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10代の葛藤。

10歳で身につけたのは、世渡り上手。八方美人だった。
わたしが一瞬で他人の性格や雰囲気を掴み取れるのも、
きっとこの頃の『癖』が生きているのだと思う。

「出来るだけ嫌われず。出来るだけ自慢の娘であるように」

そんなことばかり考えていたから、
他人の心を読むのも容易だった。
相手の真意を読む間、
わたしは表情が変わらない。
微笑んでいる時もあれば、真面目に話を聞いている時もある。
相手から見れば何も気付かない。
心に嘘はない。
ただ、読み取っているだけ。
ただ、『知りたい』だけ。

そんなわたしは、
巷で言う『ポーカーフェイス』らしい。
だからか、
何を考えているかわからない人は稀でしかない。
同業の匂いはすぐにわかる。
読めてしまう。

あの頃のわたしはとくにいい子でいたかったから、
出来るだけ気に入られるように振る舞った。

大切な人にこそ辛い時、何も言えない。

「心配させたくない」
「自慢の子でいたい」

その『癖』は20年以上経った今、
良くも悪くもわたしをしっかり支配する。

だからこそ、
『どうでも良い人』=『都合の良い人』
となる。

そのくらいがちょうど良い。
大切な人の『負担』にはなりたくない。

自分が辛いことがあるように、
他人にも辛いことなんて五万とある。

じゃあ、
あの時心の内を明かした相手は?

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