【スタッフインタビュー】CIジャパン カントリーディレクター、ジュール・アメリア
みなさん、初めまして!CI ジャパン広報インターンの小野杏樹です。
私は、CI ジャパンのカントリーディレクターであるジュール・アメリアさんにインタビューさせていただきました。アメリアさんは、2023年3月よりCIジャパンへ参加し、少数精鋭のジャパンチームを率いています。それまで歩んできたご経歴は、環境業界そのものではないですが、マーケティングとイノベーションのエキスパートであったアメリアさんが異業種の世界へ移ってきたのには、サステナビリティへの熱い想いがあったそうです。
杏樹:大学卒業後からCIジャパンのカントリーディレクターになるまでの道のりを教えてください。
アメリア:アメリカの大学で国際関係学を学んだ後、日本の会社でWebサイトやCRM戦略作りなどのデジタルマーケティングに携わりました。その仕事をしているうちに、人が作った商品を世の中に売るといったマーケティングよりも、自ら商品をデザインするというイノベーションの手法に興味を持ち、米スタンフォード大学の講座を履修しに行きました。そこで講師をしていたデザインコンサルティング会社IDEOが東京に新たな拠点を置いたことを知り、その後IDEO Tokyo に就職しました。そこでは「人」のニーズを対話やインタビュー、観察等を通じて把握し、それに合った製品やサービスを開発していく「人間中心的デザイン」を軸に働いていました。しかしあらゆる産業のプロジェクトに携わるうちに、食品や農業をはじめ、さまざまな場面でサステナビリティの問題が残っていることに気づきました。私は幼い頃から自然が好きだったので、人間のニーズと自然のニーズに対して同時に取り組んでいる組織はないかと探していたところ、コンサベーション・インターナショナルを知り、そうした出会いからカントリーディレクターとして就任するに至りました。
杏樹:幼少期から自然に親しんでいたとおっしゃっていましたが、何かアメリアさんにとって自然との特別な思い出はありますか?
アメリア:幼少期から毎年、父親の故郷であるアメリカのウィスコンシン州を訪れ、大自然の中で馬のお世話をしてことは貴重な思い出です。幼い頃から動物が好きで、高校時代は馬の調教師になりたいと夢見たこともありました。自然に関することがメインの仕事はCIが初めてなので、今でも毎日自然に関する勉強の日々です。
杏樹:CIに入る前までに経験したことで印象に残っていることや学んだ事があれば教えてください。
アメリア:複数の企業との事業を通して、コラボレーションの重要性を学びました。異なる価値観があると緊張感が生じることがありますが、これは悪いことではありません。むしろ、そのような価値観の衝突こそが、新しいアイデアや可能性を生み出す原動力となるからです。複数の団体が集まることで一社ではできなかった事業が可能になるという経験がたくさんあったので、CIでも様々なパートナーシップを通してコラボレーションの強みが自然保護に活かせると信じています。
杏樹:CIの活動で今までで一番面白かった、印象に残った活動はなんですか?
アメリア:ネイチャーポジティブの事業は、個人的にとても興味深いです。特にCIが中心となって作成した「エクスポネンシャル・ロードマップ」にも明示されているように、農業の手法を再生農業にするなどの土地利用の変化だけでも気候変動対策になります。農業の炭素吸収におけるポテンシャルが大きいことを知った時は、とても印象に残っています。日本の農家のみなさんと協働で農業の土地利用を再認識していくなど、これからも周囲の人を巻き込んでいく強みを活かして活動していきたいです。イノベーションのためのイノベーションではなく、サステナビリティのためのイノベーションを目標に、農業だけでなく全ての活動に力を入れていきたいです。また私自身、人と人、会社と会社を繋げることが得意なので、企業の取り組みの中で自然とつながりのあるものを促進したり、可能性を秘めている会社のコラボレーションをしたりなど、多種にわたる活動の架け橋になりたいです。
杏樹:ありがとうございました。現在、環境科学や自然保護に興味がある読者の皆さんにアドバイスやメッセージをお願いします。
アメリア:環境問題に関心はあるけれど、何から始めればいいのかわからないという方は、まず身近な疑問を持つことから始めるのが良いと思います。たとえば、「この資源、無駄になっていないかな?」「使い捨ては便利だけど、このまま続けても大丈夫なのかな?」「この製品の原材料はどの国から、どんなプロセスを経て届いているのだろう?」といった、日常の中で湧き上がる疑問を掘り下げてみてください。
こうした身近な視点から考え始めることで、自分の行動とサステナビリティとの接点が見えてくるだけでなく、社会の仕組みやその仕組みを変える力を持つプレイヤーたちの存在にも気づくようになると思います。
アメリアさんにインタビューして感じたこと
インタビューを通して、アメリアさんの常に学ぼうとする姿勢に印象を受けました。就職後も自分の興味を持った事の勉強を始めたり、CIに入ってからも自身の馴染みのない分野のリサーチを毎日するなど、常に自身を磨いている姿がとても刺激的でした。また、アメリアさんはインタビューの中で「コラボレーション」という言葉をたくさん使われていました。これは前のお仕事で様々な経歴、価値観のある方々とコミュニケーションをし、新しい可能性に気づいた経験がたくさんあるからこそ、それを今でも仕事の軸にしているのだと思います。誰かに相談して初めて思い浮かぶ案があるかもしれない、そんな考えを持って日々生活してみたいと思います。
アメリアさん、お忙しい中ありがとうございました!