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【小説】 私文書偽造な人

1月7日
書類を持ってこないと言ったユウは
弁護士が作ったと思われる
確認書を持ってきた
これぐらい自分でもできると言って
書面を出してきた
印鑑さえ用意されていた
佳世子は拒否した

でもLINEをするなら
連絡をまだするならと
書面に名前を書いた

後日、確認書には
自分の印鑑ではない
印鑑がいろいろな場所に押印されていた

社会生活をまともにしていなかったからか
割印までされていた

あの頃から
怖くてたまらなかった
ただ飯より怖いものなどないと
初めて知った

ユウはもう
人ではなかった
利益で動く人

普通よりほど遠いかもしれないけど
幸せだった私の人生はユウによって壊れた

いつも診てくれる先生
もうすぐ誕生日だね
おめでとう
考えると泣いてしまいそうだから
やめた

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