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おすすめの曲を紹介する 2021年9月#02

 こんにちは!Luです。普段は主にボカロPとして活動しています。

 私が普段聴いている音楽や昔から好きな音楽を毎週更新のApple Musicプレイリストにまとめて公開しているのですが、この度noteにて、プレイリストの中から数曲ピックアップして紹介する連載をはじめます。この記事にはできるかぎりYouTubeのリンクを貼るようにしているので、紹介した楽曲はApple Musicに入っていない方も聴くことができます。

 今週は現代の邦楽アーティストに大きな影響を与え、自身も今なお活躍中の向井秀徳氏の楽曲を紹介します。ナンバーガールからZazen Boys、ソロ活動、映画の劇伴など幅広い活動の中で数多くの曲を作ってきた向井氏の、誰もが知ってるあの曲から隠れた名曲までを詰め込んだプレイリストから6曲紹介していきます。

ZEGEN VS UNDERCOVER / NUMBER GIRL

 まずはNUMBER GIRLの名曲から。伝説的バンドとして名高いNUMBER GIRLですが、2002年の解散から2019年再結成まで16年半近く活動していなかったことや再結成後まもなくコロナ禍によってライブやフェスに行きづらい状況になってしまったこと、新譜のリリースがないことを考えると20代前半くらいまでの人の中には名前だけ知っているという人も少なくないと思います。透明少女を聴いて他にも色々掘ってみたいと思った方には、この曲をはじめプレイリストに数曲入っている独特のコード感や印象的なリードソロが光る楽曲をおすすめします。

 wowakaさんのローリンガールという曲がありますが、この曲とコード進行がほぼ同じです。wowakaさんが自らNUMBER GIRLファンを公言していたこともあり、おそらくこの曲へのリスペクトを持って作られた楽曲と思われます。邦楽オルタナティブロックのみならずジャンルレスに影響を与えたバンドなので、自分の好きなアーティストのルーツのひとつかもしれません。そう思って聴いてみると新たな発見があるのではないでしょうか。

Asobi / Zazen Boys

 ナンバーガール解散後に向井氏が結成したバンド、Zazen Boys。4枚目のアルバム「Zazen Boys 4」に収録されているこの曲は、シンセを使用し、打ち込みらしい4つ打ちの楽曲になっています。NUMBER GIRLはバンドで演奏することで成立する音楽でしたが、Zazen Boysは特に後期になるほどファンキーな4つ打ちやDAW、シンセ、リズムマシンといった機材を使った曲作りを行っていました。1stアルバムの「Zazen Boys」から5thアルバム「すとーりーず」までを聴いても、楽曲の幅広さから新しいものを柔軟に取り入れていく制作の姿勢が伺えます。

ポテトサラダ / Zazen Boys

 Zazen Boysの代名詞は複雑な変拍子とバンドの正確できっちりシンクロしたキレのある演奏です。先程「Asobi」という楽曲を紹介しましたが、この曲のほうがZazen Boysらしい演奏と感じる人が多いでしょう。この曲は5thアルバム「すとーりーず」に収録されている比較的新しい楽曲です。この映像はMIYA氏が加入してからのもので、以前と比べベースの音がより無骨になり、キレが増したように思います。

 Zazen Boys楽曲の変拍子は「8カウントないし16カウントを数えきる前に次の小節に行く」という考え方で作られていることが多く、マスロックのような数学的な複雑さとはまた違った雰囲気で、前のめりに突き進んでいく勢いがクセになります。

Soundtrack To Murder / Kimonos

 Kimonosは向井氏とLEO今井氏が2010年に結成したユニットです。アルバムが一枚しか出ていないこともありあまり知名度は高くないようですが、楽曲はどれも挑戦的で面白いものになっています。

 当たり前のように向井氏がドラムを叩いていますが、この曲が収録されているアルバム「Kimonos」でバンドサウンドはこの曲のみ、ほとんどの楽曲が打ち込みと二人の演奏で作られています。(この楽曲のドラムをレコーディングでも向井氏が演奏しているかどうかは確認できませんでした)。また、このアルバムには細野晴臣「Spots Men」も収録されています。どことなくハイファイなYMOのようなカバーですが、細野晴臣がYMO在籍時に制作したソロアルバムなので原曲にもカバーにもその要素は多分に含まれていると思います。

はあとぶれいく / 向井秀徳アコースティック&エレクトリック

 向井氏は向井秀徳アコースティック&エレクトリックという名前でソロ活動もされています。楽曲はNUMBER GIRLやZazen Boysの楽曲が多いですが、ギター一本のアレンジは原曲とは違う良さがあります。弾き語りにもかかわらずエレキギター一本、スタジオ定番ではあるもののあまり大きなステージでは見ないRoland JC120のクリーントーンをメインで使用する珍しいスタイルではありますが、楽曲とよく合っています。

番外編
向井秀徳さんの伴奏で朗読する編

 最後は番外編です。俳優の松重豊氏が昨年発表した小説「空洞のなかみ」の一部を本人が朗読しながらミュージシャンに伴奏をつけてもらう企画があり、その第一回目が向井氏でした。向井氏は多くの楽曲で演奏をバックに文字通り”語る”特徴的なスタイルをとっています。そのことが朗読ととても相性がよく、シーンの緩急や声の余白を演出しています。朗読だけでも音楽だけでもなく、どちらも主役としてコラボするこの企画はどれもすばらしく、STUTS氏、七尾旅人氏、mabanua氏といった様々なアーティストが参加しているので気になった方は他の動画も観てみてはいかがでしょうか。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。来週になると更新されてしまいますが、他にも良い楽曲がたくさんあるのでプレイリストのほうもぜひ聴いてみてください。

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