【映画情報】グレタ・ガーウィグ監督『バービー』
バービー:女の子の憧れのアイコン
実を言うとバービー人形とその世界についてはほとんど知識がありません。知っているのは、かつて日本の女の子がみなリカちゃんに憧れたように、アメリカの女の子のたちの憧れだ(った)ということくらいです。キラキラ女子の典型ですね。
もともとは白い肌にブロンドの白人モデルしかなかったバービーは、現在では肌、目、髪の色のさまざまなバリエーションがあるようです。そこは、ほぼ日本の女の子(の親達)を顧客としているリカちゃんとは違います。リカちゃんは髪の色こそバリエーションがあるようですが、肌の色は一色じゃないかしら。
いずれにせよ、バービーは“すべての女の子の憧れ”という位置付けがされた、“女の子”という記号といってもいいのではないでしょうか。
さて、そのバービーが実写化され現在撮影中のようです。アメリカで2023年7月に公開予定とか。
あまり知らないバービーの実写化になぜ興味を持ったかというと、監督がグレタ・ガーウィグさんだから。
監督・脚本:グレタ・ガーウィグ+ノア・バームバック
Vogueの記事によると、本作は、バービーランドで暮らすバービーが、自分には何かが足りない(「自分は完璧じゃない」)、と感じて現実世界への冒険へと旅立つが、その過程で、完璧さは本当のところ、自分自身の中にしか見出せないと気づく、というプロットのようです。
さらに記事は、“このプロットが陳腐に聞こえるなら、本作はフェミニストの書き手であるグレタ・ガーウィグが、パートナーのノア・バームバックの意見も取り入れつつ脚本を書き監督するということに注目すべきだ”としています。
グレタ・ガーウィグ監督は、これまで『レディバード』(2017) や『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』(2019) で、(完璧からはほど遠い)女性が失敗しながらも自分自身を受け入れて、自分のままでしっかり生きていこうとする姿を描いています。
ガーウィグ監督が書いて撮るならば、ただのキラキラ女子の話になるはずがありません。『マリッジ・ストーリー』(2019) でリアルな男女の離婚を描いたバームバック監督が共同脚本なのか単に助言なのかわかりませんが、とにかく脚本に絡んでいるようですし、おもしろい作品になりそうで、今から期待しています。
キャスト:マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリング
よく知らないのですが、ケンはバービーの幼なじみで、
というキャラクターらしいです。ボーイフレンド、ではないのかな?
そのケンを演じるのはライアン・ゴズリングさん。41歳の彼にあえて10代と思しき男の子を演じさせるのですから、彼でなくてはならない何かがあるということ。彼の持つ魅力や演技力が遺憾なく発揮されることでしょう。結構衝撃的なビジュアルですが、まあすぐに見慣れますよね。
そして、バービーを演じるのはマーゴット・ロビーさん。私は彼女の出演作を多分4本くらいしか観ていなくて、しかもハーレイ・クインのやつはその中に入っていません。だからなんか俳優としてどうかというのはあまりよくわからないのですが、彼女は本作には製作としても関わっているんですね。かなり踏み込んで関わっているということだと思います。
過去に製作のみで関わっている作品に『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020) があります。それを知ると、本作がどのような意図で作られているのか、推して知るべし、なのではないでしょうか。
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