チームでウェビナーを成功させていただけるととても嬉しいです。

最後にお願い

みなさんの参考になったら、是非、いろんなところでリアクションもらえると嬉しいです。

・Twitterで、私、赤羽 宏之(@hirobanexでやっているのでフォローして反響もらえると嬉しいです

・お決まりですが、このウェビナーを筆頭にサーキュレーションのTheModel型組織を共に創っていく仲間を募集しています。お知り合いで新しいチャレンジを考えている方いたら、この記事と一緒に以下の求人をご案内いただけると嬉しいです。

マーケティング部門責任者
インサイドセールスマネジャー候補
マーケティングスペシャリスト
コンテンツプランニング責任者
ウェビナー企画/マーケター
インサイドセールス第二新卒歓迎
カスタマーサクセス
事業企画
プロジェクトマネジャー
オープンポジション

繰り返しですが、ウェビナーはチームワークなので、そのあたりに共感いただけるWEBマーケターの方が増えてくれると嬉しいです!

「【誰でもできるウェビナー集客ポートフォリオ戦略】コロナ禍1.5年で創り上げた新規リード最大化の[5]つのポイント」のスライドが欲しい方はこちらからダウンロードできます。

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