【小説】 離れていく人々

何故か佳世子の周りから離れていく友を感じた
それはいつもならメッセンジャーで励ましてくれた
友達も、無言の既読となって•••。
なら、祐輔みたいにブロックしていなくなれば
いいじゃないか
佳世子は祐輔のフェイスブックをまだ関係のあった時に佳世子、自らブロックしていたが
何故か佳世子のフェイスブックから祐輔のいいね
と、コメントは消えていた
ただ、幽霊みたいにいいねの数は消えていなかった

権力を持ち財をもつ人のほうに
そして口がうまい人のほうを信じるよね

でもね、心の傷は見えなくても
顔に残った障害が
天気の良い晴れ間に毎日毎日、佳世子の眼や顔が
いやな記憶を思いださせた
いつの日だったかな
もう脳神経内科に行くのをやめた
どうせ人に会わないし

たくさんの人と繋がりを持ちたい
そう思ったこともあり
たくさんの人にあった
でも、世間は何気にせまいと感じた
祐輔の知り合いらしき人にでくわすこともあり
人と会うのが怖くなり
自ら出会いを止めた、あきらめた

なぜ、佳世子だけが社会から闇に葬られるの?
どうしてsnsをしてはいけないの?
あの男はそんなに強いの?
生きているだけで苦しくなった

涙がでてきた
確かに全てを覚えているわけではない
頭を打った時
前後の記憶がない
たまにでてくることも
記憶の一部を取り戻すことはあっても

そうだよね
あのLINEだけなら
ただの不倫に見られる
そうだよね
たとえ罪になっても佳世子は
音声を公開することで
身の潔白を、いやつらかったことを•••

違う
不倫じゃなかったことを
知ってもらいたいだけだ

いくら慰謝料を払ったと思うんだ
そう言った祐輔には
誠一ある対応のフリだけで
本当は違っていた

私はあんたの家庭を穏やかにするために
あの時生き延びてきたわけではない
田町の駅前の橋で20年後生きられたらどんな子だろうか
と思っていた21歳の佳世子は
あんたに人生をぼろぼろにされる
なんて、少しも思っていなかった
タイムスリップがあるなら
21歳の時
祐輔に慰められる前に
死んでおけば
祐輔に2022年と2023年にぼろぼろにされなくても
会わなくてすんだのに 
佳世子は自分の生きるという道を選択した
あの日を憎んだ

あの日2000年に
死んでいればどんなに幸せだっただろうと
英会話学校に通っていた佳世子
大学が終わった夜
バイトがない日
英会話学校に通っていた
田町にある大学がやっていた
英会話学校だった









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