見出し画像

ライトなファンこそ楽しめる?『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』の感想

自分にとってビートルズとは、、、
世代的に、リアルタイムでは当然知らない存在だ。
曲は知っている。有名な曲はもちろん、それなりに音楽好きではあるので、ほとんどすべての彼らの一般的なアルバムも聴いたことはある。

でも、それぐらいの知識。それぐらいの距離感。
メンバーの人となりは知らないし、バンドしてどういう歴史をたどったのかも知らないし、映像作品も見たことはなかった。

そもそも、個人的に、音楽モノのドキュメンタリー映画が苦手だ。
海外もの日本もの含め、名作とされるものをいくつか観たが、そのミュージシャンのディープなファンに宛てたものだからなのだろうか。どうもピンと来なかった。

音楽モノのドキュメンタリーは、そのファンが中心的に見るから、自然と評価が高くって、さほどファンではない人が見ても面白いのかどうかは評価点からは判別しにくいってのもある。それでも、ビートルズがライブで演奏しているのが見られればまあいいかと、軽い気持ちで観始めた。(Amazon Prime Videoにて)

そうしたら、意外や意外(と言ったら失礼だが)、か・な・り・楽しめた!

冒頭近くの、マンチェスターの屋内ホールでのShe Loves Youの演奏シーン(1963年11月)の、彼らの溌剌として元気で楽しそうなこと。それに加えて、ファンの女の子たちの熱狂っぷりが凄まじい。「え?ここまで?」ってくらい虜になっているのが映像から伝わってくる。

イギリスでトップに上り詰め、アメリカに乗り込む。内心ドキドキしていたはずだが、アメリカでの初記者会見でも、会見中にタバコを吸いながら、記者たちの質問に、当意即妙に答える4人。

音楽性の斬新さももちろんあるだろうが、彼らの可愛らしさ、やんちゃさも人気に火をつけたことがよくわかる。

中盤以降、ライブにつぐライブで疲弊し、だんだんやる気を失っていくのが、演奏している映像からも伝わってくる。残念なことに、日本武道館での演奏もしかり。

1966年のサンフランシスコでのライブを最後に、コンサートをやらないと決めた4人。この事実を私は知らなかったし、前半の楽しそうな絵が目に焼き付いている身としては、驚きであった。

あくまでもさらっとではあるが、そんな彼らがたどった歴史を垣間見ることができたのも良かった。
そう。あくまでも、語られる内容はさらっとしており、きっとファンだったらもう知っている事だらけだろうし、映像としてもほとんどは今までに見たことがあるものだろう。

逆に、自分のようにビートルズのことは知っていても、詳しくは知らないライトなファンこそが楽しめる内容なのだろう。

ただヘビーなビートルズファンの方は楽しめないのかなと思っていたら、ネットサーフィンして本作の感想やレビューを眺めていたところ、リマスターされた音で映画館の良い音響でこの映像を見れたことが刺さっていたようで、そういうものなのかと唸らされた。

映像だけじゃなく、音にも気を払ってもう1度観てみようと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?