親戚と会うのマジ緊張するんだけど超イヤんなっちゃう~
緊張した…。
〈おつかれさま〉
いや別に疲れてる訳じゃないんだけど…。
〈ほらまたそう言って取り繕っちゃって。ほんとは?〉
……疲れた、というか、気が抜けてしぼんでる、みたいな。
〈うんうん。素直でよろしい〉
シャル
主人公
〈ロミルダ〉
妖精ちゃん
人に会った。
〈遠い親戚の人、になるのかな?〉
そうだね。
正直、あまり面識はない。
そもそも、僕に会いに来たわけでもない。
でも、話の流れで僕も同席することになって。
そのことが決まったときから緊張した。
前日はよく眠れなかった。
〈どうしてそんなに緊張したの?〉
それが不思議でね。考えてみたの。
おそらく、変な目で見られる気がして嫌だったんだと思う。
〈変な目?〉
「こいつが例のクズか」みたいな目で。
〈面識も少ない遠い親戚に?いきなり??〉
そう、そんなことあるはずないのにね。
昔から、自分が人に好意的に見られる訳がないって信じ込んでる。
〈それはまた派手な誤解ね〉
そう。これは誤解だ。火を見るより明らかだ。
普通の人は、ちゃんと普通に接してくれる。
〈それじゃあなんでそんな誤解が生まれたのかな〉
おそらく……過去に、あまり人と上手にコミュニケーションが取れなかったからだと思う。
トラウマとまでは言わないけど、あまり人といい関係を継続できたことがない。
でも問題はそこじゃない。
「「「あらゆる人に否定的に見られる」ことが誤解である」と認識しているにも関わらず、「あらゆる人に否定的に見られる」と身体が反応してしまう」ということ。
〈カギカッコが多い〉
つまり、思い込みだとわかっていても、変えられない誤解があるということ。
〈ふしぎ発見〉
そうだね。不思議だね。
結果、今日みたいに疲れる。
〈そんなのが続くと、人に会うことそのものが嫌にならない?〉
もうなりかけてるかも。
〈だよね〉
あ~~~でも、どうすればいいんだ~~~!!
……って、いつもならここでインテリジェントでファンタスティックなアクロバティック・気づきを得て、ミラクルな解決思考法を鮮度抜群でご提供できるところなんだけど、今回は…………ないなぁ。
〈ま、そういう記事があってもいいんじゃない?〉
え、そう…?
いや、でも、何も解決してないけど、需要はどこに…?
〈同じことを考える人にあるでしょ〉
〈考えちゃいけないこと、ひどい誤解であるということ、そうわかっていてなお考えちゃうこと。そうやって抑え込んじゃう思いは、実は他の人も感じているんだって、それがわかるだけで心が軽くならない?〉
………分からないでもない。
〈でしょう?〉
つまり、今日の記事は……「親戚と会うのマジ緊張するんだけど超イヤんなっちゃう~」っていう……報告だけ?
〈そういうこと〉
「こんな記事があってもいいじゃない」?
〈そういうこと〉
今回はこのぐらいで?
〈そういうこと〉
いいのかなぁ…。
〈いいのいいの〉
〈それより大切なことがあるわ〉
え?
〈今日は緊張したんでしょ?〉
緊張した。
〈疲れたんでしょ?〉
……疲れた。
〈おつかれさま。大変だったね〉
でも、この程度で疲れてたら…。
〈ダメなの?人付き合いが苦手な人だっているでしょ。元気がないときはとくに〉
でも、こんな自分、認められないよ。
〈私が認めてあげる。シャルは今日たいへんだった〉
〈疲れたことを認めて、癒やしてあげる。それが相変わらずへたっぴなんだから。私がちゃんと言ってあげないと〉
〈はい、だから今日はもうおしまい!〉
……それじゃあ、またあした?
〈そうそう。ばいばい!!〉
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