キネ坊主の映画人生を紐解く22

関西の映画シーンを伝えるサイト「キネ坊主」を運営しているぐっちょんです。

今日は、7月公開予定のとある映画をオンライン試写にて鑑賞しておりました。イイ作品でしたよ。これにどんな風にコメントを書いていこうかなぁ

さて、今回は、昨日に引き続き、今は無き大阪の映画館(劇場)、扇町ミュージアムスクエアで観た作品『チキン・ハート』(2002)です。

※予告探してもこれしか見つからなかった…

[同じアパートの住民、元ボクサーの岩野、自由人の浅田、元教師の丸は、昼はバイト、夜は殴られ屋をしながら、だらだらと日々を過ごしている。が、アパートが取り壊されることになり、それぞれが逃げていた問題と対面しなくてはならなくなる。]

これってどうやってキャスティングしていったんでしょうか。松尾スズキさんに忌野清志郎さんっていうダメ大人を演じさせたら最高なメンツに池内博之さんが加わったら、変なことが起きてたまんねぇ、といったところでしょうか。

たしか、この映画を観て、まず衝撃だったのは、忌野清志郎さんがティッシュ配りのバイトをしているんだけど、そんな配り方アリかぁ~!?ってとこ。手裏剣を投げるように通行人に当てまくるってありえねぇ~!って気分で最高だったよ。

松尾スズキさんも最近では、多様なキャラクターを演じていて、どちらかといえばコワいキャラクターが多くなりましたが、この頃は人生諦めたダメなおじさん役が多かったかな。

この2人に挟まれた主人公を演じた池内さん。元ボクサーでこれからどうやって生きていこうかと模索中。公開当時にこの言葉はまだ無かったけど、アラサーでモラトリアムの真っ只中にいるってことは、冷静に考えるとけっこうヤバい…でも、自分の周りにいる知っている大人がこんなだと、嫌でも今後の人生について考えるよね。

『ロックンロールミシン』や『アイデン&ティティ』のように、根拠がなくとも未来に光を見い出していく印象が強い物語ではない。でも、少しでも新たな人生の一歩を踏み出そうとする姿はいいよね。等身大の人間の描き方をしているといってもいい。まさに、元ボクサーという設定を上手くあてはめているなぁ、と改めて気づいた次第です。

あぁ、学生時代、とある夏休みの一日の昼下がりにコレを観たオイラは何を思っていたんだろ…いろんな大人が世間にはいるんだなぁ、とのんきに観ていたのかもしれません…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?