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「時を待つ」
この言葉は、聖人・孔子の説いた教えにあり、必ず人には生まれてこの方、働き処・勝負する時が訪れるものであるから、その時に備えて研鑽し続けなくてはならない…いたずらに人生焦るものではない。
そうした意味をもちます。

この「時を待つ」とはいつまでの時期のことを言うのでしょうか。
よく何の業種媒体で云われるのは、一つの事に専心して十年で一人前という目安もあります。
格闘家・前田日明氏も自分が思い通りの動きを得るのに十年かかったと話しています。
十年というのは西洋感覚で、ある節、時間経過の目安としてdecade(10年間)という単語も有るくらい、人の成長にも重ねて広く馴染まれた単位とされます。
その点、日本は干支での一回りを意味する十二年周期で考える見方も根付いています。
そこで考察する10と12の最小公倍数は60となります。日本的には還暦年数とも言える数字が顕れます。
西洋と東洋の時間経過概念がシンクロする60をある基点に置いて考えてみた時、大事を成すことの客観性からのポテンシャリティを60歳迄に自分の選択判断と天運を訴求できたか、そう捉えても良いのではと感じたのです。
勿論、人が花を咲かせるのは60歳を越えてもそれは望ましい限りではありますが、年を重ねる毎に及ぶ、動く体力の衰えは自然摂理に基づくもので、奇しくも日本の一般的定年年齢の60歳が東西文明に於ける時間軸の交差ポイントに当たるというのが、ある基点に思えてしまいました。
もし「時を待つ」実情にある、該当するとお思いの方には、ちょっとした物差しに採用する期限時間として、考える目安にはなるかもしれません。

先日、沢田研二主演の映画『土を喰らう十二ヶ月』を観ました。
映画の原作者、作家・水上勉の晩年の生活スタイルを描いた、農家の四季と食を一年追っていくセミドキュメント的な物語です。
劇中では沢田研二演じる作家のツトムが齢70歳前後の設定ですが、実際にツトム自身が長野の或る村で野菜を栽培し料理を作っていく過程が描かれます。
そこでは毎年、間違いなく収穫できる保証はない野菜が今年も収穫できる奇跡の循環に彼自身感謝をするも、ツトムの「時を待つ」はこれから訪れるであろう死への対峙である覚悟が、一日一日を無駄なく生きるというメッセージと解釈できる丹念なものづくりに沁み入りました。
こちらも過ぎゆく時間が重要なファクターです。

こうして思う時間とは、それぞれに与えられた裁量の中にある反面、光陰矢の如しを実感するのです。

映画『土を喰らう十二ヶ月』
監督・脚本/中江裕司 主演/沢田研二
主題歌『いつか君は』/沢田研二
作詞/覚和歌子 作曲・編曲/大村憲司


【インフォメーション】
下関名画座 第12回上映会
クリスマスはモンロー🧑‍🎄🎄
マリリン・モンロー没後60年記念上映
「百万長者と結婚する方法 吹替版」
■日程 
2022年12月17日(土)
■場所 
シーモール下関2Fシーモールシアター 
■作 品
「百万長者と結婚する方法 吹替版」(1953/アメリカ/95分)
監 督 
ジーン・ネグレスコ       
出 演 ※吹替版上映となります
ローレン・バコール(大谷育江)
マリリン・モンロー(Lynn)
ベティ・グレイブル(ファイルーズあい) 
キャメロン・ミッチェル(落合福嗣)ほか    
■内 容 
愛のための結婚なんて時代遅れと決め込み、大金持ちとの結婚を夢見るニューヨークの3人の美女モデル。超豪華マンションをなけなしの金で借りて、百万長者を掴まえようとするが、結局3人とも思わぬ恋に落ちてしまう。
■上映時間
①10:30  ②13:00  ③15:30  ④19:30
1日4回上映。それぞれ上映後は5分程度の作品解説あり。        
■チケット 
前売り1,000円 当日1,200円
シーモール1階インフォメーションカウンターにて取り扱っております。
3時間無料駐車サービスあり。
■協賛
公益財団法人下関市文化振興財団
公益社団法人下関市シルバー人材センター
元祖瓦そば たかせ
金田博美
■後援
下関市
■提供
株式会社モービーディック
■協力
株式会社cinepos
■問合せ
山中プロダクション(090-8247-4407)

36歳で亡くなったモンローが存命なら、96歳でした。没後60年の節目で、彼女の生き方も再注目されています。クリスマスムード一色のとき、魅力溢れるモンローのロマンティックコメディを劇場でお楽しみ下さい。



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