ボカロオルタナティブ祭で良かった曲の話をしよう
今回は最近開催されていたボカロオルタナティブ祭というイベントで投稿された楽曲の中から良かったものを紹介していきます。本当は私も自分の楽曲の宣伝をしたかったんですが、2月に入ってからずっと体調を崩していたので間に合いませんでした。ボカコレで会いましょう。
バンデイジガール.mp3
最初に紹介するのはデスケツさんのバンデイジガール。どっしりとした手数の多いドラムと気持ちの良いギターサウンドが癖になる楽曲です。荒々しくもポップさを演出するこのローファイ感は、やはりmp3で書き出すことによって生み出したものなんでしょうか……?
音楽性といい歌詞の世界観といいメジャーデビュー前後のクリープハイプを彷彿とさせます。本物の生バンドらしいノリをバックに歌うミクさんの声が表情豊かで素晴らしいですね。
F.M.L
2曲目はLYUさんのF.M.L。さすがはオルタナティブ投稿祭、ド直球のグランジサウンドで攻めてくる方もちゃんといらっしゃいます。端々にNirvanaへのリスペクトが感じられる楽曲ですが、このキャッチーさと激しさを兼ね備えた楽曲を宅録&ボカロでハイクオリティに実現するのはとんでもないことですよね。シャウトもめちゃめちゃうまい。知声ちゃんこんな声出せたんだね……。
追記:動画非公開になってしまったようですね……
90s pocket
3曲目はmidrynkさんの90s pocket。こちらはよりヒップホップ的な重厚なグルーヴの楽曲ですが、ギターは紛れもなく生弾きのロックサウンドです。全体的には歪んだテイストですが、ボーカルはどことなく儚いクリアさも兼ね備えているのが個人的な推しポイント。後半のカットアップしたギターはもしライブでやるならやはりキルスイッチ奏法でしょうか……?
melreverb
4曲目は伊織の人さんのmeltverb。轟音でありながら透明感も兼ね備えたサウンドは10年代の邦楽シューゲイザーバンド達からの影響を感じます。きらびやかな高域をもつミクさんの声に深いリバーブは最高に相性がいいですね。
シューゲイザーというと音が作り出す世界観に注目しがちですが、この楽曲はドラムの手数が多くて体が動くしボーカルもメロディアスで歌モノとしても素晴らしいと思います。
spring
5曲目はツンベルク管さんのspring。90年代の音響系に通じるような良質なエレクトロニカです。心地よい音の空間の中で、右からなり続けているファジーなギターのリフや不協和なシンセの音が次第に癖になってきます。アンビエンスで世界観重視の音楽性でありながら、ボーカル入りの楽曲として成立しているのもすごいことですよね。
遊弋する、
ラストはノ狐図書さんの遊弋する、です。音楽性、歌詞、映像すべてひっくるめて美しく、儚く、どこか閉塞感のある世界観はこれぞインディー・ロック。豊かな語彙がありながら飾りすぎない歌詞は可不ちゃんが歌うと本当によく似合います。これ、正直みんな好きでしょ。やっぱりオルタナ・インディーってこういうことなんだよなぁ(語彙力)
おわりに
「90年代のあのバンド」を想起させる王道のオルタナもあれば「音楽性は違うけどアティチュードとしてオルタナです!」という楽曲も含めたくさんの投稿楽曲がありましたね。ボカコレのような大規模なイベントでは数百再生に埋もれてしまう(そして作曲者もあまり宣伝をしないかったりする)良曲がオルタナティブというキーワードの元たくさん発掘できる良い機会になりました。また、ボカロの中では正直あまり流行りではないオルタナティブ・ミックを作る人達が集まってこうしたイベントが開催されたのは、インディー・ロック系のボカロPの一人としてとても嬉しく思っています。次回開催あったら絶対参加するぞ……!
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