キネ坊主の映画人生を紐解く⑩

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昨日は、是枝裕和監督との出会い、そして人生を救われた話を書きました。

大学1回生の頃は、やっかいなインカレサークルに入ってしまったことで、そんなに映画館に通えなかったのですが、どうにか時間を見つけては行ってたのでした…

そんな1回生の冬、『アメリ』(2001)を観ました。

[神経質な両親の元で育ち、空想の中で遊ぶのとこっそり悪戯するのが得意になったアメリ。22歳になり、モンマルトルのカフェで働く彼女は、青年ニノに出会って心ときめくが、どうしたらいいか分からず悪戯を仕掛ける。]

たしか2002年の年明けに、今は無き京都朝日シネマで観ましたね。京阪電車の三条駅を降りて直ぐの場所にありました。いつも良い作品をやっているなぁと知って一度は訪れてみたいミニシアターにようやく伺って『アメリ』を観るって最高な映画体験です。

今この予告を観ても、なんて幸せな雰囲気が伝わってくる作品だったんだなぁ、と感じます。この作品を手掛けたジャン=ピエール・ジュネ監督は当時『エイリアン4』を監督していたので、配給会社はホラー映画だと思って買い付けたら、実はこんな映画だったという…配給会社もアルバトロスフィルムも予想外だったでしょうけど、宣伝が上手く効いていますよね。

神経質な両親によって極端な箱入り娘に育てられたアメリが外の世界に最大限に触れていって、良い効果をもたらしていき、ほんの少しの苦労や切なさを体験して、大人の女性へと成長していく…まさに大人に向けたおとぎ話の世界があり、幸せな気分で観終えたような気がします。

なお、現在活躍している映画監督の中には『アメリ』に影響を受けている方がいくつもいます。『アメリ』における撮影や編集技法、ストーリーテリングを取り入れた作品がけっこうあるんですね。お、この作品はもしや…と思って聞いてみると、『アメリ』だと応えてくれる監督がけっこういる、とインタビューをしているとよく感じます。それだけ影響力がある作品なんだなと実感する次第です。

さて、この頃はまだシネコン全盛期に入る前でしたので、京都市内は四条から三条にかけての河原町エリアにはミニシアター含め映画館が沢山ありました。今や逆転してシネコンとミニシアターが各エリアに点在していますが、現在の状況が落ち着いて、また活気ある京都の映画館シーンを楽しみにしております。

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