「Bリーグと企業版ふるさと納税」

北海道のプロバスケットボールチームといえば、レバンガ北海道。B1リーグに所属しています。

今シーズンは残念ながら最下位となっています。今シーズンはB1からB2への降格はないため、来シーズンもこれまで以上に頑張って欲しいところです。北海道民として応援しています。

B2リーグはプレーオフで上位2クラブが来シーズンにB1へ昇格するそうです。
その昇格に最も近いのが、群馬クレインサンダーズ!なんと52勝5敗で勝率は、.912。圧倒的な強さですね。
来シーズン(2021-22シーズン)からホームタウン(本拠地)を現在の「群馬県前橋市」から「群馬県太田市」に変更することも決まっているようです。

太田市では、新市民体育館を建てる計画もあり今月14日からの議会でも審議される予定。

なんでも建設費を54.5億円から78.5億円に増額する補正予算が議案になるそうです。

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この計画の国庫補助等は約10億円ですが、企業版ふるさと納税(寄附)は40億円!(上の図赤い点線の囲み)
すごいですね。地方創生応援税制万歳!
太田市に本社を置かない企業であれば制度上寄付できますが、そんなにあてにして大丈夫なのかと調べてみました。

群馬クレインサンダーズは、株式会社群馬プロバスケットボールコミッションが運営しています。親会社は東証1部上場の株式会社オープンハウス(本社:東京都千代田区)。都心から関東、名古屋、福岡と販売エリアを広げて成長してきた不動産会社です。

ちょうど5月7日に今期の業績予想修正の発表があったのでそれを見ますと、売上高3630億円(修正前3296億円)、経常利益405億円(同370億円)。業績予想修正の理由としては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う新しい生活様式のもとで、戸建関連事業の販売が伸長したほか、グループの好調な事業進捗を反映し、2021 年9月期第2四半期(累計)の連結業績予想を修正に至ったとのことです。

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経営も好調のようで、今年度以降三ヵ年で40億程度なら大丈夫との目論見なのでしょう。
そして代表者のご出身が太田市というご縁でこのような関係が築かれたようです。

このように、民と公のパートナーシップで地域を創生していく、言わば「公民共創」こそ企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)のねらいであり、財源に悩む自治体にとってはますます重要な制度だと私は思ってます。

ところで、この計画。

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冒頭で触れましたように、当初の計画より24億円増額となって、その引き当ては企業版ふるさと納税が10億円、地方債と一般財源で14億円です。
それにより、地方債(借金)が27億4百万円、一般財源として1億4千2百万円、合計約28億4千6百万円が支出されることになります(青い点線の囲み)

ある太田市議会議員はSNSで、14日に開催される議会でこの件について徹底追及し、建設の中止、一万歩譲って建設の凍結を求めると厳しい姿勢を見せています。
計画にあたっては、市の財政事情やプロスポーツチームを誘致することの経済効果なども含めて、十分に検討されたものと推察しますが、24億円増えた理由について議会は慎重審議で臨むべきですし、市は丁寧な説明をして理解を求める必要があるでしょう。

新市民体育館建設計画の動向と合わせて、群馬クレインサンダースの戦いぶりも注目したいと思っています。

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