見出し画像

2018年印象的だった映画11本

2018年に見た新作映画の中から印象的だったものをツイートしたもののまとめ。邦画実写、洋画実写、アニメをバランスよく見れた年だったと思う。

1. ファントム・スレッド
1950年代の英国を舞台に、初老の仕立て屋が偶然出会ったウエイトレスをモデルに向かい入れる物語。ドレスを着せるマネキンを望む男と、パートナーとしての愛と信頼を望む女。どちらが主導権を持つかは巧妙に入れ替わり、見終わったあとにはニヤリとしてしまうロマンス映画のよう


2.さよならの朝に約束の花をかざろう
中世ファンタジー世界に存在する母の物語。用語と題名が難しいこと以外欠点がない。子の一生をそばで見守り次へ繋げていくマキアの姿を描く。世界観が壮大すぎて6時間程かけて見たい。親子の物語だけど本作に込められた思いはあらゆる関係の好きな人に向けられる。

3.オンリー・ザ・ブレイブ
間違いなく実話ベースなら今年No.1。先月日本でもカリフォルニアの山火事が報道されたけれど、その現場で命を賭けて立ち向かう者たちの勇姿、そして彼らを支える者たちの思い。2013年に実際に起きた山火事を描き誇りと家族のため戦う消防隊を記したヒューマンドラマ。

4. Amanda(原題)
映画祭にて。パリで暮らす青年と、突然彼と暮らすことになった姪のアマンダを見守る映画。人生ではどうにもならないようなことが起きるし でもその後には絶望しか無いわけではない。静かにだけど着実に前へ進むふたりを見守りたい。日本では来夏に劇場公開が決定している

5. スリー・ビルボード
娘を殺された母親が警察の怠慢を非難する広告を、田舎道の路肩に出すことからこの物語は始まる。登場人物の多くが考え方を変える一方で、その前後でも人物像の軸はブレない。脚本の力、役者の力が強い作品。ビルボード、なんて邦題にしていいほど浸透した英語か?とは思う。

6. きみの鳥はうたえる
モラトリアム真っただ中にある男女三人の取り返しのつかない幸福感を描く映画。「次の季節はやって来ないように思える」という冒頭のモノローグを聞いたときから、観客はこの夏の終わりを意識し続けてしまう。隣に誰がいるかで佐知子の表情が全く異なることに注目して見てほしい

7. 寝ても覚めても
2年前に忽然と姿を消した元恋人とそっくりな見た目を持つ相手に出会う、朝子のジャパニーズホラーラブストーリー。奔放に見える麦も朝子もその場その場の行動に嘘は無く、あの日のように次の瞬間何が起きるかはわからない現実を映す。きっと亮平にとっての朝子は朝子にとっての麦。

8. 孤狼の血
タイトル通りのゴリゴリのヤクザ(っぽい)映画。当時を知らぬ観客も新米刑事・日岡の視点を通して昭和63年のヤクザ間の抗争に挑む。冒頭から続く容赦のないゴア表現は見る人を選びはするものの、韓国ノワールのような丁寧な描写に感嘆する。小道具背景まで抜かりない。続編製作も決定済み。

9. 犬ヶ島
20年後の日本・メガ崎市。護衛犬だったスポッツを探すため、すべてのイヌが移送された犬ヶ島へ単身乗り込むアタリ少年。コマ撮り人形アニメ独特のノスタルジーと太鼓など和楽器を用いた音楽、漫画的画面構成による米国製日本昔ばなし。声を上げることの重要さを描く社会批判的コメディ。傑作

10. リズと青い鳥
吹奏楽部に所属する高校3年生のみぞれと希美の間にある、ヒリつくような切実な関係を静かに描く。学校に閉じ込められた彼女らの心情は言葉では語られず、映し出された画面から我々自らが読み取るしかない。希美のあの一言が痛い。物語はハッピーエンドがいいね

11. ペンギン・ハイウェイ
アオヤマ少年のひと夏の研究と成長とかけがえのない経験を描く瑞々しいSFラブストーリー。ポップで儚くアニメの強さを活かした作品であると同時に時折あるショッキングなシーンでは心が握りつぶされそうになる。きっと10年後にはアオヤマくんは立派な大人になるのだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?