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今日が期限の割引券を使ってきた。

 ただいま!
〈おかえり〉
 さあて、あと1時間でこのテキストの更新予定時刻だ。
 こんなにギリギリなのは久々だ…。

〈でも、途中まで書いてた原稿があるじゃない。それにしないの?〉
 それでもいいんだけど、せっかくだから、今日こんなギリギリになっちゃった顛末と、そのときの感情について書こうかなって。

 結論は「直感には従った方がいい」。
 さて、書こうか。


シャル
主人公
〈ロミルダ〉
妖精


 自分でも気づかないうちに我慢してしまうことってある。
 この我慢は仕方のないことなんだって、知らず知らずの内に自分を抑え込もうとすらしてる。
 改めて、今日、思い知った。

 今月いっぱいまで使える、古本屋の550円券があってね。
〈ずーーっと、どう使おうかって悩んでたよね〉
 もう、ずっと悩んでた。

 古本屋で、550円。これはでかい。
 ただ、この券は指定の店舗じゃないと使えない。
 その店舗に何回か足を運んだけど、特に欲しい本は見当たらなかった。

 いや、正確にはあった。
 あったけど、後述する理由で、手に入れるほどじゃないと思ってた。
 思い込まされてた。

 で、とうとう今日。期限最終日。
 どうしようもないな、550円は諦めるしかないかって思ってた。

 ただ、どうしても引っかかってたんだ。

 以前、途中まで読んだことがある漫画があって(所有しているわけじゃない)。
 その続きを、この550円券で手に入れることができるなって、気づいた。
 それが1時間ぐらい前かな。

 ここでかなり葛藤した。
 正確には、「続きが読みたい!欲しい!」という気持ちを、色んな理由で抑え込もうとしていた。

 もう外は暗くなってるぞ、とか。
 片道30分かかるぞ、とか。

 今日更新予定のnoteの原稿が完成してないぞ、とか。
 行って帰ってたらnoteの原稿が間に合わないぞ、とか。

 550円じゃあ最新巻までは手に入らないぞ、とか。
 そもそも本の状態がちょっと悪かった気がするぞ、とか。

 そもそも、本当にそこまでして欲しい本なのか、とか。
 本を手に入れても、もう置く場所がないぞ、とか。

 それはそれはもう葛藤した。
 noteの原稿に手がつかないほどに。

 そして、ふっきれた。
 「うるせえ!欲しいんだ!!」って。

〈それで飛び出していったのよね〉
 運転なんかしていい精神状態じゃなかったけど、もう、欲しいから手に入れてくる!って、その一心で。

 正直、葛藤の反動がきつくて心に疲れがどっときたし、ほんとなんでこんなことしてんだろうって自問自答しちゃうし、もっと前から手に入れるって決めてたらこんなギリギリにわちゃわちゃしなくてすんだのにって後悔したし、noteの更新まじでやばいんじゃないか?って不安になったし、もう散々。

 ただ。
 それでも、ね。
 やっぱり、すがすがしい気持ちになった。

 なんだかんだ、本が欲しかったんだ。
 550円券を効果的に使いたかったんだ。

 そして、それを、達成できるんだって。

 今日は、そんな自分の直感に従うことができた。
 だたそれだけで、いま、こんなにも満たされてる。

 いま、自分、『素直』だ…。


 ……正直、書いてて恥ずかしい。
 笑われる、いや、呆れられるんじゃないかって、不安にすらなる。
〈そう?どうして?〉
 だって、なんか、それはもう色んな視点から「なんてバカなことしてるんだ」って考えちゃうような、しょうもない愚行に思えて仕方ない。

〈愚行は言いすぎじゃない?続きが気になってた本が手に入って、割引券も無駄にならなかった。最高じゃん〉
 うーん……たしかに、そう言われると最高にしか聞こえない。

 でも、それなら、あんなに葛藤してた自分が愚かに思えてくる…。
〈まだ隠れ我慢癖が残ってるんでしょうね。素直さが足りないんじゃない?〉
 やっぱり?
〈でも、今日で素直さが1アップしたから、次はもっとうまくできるわ。きっとね〉

〈それに、もし、本当に諦めて、さっき、古本屋に行かなかったとしたら……どう思ってたでしょうね〉
 ………なんか、想像するだけで恐ろしいほど、後悔してそう。
〈でしょう?〉

 ……うん。これで良かったんだね。
〈そうそう。おつかれさま〉
 ありがとう。

 ………やっとちょっと落ち着いてきた。
〈ちょうどいいんじゃない?あと5分で更新予定時刻よ〉
 ほんとだぁ……noteもなんとかなりそう。
 良かった…。

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