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五感を磨くと、生きづらくなってしまうこともあるけれど


"ここ最近はなにかに迷ったとき、誰かに助言を求めるよりも、社会的に価値があるとされるほうへ進むよりも、まずは自分の五感が行きたいよと示すほうへ進んでみることにしている。すると感覚が先頭に立ち、物事を前に前にと進めてくれる。歩いていてなかなかしっくりくるし、何より自分が心地よいのだ。"


──と書いてから2年近くが経ち、私の五感もすくすくと成長したように思う。

五感を大切にしながら過ごしていると、次第に他人がリラックスしているか否か……というのもひと目でわかるようになってくる。

たとえば自分を大きく見せようとしている人は、顔も声も動作も強張っていたりする。私は今この瞬間のあなたと話をしているのに、あなたは録音したセリフを再生するかのように、ずらずらと権威的な固有名詞を並べるばかり……ともどかしく感じてしまうことも多々。そして残念ながら、そう感じた相手とのお仕事は、おおよそうまくいかない。

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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。