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「相続争い」をしているという自覚がない「消極的相続争い」について

よくある遺産相続の事例をご紹介します。

相続発生から2年以上経過している。
相続人は、3人から7人
遺産総額は、5000万円未満
 お互いに争わないように、遺産分割協議書を作成したい。

行政書士の間では、こういうご相談はけっこう多いと言われています。
そして、これが意外と大変なケースになるということも言われています。

相続人お一人当たり、500万円未満の相続ならば、すんなりいくかと思いきや、何年もそのままになっているという場合は、実は隠れた問題があるからなのです。

相続人同士の交流がない。
そもそも故人との付き合いがあまりなかった。実の親子でも、関係性は希薄だったという方も多いです。
誰かがイニシアチブをとるだろうと、みな、様子見している。
最初に、手を挙げると、面倒なことをみな押し付けられそうな気がする。
現金をもらうのはいいが、それ以外の資産価値のない不動産やお墓のことなど、面倒なことはやりたくない。

これが、いわゆる「消極的相続争い」というものです。
相続財産が少ない場合(多いか少ないか、感じ方には個人差がありますが)は、表立って争うことはないものの、なかなか話が進まない。
かといって、相続放棄をするわけでもない。そんなケースです。

また、相続人関係者は、みないい人ですが、余計なお金は出したくないという場合は、専門家に依頼しようというところまで話がまとまらないこともあります。

おひとり様生活をしている高齢者の皆さんにとっては、自分が亡くなった後のこうした現実は、なんだかわびしくて、なかなか受け入れられないかもしれません。

こんな例をご存じですか。
誰かが倒れたのを見て駆け寄り、「救急車、呼んで!」と野次馬に向かって叫んでも誰も動かない。「そこの青いシャツ着たあなた!携帯持ってますか?」と誰かを指さして、具体的に指示して、救急車を呼んでもらわないといけないのだと。これが、イザというときの心得なのだと。

相続も同じだと思います。イザというときは誰にお願いするのか、はっきり意思表示しておく必要があります。

○○を遺言執行者とする、と遺言書に書いておく・・・これが重要なのです

身内に頼める人がいない場合は、専門家といわれる士業(弁護士や行政書士等)に、遺言執行者を頼んでおくのも、一つの選択肢ではないでしょうか。

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